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2012年9月16日 (日)

住友コレクションの茶道具・住友春翠〜泉屋博古館

唯一お茶関係の洛中の美術館で未到だったのが、実は一番我が家から近い鹿ヶ谷の泉屋博古館でした。

住友家歴代、とりわけ住友春翠のコレクションがその多くをしめており、彼のコレクションのメインは中国古銅器なので、なんとなくスルーしてたんです。

でも、今季の展示が「茶道具」となれば行かねばなりますまい。

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さすが、住友さん、潤沢に土地を使って、広々と開放的なエントランスです。


春翠は清華家(摂関家に次ぐ公家の階級)、徳大寺家の生まれで、今の清風荘(西園寺公望の別邸で京大に寄付された)あたりにあった徳大寺家別邸で産声をあげたとか。

実兄が西園寺家に入った公望公。
春翠は住友家へ入り、家長として事業を発展させた実業家。

本名が友純さんで、これは「ともいと」さんと読みます。(いやあ、お公家はんらしいわぁ。)


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実は徳大寺家の(かなり)末裔の方を存じ上げていて(普通の人で普通に生活してはります)、春翠さんにもなんとなく親しみをおぼえてしまいます。(おそれおおくも)


彼の青銅器のコレクションは有名で、常設展でみることができますが、実は茶の湯にも造詣が深く、茶道具のコレクションもすばらしいのです。


父上の徳大寺公純(きんいと)さんは玄々斎に茶の湯を習っていたそうですし、春翠も当時の財閥数寄者と茶の湯を通じた深い交流があったのです。
その交流録には、近くの野村美術館の野村得庵や高橋箒庵、三井泰山などの財界の巨人の名前がずらずらと。

(今回、こちらの展示にいくと、野村美術館の割引券がもらえます。11月10日には野村の谷晃先生の講演会もこちらでおこなわれます)


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そういえば大阪市立美術館に隣接して公開されている慶沢園は春翠の別邸。(まだはいったことありませんbearing
小川治兵衛の作庭で、長生庵と名付けられた茶室があり、ここで春翠は茶会を楽しんだそうです。
のちに住吉へ居を移すに際して、美術館建設を条件として、辺り一帯の茶臼山とこの慶沢園を大阪市に寄付しました。
太っ腹!

あの大阪市立美術館はそうやってできたのか。
しらなかったなあ、、、


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東山を借景とした広々とした中庭をはさんで、常設展示場と特別企画展示場が別れています。

春翠に興味をもって調べてみたら、いろいろおもしろかったので、肝心の展示物そっちのけで、つい彼のことばかりになってしまいました。

彼の茶道具コレクションは渋いです。ハイレベルです。
中国青銅器コレクションをしているだけに、唐物の名品がずらっとならびます。
高麗茶碗もすごいです。

へたに私の感想をのせるよりは、是非ご自分の目でご覧になったほうがいいです。

でもちょっといわせてもらうなら、、、、

*高麗小井戸茶碗「六地蔵」 高台だけでなく胴から腰にかけての梅花皮がすごい
*  同    「筑波山」 「六地蔵につぐ名品なり」の箱書付。枯れた感じがこれまたすごい
*紅葉呉器  これがいわゆる紅葉色の「紅葉呉器」かあ
*唐物鶴の子茶入「漱芳」 すごく小さくてかわいらしい茶入 つやつやしてなんだかおいしそう(?)
*砂張舟形釣花入「松本船」 おおぶりの舟花入 すごい貫禄 広間じゃないと似合わないかも
       村田珠光の弟子が所持していたものだそう
*古天明日の丸釜「時津風」 桃山時代の釜 釜肌にぽつぽつあいた虫食いが時代を感じさせてよいです

そのほか寒雉、与次郎、仁清、定家、伝西行、長谷川久蔵(等伯の夭折した息子)、松平不昧、片桐石州、、、ビッグネームが目白押し。


最後に春翠自ら削った茶杓が数本。
その姿は細く華奢でいかにもお公家さん風にやさしい。
茶杓には削った人の人柄がでるというし、写真を見ると細面のやさしそうなお顔。
実業家として辣腕をふるったので、やさしいばかりではなかったでしょうが、その人柄にふと思いをはせたのでありました。


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コメント

奈良に住んでいるというのに10月に泊りがけで色々観に行くつもりです(笑)。
東京の別館であった展示は観ましたが(京都未体験)、香炉の二つ脚を正面に展示していたので学芸員に質問すると、青銅器に倣ったとのことでした。近衛家にもそう伝わっているらしいです。
ぼくは青銅器が大好きなので(笑)贔屓の美術館になりそうです。

relax様

やはり帰る時間を気にしなくてよい泊まりがけ、というのは正解だと思います。私も以前は泊まりがけで祇園祭の還幸祭見に行きましたし。
青銅器の爵とか鼎とか三本足のやつですよね。
二つ足が前になるんですか?
しらなかった。
青銅器がお好きでしたら、こちらには是非。

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