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京あそび Feed

2011年12月15日 (木)

當る辰歳 吉例顔見世興行〜南座

ご存じ、南座、當る辰歳 吉例顔見世興行。

これからの1年、南座と出演契約をした歌舞伎役者が出演する、という意味で役者の正月ともいわれるので、當る辰歳 と来年の干支がつくのです。


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京の師走の風物詩、南座の招き。
いままで下から見上げるばかりで通り過ぎていましたが、今年は京の奥様方にならって師走の行事を満喫しにおでかけいたしました。

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これが今年新調された緞帳の原図(かも)。
赤地草花連紋という吉祥紋葉で、上村淳之画伯監修。
現物の緞帳をみるとところどころきらきら光ってきれいです。
制作は川島織物、聖護院八ッ橋さんの寄贈です。太っ腹〜!

今年の夜の部は、大出し物として
「源平布引の滝・実盛物語」・・・菊五郎
「元禄忠臣蔵・仙石屋敷」・・・仁左衛門、三津五郎

オープニングを華麗に彩る我當、秀太郎の「楼門五三桐」

長唄・清元・舞踊の「六歌仙容彩・喜撰」・・・三津五郎

上方落語の名作を歌舞伎にしたてたコメディ「らくだ」・・・・愛之助、翫雀

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歌舞伎についてはにわかファン以外のなにものでもないので、○○屋がだれで、△△屋がだれなのか、だれがだれの息子でだれがだれのおじいちゃん、、、、ということについてはあんまり知識がございません。

「親の顔が見てみたい。」
というセリフに場内に笑いがわいたところをみると、これは親子共演なんやなあ、、と推察するのみ。
こういうのをよくご存じでしたら、もっと楽しめるんでしょうねえ。


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でも仁左衛門さんは、ほんまええわあ。
仇討ちの本懐を成し遂げたあと、仙石伯耆守らによる詮議の場で、感情を極力おさえながらも凜とした申し開きをする大石内藏助を演じはりました。

今年2月、大阪松竹座で見た時は、やつれた色男をやらして艶っぽくて絶品でしたが、こういう武士の役もまたええわあ。
どちらも心に哀しみをかかえている、というところが共通項かも。

いちど仁左衛門のコメディ(あれば)も見てみたいなあ。

花道のすぐそばの席だったので、平伏したときの仁左衛門さんのナマ足の裏を、とくとおがませていただきました。coldsweats01

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幕間のお弁当は南座の売店で買ったのですが、うりきれ寸前だったので、この巻き寿司しかなかったのよ。
これを瓢亭なんかで調達してもちこむのが通だとか。


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幕間にせっかくの南座、記念撮影。


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例の蘭陵王の帯をお初におろしました。
まあ、舞踊と関係なくもないか、、、、と思って。


後半、三津五郎さんの喜撰法師。
お酒も女も花も好き、という喜撰法師が花盛りの祗園で茶店の女にたわむれ踊る、というものですが、直前の忠臣蔵で仙石伯耆守をやっていた人と同人物とはおもえないくらい。

体格すら、偉丈夫から急になよやかになったの?と思わせるくらいの別人ぶり。
さすが、一流の役者ってこういうものなのね。


さいごの「らくだ」は死人にカンカンノウを踊らせるという有名なお話しで、まったくの浪花言葉の口語体、思い切り笑いました。
ラブリンこと愛之助の(←ちょっとファン)小悪党ぶりがまたお似合いなことといったら、、、
こういう役をやらせると絶品です。

翫雀の久六は、その浪花言葉、最高〜!!
「あきまへん、あきまへん」というせりふ、これ関西弁ネイティブでない私には絶対発音できません。

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心地よい興奮の余韻を残して南座をあとにします。
回りをみてもお着物の方が(男性も)多いのを見るのはなんだか楽しいですね。

京の住人になったからには、これからは毎年の年中行事に顔見世をくみこまなくては。
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帰りは辰巳稲荷のある新橋通を通って。
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ここはまことに風情のある通りなのですが、夜歩くことはほとんどないので、こんな風情を楽しみながら歩いて帰りました。

2011年12月 6日 (火)

京都和菓子の会〜師走の京菓子の調べ

え〜、お茶屋の女将どす。
いえ、芸妓どす。

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ウソどす。coldsweats01

お出かけ先が南座ならぬ北座、じゃあ近くだし、、、、って縄手通りの、洋髪をとても上手に結って下さる美容室エメラルドによりまして、髪を作ってもらおうと。
いやあ〜ええ仕上がりやわあ。
われながらほれぼれ。(前からは、、、不問に、、、)


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南座は顔見世興業がもう始まっていて、杉の一枚板に役者の名前を勘亭流で書いた「まねき」があがっております。

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四条通をはさんで、お向かいにあるのが北座。

こちらもちゃんと纏があがっているでしょ。
で、「?」と、思われた方、そうなんです。北座はもう現存しません。

江戸時代、かつて京都にあった7つの芝居小屋のうち、明治まで残ったのは南座、北座だけだったそうです。
その北座も明治26年に廃止、それがあった場所がこちらなんです。


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破風もまったく南座そっくり。

でも、建物の川端通りに面するほうを見ると、、、

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そう、実はここは井筒八橋さんの本店なんです。

北座のゆかりで建てられた北座ビル、なかはレストランや茶寮、歌舞伎のミニミュージアムになっています。

この日、おじゃましたのはこの北座ビル。


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このように南座を少し見下ろすように見ることができる場所です。
南座はいつもまねきを下から見上げるばかりですので、これはめったに見られないアングルですよね。


「よき室礼の中で、よき和菓子を」のコンセプトで長年続けられている京都・和菓子の会、いつも楽しみで、皆勤をねらっております。

今回は主催中川様の体調のこともあり、こぢんまりと、和菓子もいつもの創作ではなくあるもので、ということだったのですが、ふたを開けてみれば大盛会でした。


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オープニングはフルート奏者、津田佐代子さんのバッハ・無伴奏フルートのためのパルティータ。

実は津田さん、ここの井筒八橋のお嬢様なんですよ〜。
とてもおきれいな方です。

少し前に、東北の被災した場所を巡る演奏会をされたそうですが、その時のことを思い出されて胸がつまったようなご様子、演奏されたのは「ふるさと」でした。

そのあとは、歌舞伎の芝居見物にちなんだ幕の内弁当をいただく。
(お食事付きの会は初めてのこころみ)

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それに佐々木酒造さん(「ハンチョウ」の男前の弟さん)がご持参のしぼりたて「古都」を一杯ずつちょうだいしました。
淡麗!lovely

今は寒仕込みの真っ最中でお忙しいとか。

先ほどの津田さんのお父上、井筒八つ橋の社長さんがおいでになって、八つ橋の起源や歴史、進化について熱く語られました。
京土産と言えば定番中の定番、八つ橋について、実は知っているようで全然知らなかったのですね。
おおいに勉強になりましたわ。

たとえば、「八つ橋」の名前の由来が、「伊勢物語にでてくる三河国八ツ橋の故事」という説と八橋検校の名に由来する説とがあって、井筒は後者説のため、八つ橋の缶にに描かれているのは琴。
そういえば聖護院八つ橋の缶はかきつばたと八つ橋で、こちらは三河説なんですね。

いつもなら、お店では売られていない創作和菓子を賞味するのですが、今回は創作ではない分、たっぷりとめしあがれ、ということでこんなにたくさん!

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すべて井筒八つ橋さんのもの。
特に右端の板状のお菓子は益壽糖というもので、蜂蜜、和三盆、八種の漢方をねりこんだという滋養菓子。
不思議なお味でしたよ。

さらに、、、


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太っ腹な井筒の社長さん、みなさまにこんなお持ち帰りのお菓子を大盤振る舞いしてくださりました。

これは南座の売店で購入できる、生八つ橋に小倉あんを包んで編笠模様に仕立てた銘菓「夕霧」ではありませんか。
近松が坂田藤十郎のために書いた「廓文章」にでてくる夕霧太夫が名前の由来。
編笠は太夫の恋人、藤屋伊左衛門のもつ笠をかたどったもの。
昭和22年に歌舞伎にちなんだお菓子を、と五代目さんが考案された物とか。

年末なので、楽しみの恒例の福引き。
それぞれの福が当たり、みなさま、ほっこり幸せな気分でおひらきです。


さて、せっかくですから、私はちょっと祗園〜門前町あたりを少しお散歩して帰ります。

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祗園のお店には早くも「福玉」がならんでいます。
舞妓さんが年末にお世話になったお茶屋をまわるときに、ご贔屓さんやお茶屋さんからもらうもので、なかには干支の人形など、縁起物がはいっているそうです。
除夜の鐘をきいてからあけるのが習わしとか。
一つ自分用に買ってみる?


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新橋通り。
この先にはかの有名な祗園と言えば、ここ、の辰巳稲荷があります。


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そして古美術、骨董のお店が軒をつらねる古門前、新門前通り。
ちょっと敷居が高いお店ばかりなんですけれどね。

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こちらはお香屋さんですが、良い雰囲気の建物です。


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鬼瓦や鍾馗さんをあつかっている瓦屋さんもあります。

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こんなりっぱなお家も。
観世流シテ方の名門、片山家。
当代(今年、九郎右衛門を襲名)は今の井上八千代さんの弟さんにあたります。

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草木染で有名な染司よしおかさん。

よしおかさんといえば、私は奈良東大寺・お水取りの「糊こぼし(修二会につかわれる和紙の椿)」のための、古代の染色技法で染めた和紙を毎年奉納されている、、、ということをすぐ思い浮かべます。


お店にディスプレーされたとりどりの透き通る絹のストールは、どれもやさしくてきれいな色。
みんなほしいなあ、、、というわけにもいかないので、この1枚を選びました。


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羽根のように軽くて、あたたかい。
刈安(青茅)と藍で染めたもの。

それから、、、

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吉岡さんのこちらの本。
「源氏物語」に沿って、吉岡さんが染めた襲の色が、見ているだけでも美しくため息もののうえ、各帖のダイジェストも読めるのです。

本屋でみるたびに買おうかどうしようか迷っていたのですが、


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吉岡さんのサインがあったので、即買っちゃいました。
(けっこうミーハーcoldsweats01


2011年11月18日 (金)

祗園・一力亭

かねてより、「一度は行きたい祗園一力、茶屋遊び」と言っていたおかげか、このたびありがたい機会を得まして茶屋遊びデビューです。(デビューかつ、多分最後だと思うわ)

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華やかな花街の方々にはるかに見劣りするのはわかっているので、着物はちょっと控えめなお召しで。
茶道のときはNGの帯留ですが、やっと出番が。

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宵の花見小路は観光客がいっぱいですが、どことなく艶めいて見えます。

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この一力の暖簾を内側から見たかったのよね。
もともとここは「万亭」であったのを、仮名手本忠臣蔵でお上に遠慮して「一」と「力」にわけて一力としたところ、この芝居が大評判をとったため、そのまま一力になったとか。

創業300年のお茶屋(芸妓、舞妓をよんで遊ぶ社交場)で、格式と敷居の高さではピカイチ。
当然ながら一見さんお断り。
(なんでわたくしごときが行けたか、、、は不問にしてね)


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暖簾のところですでにお迎えしてくれた男衆さんが、玄関で「ポンポン」と手を打つ。
あ、ここは祗園、花街やなあ、、、と思った瞬間。
それに応じて女将やら芸妓さんやらがお出迎えしてくれます。

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赤い漆喰の大津壁でしょうか。
何年も賓客をむかえてつやつや黒光りする床。
これもいかにも花街らしい。


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いったい何十畳あるの?と思うような広い広いお座敷です。


早速舞妓ちゃんや芸妓さんがお料理を運んできてくれました。

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祗園花見小路の川上さんの仕出しです。
(茶屋では料理は作りません。料理屋さんからとるものなのです。)

まあ、今回はお料理はそっちのけでしたね。
だってだって、きれ〜lovelyかわいい〜lovelyのきれいどころがメインですもの。

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なんてういういしい舞妓ちゃん。(お名前を聞くのを失念いたしました)
16才で半年前に店出し(舞妓としてお座敷に出る)したばっかりなんですって。
着物の柄も、11月の紅葉のかんざしも、ぽっちり(=舞妓ちゃんの帯留め)も可愛い彼女の雰囲気にぴったり。
(こういう装飾品は置屋さんの実力をあらわすとか)

デビューしたての年若い舞妓ちゃんは、髪型は割れしのぶで紅を下唇にしか差さないのがお約束。

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こちらは洋髪の芸妓さんのお姐さん。
かなりのベテランで接客がお上手なこと。

一人一人にべったりついてくださるので、最初はかえって緊張して居心地がわるかったのですが、その接客上手にすっかりのせられてしまいました。さすがプロどすなあ。

そうこうするうちにすっとお座敷にはいってこられた芸妓さんに目が釘付け。
まあ〜〜〜お美しい!

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豆はなさん。
アップで見ても超美人。
祗園でも売れっ子なんでしょうねえ。

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舞妓ちゃんは地毛で髷を結いますが、芸妓さんになると鬘になります。
島田ですね。つややか〜。
この鬘はひとりひとり、頭の形に合わせて特注するのだそうです。


さてさて、地方(音楽、謡担当)さんがこられて京舞のはじまりどす。いや、です。
(舞妓ちゃんの花街言葉はかわいいわheart01


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芸妓さんの京舞。
一力は祗園にあるので、主に祗園甲部の芸舞妓さんがよばれるとか。
なので踊りは井上八千代さんひきいる京舞。

京舞は能の仕舞からきていると聞いていましたが、納得。
所作や足運びが能にとてもよく似ています。
そしてやわらかなのに、どこか男性的。

そして、このベテラン地方さんの三味線の音の良いことったら、、、
音調べの音ですら深みがあるんです。
(うちのばあちゃんの三味線とはだいぶちがうなcoldsweats01


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舞妓ちゃんと豆はなさんの祇園小唄。


  ♪ 月はおぼろに 東山〜


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  ♪だら〜りの帯よ〜

の、部分。

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これは盃洗なんですが、忠臣蔵の陣太鼓の模様ですね。
かつて仇討ち前の大石内藏助がこの一力にかよった、ということからこの模様なんでしょうね。
何でも西郷隆盛や大久保利通も通ったとか。

そのあとふっとお座敷にはいってきはった舞妓さんをみて感激!!


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だってだって、めったに見られないものを見られたんですもの。
この髷、先笄(さっこう)といって、舞妓さんが襟換えをして芸妓になるまでの15日間した結わない髷なんですもの!

この鴛鴦の尾のようなのが特徴です。
あ、髪型だけでなく、お顔もごっつうべっぴんさんの豆ゆりさん。
御年21才。

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おもわず「きれ〜〜!」とさけんじゃいましたわ。

この鶴の髪飾りは先笄の間つけるおめでたい物だとか。


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そしてその間は芸妓の正装、黒の紋付をお召しです。


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襟足は普段は2本ですが、紋付のときは3本かかはります。
ええもん、見られたわ。

いやあ、もうすぐしたら舞妓さんではなく、芸妓さんにならはるんやねえ。
今年の都踊りは舞妓として最後だったんやねえ。
来年は都踊りでさがしてみましょう。
豆はなさんも豆ゆりさんも、名前聞き忘れた舞妓ちゃんも。


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ああ、よき思い出ができました。
多分、二度とはこれないと思うけれど。

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いただいた豆はなさん、豆ゆりさんの花名刺。

最近の花名刺(芸妓さんの名刺)はなんとシールになっているのねえ。

2011年7月 1日 (金)

夏越(なごし)の祓

6月30日は夏越の祓、京都市内の神社あちこちでおこなわれたもよう。

やっぱり氏子だし、東天王町近くの岡崎神社へいかなくてわ。

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おお、茅輪(ちのわ)だわ。

夏越の祓にはこの茅輪くぐりがお約束。

夏越の祓の起源は古く8世紀頃にはもう宮中行事のひとつに定められていたとか。

犯した罪や穢れを祓う、、、のがもとの意味らしいですが、蘇民将来の神話がベースになった茅輪くぐりには疫病退散、無病患災の意味もあるそうです。
(蘇民将来のおはなしはこちら

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蘇民将来の伝説は各地にあるらしく、夏越の祓、茅輪くぐりも各地でおこなわれている、、、らしいのですが、実は私は京都で大学生活おくるまで、そんな行事の存在をしりませんでした。
なので京都だけのお祭りかと誤解しておりました。
でも、市内のこんなにあちこちのたくさんの神社でおこなわれている町は、やはり京都だけだと思うのですが。

さて、茅輪くぐりにもルールがあるのです。(これもしらんかったなあ、、、)


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左に1回、右に1回、また左に1回まわってくぐりぬけ。
いやあ、タイムトンネルみたいに(古っ!)ずど〜んとくぐりぬけたらええのかと思ってたわ。

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茅輪は文字通り茅(ちがや:イネ科)を束ねて作られています。
そばによると、新しい草のよいにおいがしました。

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岡崎神社の神様のお使いは兎なので、狛犬ならぬ狛兎や、こんな兎の置物をあちこちに見ることができます。
今年は卯年なのでお正月の初詣はそらもうえらい人出でしたねえ。


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氏子の家に配られる、お祓いの人形(ひとがた)に名前を書いて、穢れを移して神社へおさめます。
そしたらこんなミニ茅輪をいただきました。


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茅輪のシルエット。

さて、時間も少しあったので、チャリをとばして吉田神社にも足をのばしました。
ここは学生の時、茅輪くぐりしそこねた記憶が、、、、


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あら、ちょうどお祓をしている最中ではありませんか。


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    水無月の 夏越の祓するひとは  
           ちとせの命 延ぶといふなり
 (拾遺和歌集:詠み人知らず)


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ぐるぐる輪になって、この歌をうたいながら、みなさんぞろぞろと茅輪をくぐります。
大勢が低い声でうたうので、なんだか地の底からわいてくる歌のようにも聞こえ、そしてあやしい宗教団体のようにもみえたりして、、、coldsweats01


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ここでは3回くぐって終わり。
ちょっと作法がちがうようですね。


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くぐり終えた人から茅をもらって帰られます。
これは家でくるくる輪にして玄関にかざり、厄除けにするもの。
蘇民将来の子孫のあかしに、腰にこの茅の輪をつけて疫病をのがれたという神話から。

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社務所では親切にもこんな見本もありました。

「蘇民将来之子孫也」そんな護符を見た記憶のある方もおられるでしょう。
そう、祇園祭の粽についている護符です。
あの粽は茅輪が形をかえたものなのでしょう。

今年は宵山であれをゲットしなければ。

その祇園祭もいよいよ1日、吉符入りで幕をあけます。
その祇園祭の最後の日、一月遅れて7月31日に八坂神社では夏越の祓、茅輪くぐりをするようです。

お家に帰って、やはりこれをいただかないとね。

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ういろうと小豆のお菓子、水無月。

夏越の祓の日にこれを食べる習慣があったのは、これこそ京都だけだったそうです。
今では、少なくとも関西圏ではどこでも見るようになりましたが。

このお菓子も大学の時に初めて出会いました。
実はういろうがあまり好きではない私は、なんで京都人はこんなけったいな地味〜なお菓子、喜んで食べるんだろう、、、と思っていましたが。

水無月もおまんやさんのから上菓子屋さんのまで、ピンキリです。
これは千本玉寿軒さんの水無月。
今ではちょっと好きになりました。

2011年6月21日 (火)

吉田山大茶会

日曜の朝、ゆるゆると朝刊をゆっくり読む。
平日には味わえない楽しみ。

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そこ、どいてくださる?angry

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cat「いやどす。ここがええのどす。」

ムッカ〜!

、、、、な、ゆるい朝でしたが、先日パンフレットをいただいたのでいってみようかと、、、、
吉田山大茶会。今年第2回目の開催だとか。


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大学の頃はうちの庭っ!というくらいだった吉田神社です。チャリを秘密の場所(撤去されない)にとめていざ。


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境内にはあちこちにお茶のブースがたくさん。

事務局が中国茶の岩茶房さんなので、中国茶のブースが圧倒的に多いです。

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一部有料ですが、ほとんどのブースが無料で試飲できるので、これはどこからまわるべきか、悩むわ。

ふと、妙なる調べが聞こえてきたので、そちらの方へいくと(多分若宮神社という摂社の前だと思う)、まあ!


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セザンヌの書簡を朗読しながら能管を吹く、というパフォーマンスをやっておられるのは野島久美子さん。

神社の聖域に響く能管の音はなんともいえませんねえ。
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境内に隣接する吉田幼稚園では中国茶のお点前が披露されるようなので、いってみましょう。

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この時間、されているお点前は鉄観音烏龍茶の工夫茶です。

工夫茶というのは明〜清時代に福建省でおこなわれていた烏龍茶(青茶:半発酵茶)をいれるための所作に、日本の茶道の影響もうけつつ作られた点前だそうです。

茶道のお点前のように、ルールが厳しいわけではなく、むしろお茶をおいしくいれるための手続きのようですね。

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茶壺(チャフー)に茶葉を入れ、一煎目は捨てる(細かいゴミをとるため)、煎じる間にチャフーにもお湯を掛けて、茶杯を温める、、、、、青茶にむく入れ方で、緑茶、白茶(無発酵、微発酵茶:ちなみに煎茶は究極の無発酵)にはむいていないそうで。

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工夫茶につかわれる道具は、かつての中国の文人達が、水差しや墨ばさみ、道具を乾かすためのすのこ、筆をほぐすための楊枝など、手身近にあった書道道具で茶を淹れようとしたのが始まり、という説があるそうで、むしろ煎茶道にちかいかもしれませんね。(煎茶道はようしらんけど)


P1110273(ちなみにこの手は私ではありません。提供下さった方、ありがとう)

開ききった鉄観音茶葉。
大きいですね。
お聞きすると、煎茶などはお茶の新芽の一芯二葉をつむのですが、烏龍茶の場合は三〜四葉まで使うそうです。

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こちらは岩茶房さんのブース。
新しくいれてもらったのは白瑞香というお茶。


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さわやかな香気にみちたお茶です。

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中国茶はたくさん種類があって、産地、茶樹の種類、製茶法によって味、香りが全く違うのですが、面白いとおもったのは東方美人茶(青茶:烏龍茶の一種)。

こちら台湾茶の浅黄屋津右衛門商店さんのブースでいただきました。
わざと茶葉をウンカに食べさせて、その分泌物で茶葉の中で化学変化がおこるとかなんとか、、、(詳しくはようわかりませんが)それによって芳醇な味わいがでるそうなんです。
よって、無農薬!
手間かかってますね。

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またまた若宮神社から神秘的な楽の音が、、、

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今度は以前、秦家で演奏をきいた、笙の田島和枝さんでした。3本の笙と能管の奏でる音色はこれまた圧倒的な迫力で神秘的な調べ。


さて、中国茶だけでなく、日本茶も、その他のお茶もがんばっています。

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ここは熊野神社のそばで、昔からよく知っている竹村玉翠園さん。
こちらでいつもは店に置いていない、京田辺にある300年の茶樹の古木からだけとった抹茶というのを販売されていたので、即買い。

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享保時代くらいの茶の味かしら〜?

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あ、宇治茶だ〜。

他にも、、、


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トルコチャイ、インドチャイのお店や、


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アフリカのルイボスティーなども。

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黄金の茶釜?と思ったらチタン釜だそう。
(純鉄とチタンがむすびつかないような気がするのだが??)
雑金属のイオンが溶けださないので雑味のないお茶になるとか。
(試さなかったのでわかりません)


さて、最後に優雅な中国茶のお茶席を。


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奈良の出張茶館囍茶(きちゃ)さん主催。


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茶器もこだわりの品々で。
手前はもちろん茶の枝。

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いただくお茶は白龍珠。(微発酵の白茶)
茶葉に一晩で7回、茉莉花(ジャスミン)の香りを吸収させるという、これも手間のかかったお茶なのです。


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囍茶さんのお点前は所作がとても美しくて、無駄がない。

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お湯を直接注ぎます。
先ほどの工夫茶とまた違いますね。


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茶菓子はローストココナッツとレーズン。
これがまた,一緒に食べるとめちゃくちゃおいしくて、ついおかわりをしてしまいました。

お茶はジャスミンの香りですが、そんじょそこらのジャスミンティーとは一線を画しています。


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ゆっくり開いた茶葉を楽しみ、お菓子をつまみ、5〜6煎目までいけるお茶を飲みながら、楽しいことを一日中語り合えたら、それはまた素敵な人生のひとときではありませんか。

(たまにはね、そんなふうにゆっくりすごしてみたい)

2011年6月14日 (火)

蛍ノ茶時〜好日居

雨が降りしきる中、黄昏時に蛍をたずねてでかけたのはこちら。

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岡崎の好日居さん。


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ミニミニ茶会〜蛍ノ茶時〜へ。

雨なのに蛍?
そう、ここにはたくさんの蛍がいるのですよ。

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あちこちに飾られたお花はもちろんホタルブクロ。

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まだ黄昏の光が残る間に表の洋間で最初のお茶、抹茶の蛍仕立。
浮かぶ氷にクチナシの黄色が閉じ込められていて、蛍のほのかな灯りを連想させます。

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このころからあたりには夜のとばりがおりてきて、好日居もやわらかい闇に包まれます。
暗い中にほのかにともる蛍の灯りのような、かすかな灯りや、暗さ自体を楽しもうという趣向。

現代に生きるわれわれは、まさしく電光のなかでの生活に慣れてしまって、闇のもつ美しさ、妖しさ、湿り気なんてものを忘れてしまって久しい。

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中の間に移動。(暗くて見えにくいんですが、本当はもっと暗いのです。)


好日居さん手作りの古い蚊帳でつくった御簾ごしにみるクリプトン球はまさに蛍火のよう。
BGMは雨音と、「ほ、ほ、ほたるこい」をアレンジしたとても不思議な曲。


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二つ目のお茶は〜水苦し〜(あっちの水はに〜がいぞ〜)。

薬包につつんだお茶は苦丁茶。
中国では昔から飲まれている茶外茶で解毒作用のある生薬のひとつ。


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名前の通り一口目は苦いけれど、そのあと口中にはほのかな甘さが残る、という技ありのお茶。
なんだか胃もたれがすっきりするような、、、


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さて、お遊びは蛍にちなんだ歌を詠み、団扇に墨でさらさらと。

ううう〜〜むむむ、、、(汗)
これはみな苦しみました。
なんとか駄歌をひねりだすも、おはずかしくて公開できません。

このお遊びは「蛍雪」(苦労して勉学する)のお見立て。


また暗い中の間にもどると、、、、

あ!蛍!

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,,,実の正体はこちら。

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ホタル石の杯のなかに小さな発光体が。


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ほら、ホタルブクロのなかにも小さな蛍が。

好日居の古い町家のなかで、幻想的な光景が目の前に、、、、
しばしこれを楽しむ。

3番目のお茶は、このホタル石の杯にていただく蒙山甘露茶〜水甘し〜(こっちの水はあ〜まいぞ〜)

茶の芽の部分だけを使った、古くから献上茶としてその名を轟かせた四川省のお茶。
ほんのり甘くてすがすがしい。
瓢箪を使って作った小さな柄杓で、茶葉をよけながらすくいいれるも、茶葉はどうしても器にはいってしまう。
でもこの茶葉もまたおいしい。

暗闇に慣れた目では十分楽しめる蛍を模したお菓子も、写真では真っ黒なので、一枚だけ、フラッシュで。

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レモンマカロンと、蛍のような玉織姫(の中の黄色:生姜味)。
大徳寺門前の松屋藤兵衛さんのお菓子です。(ほんとうは五色あって、それぞれ味がちがうのですよ)

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お次は奥の大谷石の床の部屋へ。

こちらでも蛍が、、、


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富山の五郎丸屋の有名なお菓子、「薄氷」の蛍バージョンと、上賀茂霜月さんが急遽さしいれてくださったという柚子蓼琥珀。


葉っぱの陰に見え隠れするすてきな蛍の景色ができあがり。


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本来の薄氷は茶席の菓子にもよく用いられるのですが、蛍バージョンがあるとは、、、
なんてかわいくて、美しいお菓子なんでしょう。


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このお菓子をいただいたあとは、中の間にもどって今宵最高のお茶、百葉水仙茶を

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薫り高いこのお茶は細長い聞香杯に香りをうつして楽しみ、下の飲用の杯で飲んで楽しむのです。

薄暗闇の中で、このしつらいの中で、この香りを楽しむ、、、最高の贅沢です。
この一時に感謝。

さて、そうこうするうちに雨もすっかり小降りになったので、本物の蛍狩りにでかけます。
好日居の近く、私のいつもの散歩道に、、、、

あ、、、蛍だ、、、

闇の中をゆらゆらふわりと飛ぶ蛍火。

ふわっと1匹が傘の中にはいってきたのは感動でした。


この日は暗すぎて写真はとれませんでしたので、他日哲学の道で(かろうじて)写した蛍火の写真を載せておきます。

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こんな町中に蛍が生息する場所があるなんて、京都はやはりすてきな町です。