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2012年6月

2012年6月29日 (金)

青山点描

行くたびに東京駅、工事工事でかわってるんだもん。

駅ナカで迷うとは思わなかった。(完璧におのぼりさんやんsad
私は出口に行きたいだけなのに、気がついたらどこかのホームにでちゃってるし、、、

まあ、そんなこんなで野暮用で東京へいきましたの。
いつか東京1日弾丸ツアーで茶の湯関係の美術館巡りを企てようと思っているのですが、この日は時間もなければ致命的なのは月曜日なので美術館はのきなみ休館ってこと。

それでも来るべき日のために、いきたい筆頭のひとつ、根津美術館の場所を下見に。

青山の駅を降りてこれも一度はいってみたかった骨董通りを歩いてみたのですが、京都の新門前・古門前通りのイメージでいくと全然ちがう。
骨董店よりもファッションのお店のほうが多いような、、、

そしてmeet Kyoto in Aoyama、、、なんつって。

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京都市と京都の和装産業が運営する、きものKYOTOアンテナショップ白イ烏

着物を買う時の敷居の高さを感じさせず、手頃なお値段で提供、というコンセプト。
やるじゃん、京都市。
南青山ってとこがいい。
これが銀座なんかだと、呉服の老舗もたくさんあるし全然目立たないと思う。

もうひとつのmeet Kyoto in Aoyama。

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先日行った花遊小路のsou・souさんに青山でであうとは。


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京都産業、がんばってるね。


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さあ、着いた、根津美術館。

実業家・根津嘉一郎の厖大なコレクション。
国宝7件、重要文化財87件、重要美術品94件coldsweats02

当時の実業家のご多分にもれず、茶道具の名物蒐集もすごいので、一度は行きたいとかねがね。

昨年建物をリニューアルされたので、これも見たかったのだけれど、本日は外観を拝見するのみ。

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今期の展示にはいたくひかれるのだけれど、会期末までに再上京は無理だろうなあ。


せっかくなので、おしゃれな南青山を時間が許すかぎりぶらぶら。


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お店もなんだかおしゃれだな。

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お散歩中、この日のナンバー1の建物は、このカフェ。

残念ながら営業時間まもなく終了なので入れませんでした。


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このおされなお花+カフェのお店は Nicolai Bergmann Nomu

ここに入るまで知らなかったんですがニコライ・バーグマンというのはデンマーク出身のフラワーアーティストなんだそうな。

ボックスにみっしりお花がはいったアレンジはこの方の発想とか。

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カフェの方はお姉さん方もデンマーク人?
カタコトの日本語で注文をとってくれる。

キャロットケーキを頼むと、1カットがはんぱなくデカイ!
しかも生クリームたっぷり添えのウイーンスタイル。

これだけで今日の許容カロリーは軽くオーバー。
おいしかったけれどね。


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レストルームのお花を撮ってみる。

あと、ガラステーブルの下に本物の蘭の花、苔が敷き詰めてあったのは、さすがフラワーショップ。

さて、もう東京駅に帰らなければ、、、

急ぐ道、青山一丁目の駅の近くでこんな看板を発見。

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塩月弥栄子さん。
言わずとしれた裏千家大宗匠のお姉さん。
(私の世代ではNHK「私の秘密」の解答者←古〜)

こんなところに教場があったとは!

2012年6月27日 (水)

お釜の話

1年半ほど前の話になります。

以前からたいへんお世話になっている方が、新築なったばかりの当家へお越しになりました。
手に風呂敷包みを携えて。

「茶室を建てたそうだから、これ新築祝いに。茶をたしなんでいた祖父のもっていたものだけれど、何に使うのか自分にはわからないし、お茶をしている人のところにあった方がいいと思って。」


箱には「肩衝筒釜」と書かれているので、ああ、お釜をくださったんだな、となにげに蓋を開けて、蓋裏をひっくりかえして、、、、、思わず蓋を閉め直しました。

大西清右衛門の極めがあって、そこには浄○の名前が、、、、coldsweats02coldsweats02coldsweats02

寛永年間、今から350年ほど前の釜、、、

これはさすがにただでいただくわけいはいかないでしょう。
その旨を言うと、「え?これ湯をわかすものだったの?うちにあってもしょうがないしなあ、、、」coldsweats02

で、いただいてしまいました。(胸中→happy02

地方の旧家のご出身なので、こういうものがころがってお蔵にあっても不思議はありませんが、おじいさま、ごめんなさい。でも大切に大切に使わせていただきます。

長い間使われていなかったので、なかの錆も気になったし、底が漏れたりしないかも気になったので、道具屋さんを通じて大西さんのところへ繕いをお願いしたところ、これは繕うとかえって風情が失われるので、漏りませんからそのままお使い下さい、とのこと。

使うとなるとたいそうだし、見た目古ぼけて「小汚い」(浄○さん、ゴメン!)ので、ながらくお蔵いりしていました。

このたび社中内での茶会があり、お当番にあたったため、出せる釜があれば、、、といわれ、茶道具は使ってナンボだしなあ、と出してみることに。

その前に、とりあえず火にかけてみて大丈夫かどうか家で試してみました。

釜を初めて濡らしてみると、、、、!!


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まあああ、、、、

あの古ぼけて煤けた釜がなんて生き生き。
濡れた鉄肌の美しいこと。

茶事で席入りの時に、ぬれ釜をなぜ見せるのか、理由がわかったような気がしました。
釜は濡れているときが一番美しいのね。


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濡らしてみて初めてひび割れのような筋にも気づく。
これが疵にはならず、かえって景色になっているのには感動しました。

釜底は時代がつけたものか、もともとの意匠だったのか、ざらざら荒れた感じがまた侘びています。

鐶付きは鉦鼓。(仏具:半分に割って左右につけた感じ)

さすが浄○、、、、とひれ伏したのでありました。


さて、その社中内の茶会、灰型係も仰せつかりまして、日ごろの練習の成果を、、、、coldsweats01

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まあ、こんなもので。
さらに修練が必要ですな。


茶会はつつがなく、お釜がご馳走だったとおっしゃる方もおいでで、とりあえず釜デビュー成功です。

下さった方に、声を大にしてふたたび「ありがと〜happy02
また次の世代にも伝えていきますね。


おまけの画像です。

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先日見てきた、紫陽花と半夏生を。


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お菓子は二條若狭屋さんの「螢」。

2012年6月25日 (月)

初宮参り

平安神宮にはもう夏越の祓えの茅の輪がこしらえられています。

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せっかくなので作法通り茅輪くぐりを。
(左ー右ー左)

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あと6月30日に水無月(和菓子)を食べれば完璧!

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今日は初宮参り。
京町家染工房・遊さんで、誂えをお願いした手描きの初着。

前日どうやって着るのかああでもないこうでもない、と検討したのですが、、、
はい、いまいちうまく着せておりませんcoldsweats01


白羽二重の着物も仕立てていただいたのですが、この暑さ、上の一枚だけにしました。
あとは七五三の三才の時に着てもらうとしよう。

本来は祖母が抱いて着るものですが、二人(私と娘)着物を着るとなるとおおごとなので、娘に着物を着せて抱かせました。


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神様の庇護をうけたあかしに五色の飾り紐と鈴を。

私が赤子の時はまだ世間は貧しかったので、
娘が赤子の時は私が忙しすぎて、
初着どころではありませんでした。

どうかこの子が心身共に健やかに育ちますように。
しあわせな人生をおくりますように。

たくさんの親や祖父母が願った思いを今私も。

2012年6月22日 (金)

両足院・半夏生〜GION-NITI

昨年、半夏生(雑節・7月2日ごろ)のころおとずれた建仁寺・両足院へ少し早めに。

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禅宗のお寺らしいこの塔頭、普段は公開されていないのですが、なにかとイベントがあって何回も寄せてもらっているので、今ではすっかりおなじみのお寺になりました。

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今年も半夏生(こんどは植物の方)がきれいに白くなりました。

池の向こう岸は如庵写しの水月亭、梅軒好みの臨池亭。

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梅雨のうっとうしいこの時期に、すがすがしい白化粧です。
昨年はこの葉っぱをひっくり返して裏は白くないことを確認。
片白草の異名もなるほどと。

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それにしても不思議な植物ですね。

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それでは池の向こうのお茶室で、お茶を一服よばれましょう。


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こちらは入れない、二畳台目・如庵写しの水月亭。

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臨池亭で一服。

昨年もそうでしたが、今年も扶桑織部流担当でしたので、道具は直接畳におかず、天目台のような台にのってでてきます。
織部は徳川家の怒りを買って切腹していますから、その茶の湯はとだえていたのを、明治になって復活させたのが4代前の流祖だったとか。


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今年はお点前は拝見できませんでしたが、桑小卓の下にセットされているのが扶桑盆。

お茶をたてるのに、この上で点てるのです。

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両足院の院印、「星月印」の薯蕷。


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紫陽花だけでなく、半夏生もまた雨が似合う花ですねえ。
晴れた日は晴れた日で、青天に白が映えるのでしょうが。

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書院では、雨の半夏生をすわりこんで楽しむひとたちが。
こういう雨の日のすごしかたって最高ですね。


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建仁寺のよさは、そのあとすぐ祗園にくりだせるところでしょうか。

でも私は祗園で大人の遊びは(普段は)しないのでcoldsweats01、こんなところでランチです。

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祗園歌舞練場の少し北、気をつけないと見落としそうな細いろうじの奥。

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GION-NITI 祗園 日さん。

こちらは昼はカフェ、よるは食事も充実したバーになるんです。

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もと置屋さんかなにかだったのかな。
坪庭も美しく、照明もインテリアもとてもおちつけます。
低めのテーブルセットもすわり心地良好。

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生おかき+涼炉 5種ディップ添え(手火鉢で自分で生おかきを炙る)というのにいたくひかれたのですが、空腹感が強かったので、こちら、焼きおこわの茶碗蒸しを。

茶碗蒸しのトッピングは生湯葉を焼いた物。(かりかりでおいしい)
中をほりおこすと焼きおこわのボールのほか、里芋、えび、キノコなどざくざくでてきてとってもおいしい。wink
それなりにボリュームもあって、けっこう満腹。

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ついてくるデザートは蜜豆に洋酒系シロップがこれまたいけました。


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NITIさんをあとにして、雨の祇園町を少しぶらぶら。

ほそいろうじには会員制の隠れ家クラブなどがかくれています。

臨済禅の寺のすぐ隣にこんな夜遊びの町があるのも京都だなあ。

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いかにも祗園らしい景色。

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あ、芸妓・舞妓さん御用達のキヌ美粧院さん。

八朔とか、事始めなど、花街の行事の時、あらためて髪を結いなおした舞妓さんがここからでてくる映像をTVで見たわ。
着物用の洋髪もやってくださるそうなので、いつかチャレンジ。

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おもしろい側板の出格子だなあ、、と思いつつ前にまわると、、、

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あら、しゃぶしゃぶで有名な十二段家の本店だったのね。

河井寛次郎、浜田庄司、棟方志功等の作品を拝みにいつか行きたいですわね。

2012年6月20日 (水)

紫陽花Days〜三室戸寺〜sou・sou

若い頃は季節の花をしみじみ愛でる、なんてことはしませんでしたねえ。

人生の先の時間はまだまだ長いから、うつろう季節の花なんて、いつでも何回でも見ることができる、、、とでも思っていたのでしょうか。

今は花の盛りをおいかけるのに忙しい。
あと何回この季節を迎えられるのか、という焦りにも似た気持ちがどこかにあるような気がするお年頃coldsweats01なんです。


この季節はやはり紫陽花です。

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紫陽花で有名な、宇治の三室戸寺

ブログのお友達、こまちさんが、関東からわざわざこの紫陽花をご覧になりに日帰りでお越しになったとのこと。coldsweats02すごい!

こ、、これは、京都に住んでいるのに遅れをとってはイカン!coldsweats02
と、時間をやりくりしまして。


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参道の両脇にはライトアップ(19時〜)用の灯りがセットアップされています。
ひとつひとつに源氏物語の各巻の絵が描かれていて、さすが、「宇治十帖」のお土地柄。
(来年はライトアップねらおうかな)

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おお〜!
紫陽花の群生!


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ご覧のようにほどほどの雨で、紫陽花を愛でるのにはベストコンディション。
紫陽花ほど雨が似合う花はないですものね。


この庭園は5000坪、紫陽花は50種、一万株もあるそうです。


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私はこのブルーがやはり好き。

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紫陽花の色を司るのは土壌のPHだと一般にはいわれているけれど、それだけではない複雑な要因があるらしい。

だって同じエリアにこれだけの色のヴァリエーションがあるのですもの。


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一輪だけでもゴージャスな紫陽花がこんなに群生しても牡丹のようにうるさくないのは、葉っぱの緑の分量が多いからでしょうか。


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茶室にあいそうなガクアジサイ、、、多分。
なにしろ紫陽花の種類を調べていたら、あまりにもたくさんで、なかには違いがよくわからない分類もあって、自信がありません。


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これなんかは、特徴的なのでわかりやすいカシワバアジサイですが、、、


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これって、甘茶?ヤマアジサイ?

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この種類は画面の下右寄りに一群れ咲いていて、回りのアジサイと葉の色がちがうし、咲き方も違うのでめだっていました。

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これはコアジサイ。

独特ですね。

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白いのはお茶室なんかでも似合いそうですが、、、

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乙女のようなこんな色が人気でしたよ。


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三室戸寺は蓮の花もきれいなので、花が咲く季節にまた。


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雨の日は、はちすの上に小宇宙、、、もしくは宝珠。

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ふたたび紫陽花園にもどって細い小径を行こうとしたら、雨でしだれた枝に道をふさがれる。

         紫陽花に  行く手はばまれ  雨に濡る

紫陽花は花びら(実はガク)が一般的に4枚なので、雅名を四葩(よひら)という、と最近知りました。


さて、紫陽花つながりで、こちら。

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ようく見てくださいね。
紫陽花の花の上にカタツムリがいるでしょ?


実はこれ、和菓子なんです。
求肥の殻に中味はメロンピューレの餡がはいった雪餅。

日本の伝統デザインをベースにしたオリジナルテキスタイルのsou・souさんと、和菓子の老舗、亀屋良長さんのコラボ。

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お菓子も月替わり、下に敷いてある絵はがきも季節によってかわるし、お持ち帰りできるんです。
これも1年12種類、集めたくなりますね。
なにより、毎月の創作和菓子が楽しみ!


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お抹茶をいっしょに頼むと、sou・souのテキスタイルでつくった浴衣風作務衣のお兄さんが、背筋をぴっとのばして、きれいなお点前で点ててくれました。

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お釜もテキスタイルしてるわねcoldsweats01

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お軸だってあります。
「一語一絵(一期一会のもじり)」ですもの〜happy02

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申し遅れました。
場所は四条新京極近く、花遊小路の「sou・sou着衣」の2F、「しつらい」です。


(sou・souは多種の店舗があるので要注意)


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さて、最後の紫陽花をお見せします。

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ちょうど1年前、御所の拾翠亭チャリティ茶会でデビューした紫陽花蒔絵の大雪吹茶器。

1年ぶりにお社中内の茶会で使いました。
幕末くらいの時代です。

植木職の方が、江戸時代はガクアジサイしかなかったのでは?
といぶかっておられましたが、調べますと葛飾北斎なども、この西洋紫陽花みたいな紫陽花の花を描いています。
すでに江戸時代から日本にあったんですね。

2012年6月17日 (日)

泉涌寺献茶式から雲龍院へ

全国で3台しか走っていないレクサス(しかもハイブリッド)のタクシーに乗った!(たまたま流しをひろっただけ)

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こんなに座席が広くて乗り心地の良いタクシーは初めて。
ドライバーさんにレクサスを選んだ理由をあれこれききながら、あんまり珍しいので写真をとらしていただくscissors

で、皇族にでもなったつもりで降りたのが、御寺(みてら)・泉涌寺でしたので、まさしく似つかわしいではありませんか。(???)
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あとでタクシーで中門までのりつけたのが正解だった、と思ったのは、帰りに東大路の泉涌寺道までの距離がはんぱじゃなく長かったから。(皆様、バスでおいでの節はお気をつけて。)

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さらに中門からもゆるやかな長い坂が。
以前ここに来たのは学生時代だから、遙か遠い大昔のことなんで、すっかり忘れてた。

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この日は昭和天皇の后であった、香淳皇后の御祥忌。
この法要に裏千家が献茶奉仕されるのです。

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泉涌寺が御寺(みてら)といわれるのは、鎌倉時代以降歴代天皇の陵墓があり、明治天皇・昭憲皇太后・大正天皇・貞明皇后・昭和天皇・香淳皇后の御尊牌(位牌)をおまつりし、回向を行うための御香華院(香、花を献ずる回向所)であるから。

皇室との密接な関係があるお寺なので、ときどき寺宝をご覧になりに、皇族がおしのびでこられることもあるそうですよ。

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ちなみに先月の貞明皇后(大正天皇后)御祥忌には表千家がご奉仕されるそう。


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それはさておき、なぜわざわざ出かけたのかというと、坐忘斎お家元のお点前を拝見したかったからなのです。

鵬雲斎大宗匠のお献茶はなんどとなく拝見しているのに、なぜか家元のは機会がなかったのよね。

うわさでは、とても所作が美しいということなので、これは是非にと。

で、結果は?

実はスタートダッシュで出遅れて(♪←わかるかな〜?)親指と人差し指でつくった丸ほどのすきまから、薄暗い堂内を背伸びして見る、、、というありさまで、早い話が全然みえませんでした!bearing

でも寺院の格式を了解したのは、法要にいまでも「勅使」がおみえになったことでした。


献茶式はあきらめて、添え釜の大寄せ茶会にて、恒例の正客ゆずりあい=点前はじまらんのイベントをcoldsweats01見物しつつ、おいしいお茶とお菓子をいただく。
それにしても後続客の障害になる場所にすわってがんとして動かない人っていったい、、、、、bearing

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このまま帰るのもあまりに不毛なので、泉涌寺山内の別院雲龍院へ。

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十五世紀初頭に天皇の発願で写経の寺、現存する日本最古の写経道場だそうです。
この日は私の他に写経をなさっている方がおひとりおられただけで、静かなたたずまいでした。

こちらで写経の折りに使わせてもらう文机は後水尾天皇の寄進されたものだそうですよ。


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こちらはまたお庭が美しい。
玄関までのお庭は、お寺のご住職の家族らしき方がお掃除なさっていました。


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徳川慶喜が寄進した灯籠。
幕末の混乱期に薩摩藩が放り投げたものを、この院のご住職が夜中にこっそりと回収してここに置いたとの逸話が。


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閼伽棚に紫陽花が。

現役の閼伽棚にはってあるのは銅板のようです。
渋い。


日ごろご住職家族がお使いの厨の片隅には「走り大黒天」様がおられます。
鎌倉時代の作と伝わるこの大黒様はもともとの木の色なのか、煤けて黒くなったのかはさだかではありませんが、つやつやと黒光りして、一歩足を踏み出し、いまにも走り出しそうなので「走り大黒天」とよばれるとか。

泉涌寺内の七福神巡り(成人の日)のひとつとなっています。


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ちなみにここは月窓の間で、かかっている軸がこの大黒さんをうつしたものですよ。
左手の壁が三日月に切られ、光をとりいれているのが斬新。


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こちらはあちこちにとてもきれいな花がいけられていて、楽しめます。
お寺の方がいけられたのでしょうね。

月窓の間のおとなりは、悟りの間、悟りの窓(円相)、迷いの窓(方形)があります。(鷹峯・源光庵のが有名ですが)

悟りの窓の下襖にはきれいな中国風彩色絵がえがかれ、迷いの窓のほうはシンプルなもの。

窓からのぞいた景色といい、私は方形の窓のほうがおちつくな。
人生まだまだ迷い多く、悟っていませんからねえ。

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背景ととけあった生け花。

この雲龍院には京都をこよなく愛したサスペンスの女王、山村美紗さんのお墓もあるそうですよ。


2012年6月15日 (金)

映画「道~白磁の人」〜浅川 巧の生涯

こういう映画が日韓共同で、いや日本人の監督のもとで作られる時代になったのだ、と感慨深い。
特に韓国併合下の三・一独立運動の日韓両国人の軋轢の場面。

今の若い人たちは信じられないかもしれないが、私たちがまだ子供の時は「朝鮮人」ということばには、とても微妙なニュアンスがあったのだ。
つい最近まで、朝鮮の民族服はしっていても、どんな家に住み、どんな食事をし、どんな生活を普通の人たちはしているのか、朝鮮(主に韓国)の文化や伝統、それらについてはほとんどしらなかった。
また知る機会もなかったのだ。

思えば韓流ブームにのったおばさんパワーが、そのベルリンの壁のごとき高い垣根を圧倒的な破壊力でぶちこわした、、、ような気がする。
おそるべし!決しておばさん(含む・私)を軽んじてはいけないよ、男性諸君、若者達。

あら、すっかり脱線してしまいましたねcoldsweats01

以前からこのブログで再三取り上げて、高麗美術館学芸員の山本さんの公開記念講演会まで聴きにいった映画がついに公開されました。

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映画公式HP

浅川巧については、是非彼の存在を知ってほしいし、どんな人なのかわからなければこの記事を読んでもわからないと思いますので、参考までに過去記事をあげておきます。

出会い東洋陶磁美術館

今回は映画のおはなし。

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原作は江宮隆之さんの本、「白磁の人」。


映画では、日韓関係に今も暗い影をおとす韓国併合の時代に、林業試験場(京城:ソウル)の林業技師、李青林(イ・チョンリム)と浅川巧の民族の垣根を越えた十数年にわたる友情の物語を縦軸に展開。
青林は原作ではそれほどでてこないし、巧の朝鮮人界での人脈は貴賤をとわずすごく広かったので、ここでは青林が朝鮮人代表、といったところか。
(映画はやはり、物語として完結しないといけないのでね。)

巧と青林は朝鮮の山々を歩き、伐採ですっかり土の露出した山を緑にかえそう、と研究に励む。
朝鮮には朝鮮の木を。

ところが朝鮮五葉松はなかなか発芽してくれない。
苦労の末、巧が発見したのは「露天埋蔵法」という実は単純だが、だれも気づかなかった方法。
二人は木を植える。
朝鮮の山に。
最初に発芽した記念の小さな苗は、青林の長男の誕生記念に青林の家の片隅に。

当時の京城の建物や風俗を垣間見ることができたのは興味深い。

高麗美術館の山本さんは柳宗悦の扱いが小さすぎる、といっておられたが、私はむしろお兄さんの浅川伯教(のりたか)さんの出番が少ないのが残念。
朝鮮の陶磁器の研究においては右に出るもののない人だったのに。

伯教さんの京城のお家には、かの有名な、安宅コレクション(現・東洋陶磁美術館)の目玉、「辰砂蓮華紋壺(参考:↓)」があったぁ〜!

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これも小道具さんの苦労のたまものなのだろうけれど、惜しむらくはぴかぴかすぎ。
そしてどう見ても白磁ではなくて、磁器に見えるcoldsweats01


巧を好演したのは吉川 悠さんという俳優さん。

前にも書いたけれど、巧のイメージより、すこし生真面目すぎるかな。
もっとお茶目なところもある人だったのではないかと思うので。

この方、どこかで見た顔、、と思ったら、大河「平清盛」でのちに鹿ヶ谷の陰謀で清盛を裏切りまくる藤原成親をやってらしたのね。
清盛といえば、保元の乱で勝ち組になった悪人ヅラの藤原忠通をやった堀部圭亮さんが、朝鮮人をいじめまくる日本軍人をやってた!

さらにあの柳宗悦を、最近話題になってた塩谷瞬さんがやってたのにはひっくりかえるcoldsweats02

巧の親友であり、義兄でもあった朝田政蔵を亀治郎改め猿之助さんがやっていたのもよかった。

青林を演じたのは韓国の俳優ペ・スビンさん。
祖国独立への思いと、巧への友情に板挟みになる役どころにぴったり。

青林の友人の葬列で、泣き叫ぶ家族を見て、(朝鮮には葬儀のときの泣き女という職業がある)
「朝鮮人は葬式だからって、あんなに泣いてみっともないねえ。」
といった手塚理美演じる浅川兄弟の母親。

後日、若くしてなくなった巧の葬列に母は無表情で連なっていたが、ふと列をはなれ物陰で号泣する。
印象深いシーン。

巧は今も韓国の土に眠る。
墓碑「韓国の山と民芸を愛し、韓国人の心の中に 生きた日本人、ここ韓国の土となる」。

映画は最後に、二人で植えた記念すべき最初の発芽苗が大きな朝鮮五葉松となり、現代的なビルのたちならぶソウルの町にすっくと立つ姿をうつしだす。

この映画制作のプロジェクトは、浅川兄弟のふるさと、山梨県北巨摩郡(現・北杜市)の有志を中心にたちあげられたそうで、途中なんども中断しかけたとか。
有志のあつき思いで、完成されたことに拍手を。

エンドロールにもご注目を。
浅川兄弟、柳宗悦らの白磁のコレクション、有名なのがいくつも写真ででています!
(青花草花文面取壺:柳と伯教を結びつけ、民藝運動への目を開かせた一品など)

(参考)

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ふと、映画のコピー、「明日、世界が滅びるとしても、今日、彼らは木を植える。」の意味が解釈できたような気がする。

文字通り、彼らは朝鮮の山々を緑にするために木を植えた。
けれど、このコピーはこのセリフのことを意味していたのではないかと思う。

「日本人と朝鮮人が理解し合えるなんて、見果てぬ夢だろうか。」(巧)
「夢であったとしても、それに向かって行動することに意味があるのではないですか。」(青林)

2012年6月12日 (火)

水無月の茶事〜灑雪庵

以前から、ブログを拝見し、勝手に憧れていたお茶人さんがおられます。

お茶事を心から愛され、お道具も室礼も、お茶事のテーマさえ自由自在に楽しんでおられるご様子が、とてもステキで、かくありたきものだなあ、、、と。

その暁庵様が関東から京都へお茶をされるために引っ越してこられる、と知ったときには、もしかしてお目もじできるチャンスが〜〜っ!、、と舞い上がりました。

そして、なんと、なんと、ご縁あってお茶事にお招きいただく機会を得ましたの。happy02

御連客あわせて4名の水無月茶事、ご招待は巻紙にて水茎のあともうるわしく。
(これに筆でお返事を書くのがどんなにプレッシャーだったか、、、←かなりおはずかしい悪筆なものでcoldsweats01

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1年ぶりに登場した雪佳さんの金魚の帯絞めていざ。

暁庵様の京都のお宅は雰囲気のある古い町家です。
こちらに「灑雪庵(さいせつあん)」と名付けられました。

ふり灑ぐ(そそぐ)雪、という意味で、金沢にある金沢最古の茶室・灑雪亭から思いつかれたとか。
「古い町家なので、冬には寒く、雪もふきこんできそうですが、それも愛でて暮らしたい」という暁庵様の思いがこもったお名前。
オリジナルの漆喰壁の時代を経たくすみ加減、三和土、建具、いずれをとっても町家愛好家としては涙が出るほどうれしい、理想的なお茶事の舞台です。
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(ユキノシタ)

玄関庭の三和土を利用した腰掛け待合いの漆喰壁に、書家の方が書かれたアートな「灑雪庵」の額があまりにも見事にとけあっているので、もうここはこじめから灑雪庵であった、、、とそう思えるくらいです。


玄関の間の三畳がお待合。
待合掛けが、ご友人の手になる布絵。
布で描いた「慈雨」と育ち始めた稲の苗。
水無月茶事のはじまりです。


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(オオムラサキツユクサ)


本席は変則的蹴込み床のある四畳半、お軸は大徳寺・藤田 寛道師の「洗心」。

茶室に入るときに、蹲居で手を浄めるが如く、心も浄める。
かくありたいもの、と解釈いたしました。


次にお釜に目が行きました。
責紐釜(せめひもがま:釜の口のすぐよこに鐶付がある)がかかっていましたが、この鐶付に水引がかけてあり、蓋を封印してあるのです。
話にきいたことはありますが、拝見するのは初めて。

責紐釜は、かつて貴人にお茶をさしあげるときに、両脇の鐶付に紐を通して蓋を押さえ、口に封印をするのにもちいた、とあります。
どうやら名水をご用意いただいたようで、そのための封印のようです。
わくわくheart01

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(クチナシ)

ご挨拶のあと、お心づくしの懐石をいただく。

ホタテのしんじょう(蒸し物)がおいしくて。

やはりお茶事をしようと思うと、お料理の方もやっぱりね〜、、、coldsweats01勉強しなくちゃ。
(私は、懐石はいままで仕出しばかりで自分で作ったことないのです。)

この茶事はお亭主お一人の力ですべてこなされているのです。
そこはやはりお茶事の手練れ、キャリアがちがいます。

献立も、懐石道具の使い方も、融通無碍、とりたてて無理しなくても、こんな風にできるんだ、ということをたくさん教えていただいたような気がします。

お道具は関東のお家にたくさん残してこられたそうで、全部はそろっていないのに、それを逆手にとってアイデアで楽しませてくださいました。
例えば湯斗がないので、ふた付きのお茶碗にあらかじめ作っておいたお茶漬けを出してくださる。
それに昆布の佃煮、五色あられが添えられて、ただの湯斗よりはるかに見た目も口もうれしい。

こんなお見事なお手並みを拝見すると、「道具がないから、、、」と、言い訳は通用しないではありませんか。

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主菓子は松原通りの松寿軒さんの「青梅」。
写真は、もう一種類ご用意いただき、お持ち帰りした「紫陽花」。

京都にこられてまだ3ヶ月ほどですのに、もう美味しい和菓子屋さん、お茶屋さん、仕出し屋さん、、、あれこれ発掘、発見されておられて、その感度良好な情報アンテナにもびっくりです。

中立のあとはいよいよ濃茶。

後座のお花は大好きなチンシバイとシモツケ。
花器は、、、遠目に竹籠にみえたのに実はガラス!

この花器には「reverie(レーヴリー:フランス語、もの思い、白昼夢、などの意味)」というすてきな銘をおつけになっていました。
(フランス語情報ありがとう、ぱたぽん様!)

たっぷり水を含んだ釣瓶に、御幣付榊を結界に。
名水点てです。

このたびは梨木神社の染井の名水をご用意いただきました。
お茶をいただく前の名水一服、甘露甘露。

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(山法師)

濃茶のお点前を拝見して、その所作の美しさに感じ入ることがありました。

こうしていろんなアイデアで、足りないところを臨機応変に変えていくには、やはりお点前という基本がしっかり身についていなければ不可能だということ。
守・破・離でいえば、守、しっかりした土台がなければ、破も離もなく、その上になにも建立できない。

まだお点前の手順をおいかけ遵守している「守」の入り口あたりをうろついている私は、お茶事お茶事と言う前に、しっかり日ごろのお稽古をしないといけないなあ。
暁庵様はもう「離」までいってしまっておられるけれど。


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(ヒメヒオウギ)

お茶入れは、名物真中古「河菜草(かわなぐさ)」写し。
河菜草はコウホネとも水苔ともいわれ、まさに水無月茶事にぴったり。

古今集・「うはたまの夢になにかはなくさまむうつヽにたにもあかぬこヽろを」
(清原深養父 )から。

お茶杓の銘が「庵の友」。
まさにこの灑雪庵で同じ時間を共有したことで、「庵の友」となれましたでしょうか。


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薄茶では、こんなお干菓子が!lovely(州浜製)
(不肖)正客=私が猫を愛してやまないことをご存じでご用意下さったことに感激です。


なごやかにお薄をいただき、さらにリクエストして甘露な名水を再びたっぷりいただき(なにせ懐石の時の御酒がおいしくて、ぐいぐい飲んだので)茶事はお開きになりました。


思えば、正式の茶室はかえって面白みがないのかもしれません。
ほとんど決まり切った使い方しかできませんから。
むしろお茶室として作られたわけではない家を、工夫をあれこれして、融通無碍に使う、、、亭主も客も楽しめ、佗茶の原点はこんなところにもあるのではないかしら。


遠い先の方をいっておられる暁庵様。
追いつくことは不可能であっても、この日教えていただいたことを胸に精進いたします。
ありがとうございました。

また、つたない正客をサポートしてくださった、御連客の皆様にも感謝いたします。
楽しい一座建立となりました。


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(昨年八坂神社で手に入れ、わが家に地植えした木槿の「祗園守」、つぼみがつきました。まもなく祇園祭です)

2012年6月 9日 (土)

七十二候〜腐草為蛍のころ

七十二候では6月11日からの数日は、腐草為蛍(腐草螢と為る)。

腐った草が螢になる?
気持ち的には、腐った草のあたりから螢が生まれるってことでわからなくもないが、、、
まあ、中国版オリジナル七十二候には「雉が海に入って大蛤に」なったり、「熊鼠が鶉に」なったりするしなあ。

それはさておき、今年も柵内まで入らせてくれる太っ腹な、野村碧雲荘さん。

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時期がよかったのか、今年は昨年よりもっともっと美しい!

野村さんありがとう。
(碧雲荘も公開してくれたらもっとありがたいんだけど)

この勢いで、平安神宮の神苑の花菖蒲も見に行こう!
(えっと、、、、これはお花のブログだったっけ???coldsweats01


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こちらは花菖蒲と睡蓮が同時に楽しめます。

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ペーパークラフトみたいな睡蓮の花。

、、、泥より出でて、泥に染まらず、、、、

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どこかのアホな気の毒な修学旅行生が、池にはまるのを目撃!
腰の上までつかってた。
けっこう深いのね。


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この池では河骨(コウホネ)の花もらることができます。


朝、花菖蒲を堪能し、その足で四条へお買いもんへ。

例えば、、、

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唐長の名刺。
一昨年つくった唐長さんの名刺はペパーミントグリーンに瓢箪の雲母刷り。

そろそろなくなりかけて、あせっていたのだけれど、なかなか好みのものが発売されていなくて、、、
やっと好みの色(うすいブルーに同じ瓢箪柄)が出ました。やった。
また十分屋さんへ、活版印刷お願いしに行かなくちゃ。


さて、お腹がすいたので四条あたりでランチを。

このあたりのランチカフェはたいていランチは2時終了のことが多いのですが、時間制限のない「おうちごはん」を食べられるここは貴重です。


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グリグラカフェ


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そう、あの絵本の野ネズミの「ぐりとぐら」からとった名前のカフェ。
右手の棚の上に「ぐりとぐらのおきゃくさま」の絵本がおいてあります。

子どもたちが小さいときよく読んでやった絵本で、懐かしいわ。

できればメニューに「ぐりとぐらのぱんけーき(かすてら)」があればいいのに。(←わかる人にはわかる)

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こちらが「きょうのおうちごはん」。
とてもヘルシーでおいしかったhappy02


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日にち変わって、久しぶりの灰型教室。

こちらは先生の芸術的ともいえる二文字押し切りのエッジ。
こんなにぴしっと決まるまで、あと10年くらいは修行しないとだめだろうなあ、、(えっと、その時は一体いくつになっているのやらshock

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ちょっとのブランクで、すっかり感覚が鈍ってる、、、(まあ、もともとそんなにうまいわけでもないけどね)coldsweats01
でも、1週間後に茶会の灰型つくらないといけないのに、、、、(汗)

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灰型の練習のあと、今年お初の水無月は、手作りのものをいただきました。


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夜は梅ジュースを仕込む。
今年はたった1個しか大きくならなかった(カイガラムシにやられた!)わが家の梅+購入した南高梅で。

完成まで2週間くらいかなあ。

、、、、そんな腐草為螢の候の日々。

2012年6月 7日 (木)

勧修寺〜氷室池の睡蓮

地下鉄東西線を小野駅でおりると、そこは小野小町で有名な小野一族が住んだあたり。

駅の東には小町ゆかりの随心院もあります。

駅の西に行くと、、、、

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勧修寺。
正式には「かじゅうじ」と読むそうです。

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このあたり、地名も「勧修寺」なんですが、地名になると「かんしゅうじ」と読ませるようです。
(ああ、ややこし)
人に話すとき、「かじゅうじに行った」と聞いて「勧修寺」という文字が頭に浮かぶ人はどれくらいいるのか不安ですわ。

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門跡寺院ですので、寺紋も裏八重菊。

書院周辺の庭園を回っていくと、ぱっと景色がひらけます。

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わ〜!咲いてる!
睡蓮。

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モネのヴィルジニーの庭にも負けませんわ。(行ったことないけどcoldsweats01


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花菖蒲も盛り。
蓮の花はまだですね。


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さまざまな色の花菖蒲。

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半夏生も白くなりかけています。
もうすぐ建仁寺・両足院の半夏生群生も公開されますね。

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のどかなカエルのこえも聞こえますが、姿は見えません。

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この池は氷室の池といって、かつて平安時代には、池に張った氷を1月2日に宮中に献上したそうです。
また、氷の張った厚さでその年の五穀豊凶を占ったとも。

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もともとこの寺は、山科の大領、宮道(みやじ)家の邸宅跡だったそうで、宮道の娘であった列子と名門藤原北家の高藤とのロマンスは今昔物語にも語られておるそうな。

二人の間にできた娘が藤原胤子、のちの宇多天皇女御、醍醐天皇生母。
その胤子追善のため、醍醐天皇が寺院にあらためたのが勧修寺のはじまり。

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右手奥にみえるのは観音堂。


この日は普通の観光客はほとんどいません。
この人達ぜ〜んぶカメラマン(多分9割以上は趣味の素人)。

いや、私のデジイチなんか、はずかしくなるようなすごいカメラばかり。coldsweats02
聞くともなく話を聞いていると、写真雑誌への投稿云々とか、、、
私なんかとはレベルが違いますわ。

中には小石を投げて、わざわざ絵になるような波紋を作ってらっしゃる方も。
そうか、芸術写真はこうやって撮るのね。

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境内には紫陽花の木もたくさん植わっていましたが、まだまだ色づくのは先のようです。
こちらも盛りのシーズンが楽しみです。

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書院の前はヒノキのような植物がびっしりと匍匐しているので、なんだろうと思いましたが、実はこれ、たった1本の木から出ているんですって!
この木は「這柏槇・ハイビャクシン」。

なんと樹齢750年とか。coldsweats02

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そのハイビャクシンのむこうにぽっこり頭をだしている灯籠は勧修寺型とよばれるものだそうで、あの水戸黄門様の寄進だそうな。なんとなくユーモラス。
灯籠の後方のハイビャクシンも同じ1本の木の続きなのにはおどろきです。

境内にはウルシの木もあるのですが、「ウルシ・さわるな」と注意をよびかけてくれている親切がなんだかうれしい勧修寺なのでした。


<おまけ>

小野の駅をおりてすぐ、関西人ならみんな知ってる(はず)あのオジカソースの本社が!
こんなとこにあったのね〜!


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2012年6月 5日 (火)

螢つれづれ

地下鉄の駅にいくのにご愛用の白川沿いの道、昼間はこんな感じです。

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同じ場所に夜行ってみましょう。
むっとした、雨の近そうなこんな夜には、、、、

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え?

真っ暗で何も写っていないって?

よ〜く見てくださいよ。
ぽちっぽちっ、、とかすかな光の点が。

あれは螢なんですよ。

撮影条件を変えましょう。

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光の点でゴミじゃないんですよ。

さらに、、、


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これでどうだ!happy02


昨年は少し時期的におそかったのですが、今年はいまが一番数が多いですかね。
まさに乱舞、、、というくらいいました。

真夜中にふたたびチャリでいってみると、こんな夜中でもご近所さんの穴場になっているのか、ホタル狩りの方の姿がチラホラ。

白川に沿って歩いているだけでも目の前をふ〜わふわ飛ぶ螢。


都会でありながら、清流にのみ生息する螢を楽しめる、、、それが京都なんですね。

ああ、今夜も湿気がおおそうだから、またたくさん群れているかなあ。

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こちらの和菓子も螢です。

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おまけに紫陽花のお菓子も。
今年見た紫陽花の上生の中では最高だと思う。
京和菓子の美の世界をとくとご覧あれ。

<おまけ>
本日の投げ入れ。
ほんまに入れただけ。あまり工夫はありませんが、花の手柄でそれなりに、、、


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ショウマキョウカノコと鉄線。


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キスゲと、、、以下不明coldsweats01
(あとでよく見ると、キスゲじゃなくて百合かも、、、)

2012年6月 3日 (日)

平安神宮・薪能  2012

平安神宮の薪能、昭和25年からの年中行事だそうです。

今から20年以上も前、以前住んでいたときに一度いったことがあります。
演目は「花筐(はながたみ)」だったのを覚えています。

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なんといっても徒歩で行けるご近所なので、第1日目はダンナが、2日目は私が、いってまいりました。

1日目は先日能と茶の会で、お世話になった能楽師・吉田篤史さんがでていらしたのですが、私は2日目の「二人静」と「碇潜(いかりかずき)」が見たかったので。

しかも碇潜のクライマックス、知盛の霊を演ずるのがこれまた昨年、筒井筒のお話しと仕舞を見せていただいた味方 玄さんだったのです。

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開演直前、ぱらぱらっと降ったのですが、日ごろの行いのせいかcoldsweats01、始まる頃にはあがりました。

平安神宮の広い境内には竹の結界内に作られた能舞台、観世座、金剛座の字の入った提灯がつるされ、いつもと雰囲気がまったくちがいます。


すでに前の方は席が埋まっていたのですが、ここで某大学の伝統芸能ゼミのグループとばったり!という奇跡的な邂逅があり、すでに押さえてあった席にすべりこめたばかりか、おにぎりやらお菓子やらまわってきてcoldsweats01、なんてラッキ〜。

謡の本を見せていただいたり、解説もきいたりで最高の席になりました。happy02

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このパンフの表紙がその碇潜の知盛さんの幽霊ですの。
かっこええlovely

今年は大河「平清盛」の流れでテーマは「源平盛衰記」。

第1演目は金剛流、「安宅〜延年之舞 瀧流」。

歌舞伎で有名な勧進帳のもととなった安宅の関のシーンで、歌舞伎を思わせるようなアクションもあり、かなり動的な演目。
富樫につめよる山伏(実は義経の家来)達との攻防が迫力あってみどころ。

最初富樫が登場するとき、太刀持ちがどこかで見たことがある、、、と思ったら、狂言の茂山逸平さんでした。
しかも義経主従の強力(ごうりき)は茂山千五郎さんだったし。

狂言師ではなくて、「能楽師狂言方」と、先日吉田篤史さんに教えてもらったので、納得。

小鼓が昨年の和菓子の会でお目にかかった新進気鋭の曽和尚靖さん。

ここでいよいよ薪に火が入ります。

第2演目は観世流、「二人静〜立出之一声」。
菜摘女に静御前の霊がとりついて、静の舞の衣裳を着け舞い始めると、どこからともなく同じ衣裳の女があらわれ、寄り添って舞を始める。

このシンクロ舞を見たかったのです。
時に方や舞台の上、方や橋掛かりの上、時に寄り添って、、、
いずれが静御前でいずれが菜摘女か、その境もなくひきこまれる、これぞまさに「幽玄の世界」を垣間見たような気がします。
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意図してかどうかはわかりませんが、この演目は始まりの時はまだ薄日が残り、進むにつれ次第に暗くなっていき、終わりの方ではすっかり夜。
その夕方と夜のあわいにこの幻想的な二人静をもってきたのは、最高の演出だと思いました。

間(あい)の狂言は「柑子」。

狂言大蔵流、茂山良暢、茂山千三郎。
三つの柑子を食べた言い訳に、俊寛の話まで持ち出す太郎冠者のいいわけぶりが見物。
これは俊寛で源平盛衰記つながりだったのね。

狂言の面白みはその間の取り方にあるといってもいいと思う。


最後の演目、これもみたかった観世流、「碇潜〜船出之習」

これに出てくるワキ方が、実は心茶会の後輩で、しかも京大観世会出身の方だったんです。
(どこかで聞いた名前だと思ったcoldsweats02

声の通りも良く、評判もきわめて良いと聞きます。
がんばってるなあ。


さて、演目ですが後段に平家の御座舟がでてきます。

中には幼い安徳帝(子方)、二位尼、大納言局、そして清盛の四男坊にして「入道相国(清盛)最愛の息子」、かつ平家の清盛なきあとのリーダー知盛(いずれも亡霊です)登場。

知盛は自害にあたり、鎧を二枚着て、碇を体に巻き付け、それをおもりにし、「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」と言い残して入水したとも言われています。
生きたまま浮かび上がって晒し物になる辱めを避けるために。

まずは「波の下にも都のさぶろうぞ」と、二位尼にいだかれて入水する安徳帝のシーン。

ついで知盛は、まずは長刀にて合戦の様子を演じ、そののち大きな碇を持って入水のシーンを舞う。
これがまたアクティブで歌舞伎のように少しケレン味もあって、迫力!

昨年の筒井筒で静かな舞をみせてくれた味方玄さんの、対照的な舞にしびれました。

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終わって振り向けば、空はすっかり晴れて応仁門の上に月。

帰途につく観客に能楽師の方々がずらっとならんでご挨拶。
普段着だったので、はじめはわからず、あ、この子は子方の子だ、と気づいてからわかる。

歌舞伎などではまずみられない風景。
残念ながら能を見る人はそう多くはない、という能楽界の危機感もあるのかもしれない。

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それにしても平安神宮の社殿を背負って、の能は最高の舞台です。
ああ、やみつきになりそう。

2012年6月 1日 (金)

茶道資料館「四季の画賛と待合のしつらえ」〜徳斎さんの帛紗

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きのうまでの座敷はこんな、、、でしたが、、、
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今日からは葦戸です。

いよいよ暑い夏を迎えますねえ。


さて、裏千家茶道資料館。
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今季のお題は「四季の画賛と待合のしつらえ」、その第III期。

はいったところで、いきなり土岐二三(江戸初期の茶人で岡崎に隠棲した)のユーモラスな画賛に出会ったのですわ。
(最近知ったばかりの名前なのですが、そのせいかその後よくあちこちでその名をみる)

後ろ向きの禿頭の本人のまるまっこい姿に、傍らにおかれた茶筅、茶碗。

画賛に言う、喜撰法師の歌のもじりで、

「わが庵は 都の東(岡崎)侘びて住ム 世にうつけ茶と人ハいふなり 八十五翁洛東乞食」

ええなあ〜、こういう隠遁生活、あこがれるなあ。
それで85まで長生きして、かくしゃくとしてお茶をして、なんていうことなしぢゃありませんか。


今回、テーマが待合掛けなので、軽めの物、ユーモラスなものが多くて、かえって楽しく拝見。


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(呈茶席のキスゲとシモツケ)

たとえば、仙叟の蛸画賛。
子供が描く蛸のようで、にんまり笑えます。

明治の日本画家、森寛斎が手づくねでこしらえた、とぼけた金魚香合は、弟子の奥谷秋石の「この香合の扱いについて、水屋で論議百出であった」という添幅つき。
(どういう点が問題になったのかわかりませんでしたcoldsweats01


あと、玄々斎の子息、一如斎8歳の手になる「垂珠」という文字に、玄々斎が薮柑子の絵を添えた物。

五十路ですがはずかしながら、こんな字は今でも書けませんcoldsweats01
昔のお子は筆を持つのが普通だったとはいえ、さすがですね。
のちに10代で夭折することを知っていたら、、、、と思うと玄々斎の悲嘆はいかばかりだったのか、と思いやられます。


眺めるに裏千家資料館だからというのもありますが、先々代の淡々斎の画賛が圧倒的に多いです。
洒脱な絵も描き、字もさらさらと書いた方です。
もちろん直接はしらないのですが、久松真一先生と心茶会を立ち上げられた方なので、禅の思想への造詣も深い方だったのでしょう。
ついひいきしてしまいます。

二階のディスプレーとして、いつもは展示品があるところが即席内露地になって、蹲居まであったのにはびっくり。

こちらでは畳の部屋の左手の展示物の敷物にご注意を。
有松絞りのみたいな絞りがほどこしてある敷物だけれど、どうも質感がちがう。
よくみると、、、、これ毛氈(フェルト)なんだ!
フェルトにこんな絞りができるなんて、目からウロコでしたわ。

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お呈茶席でいただいた幸楽屋(?だったかな)の「唐衣」。
カキツバタの造形ですが、こういうタイプの唐衣はめずらしい。


さて、資料館をあとにしまして向かったのは、堀川寺之内通り西入ル(表・裏千家へ行く通りの堀川をはさんでお向かい)のこちら。

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はい、な〜んの看板もでていませんね。
なんのお店でしょう。

ヒントはこちら。


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この橙色の物、そう、帛紗です。
創業300年の帛紗の老舗、北村徳斎さん。


この玄関では、しらないとなかなか入っていくのに勇気がいりますよね。

実は最近大円真のお稽古を始めたので、古帛紗をもとめにきたのです。
大円真では古帛紗で抹茶のいっぱいついた茶杓を清める(うぎゃ〜shock)ので、汚れてもいいようなお手頃なものを。

中に入ると帛紗らしき物は一切ありません。
座敷に上がって、小机の前のすわると、なにやら風呂敷みたいな物がかけてある。
これをとると、まあ〜〜〜たくさんの古帛紗が山積み。
この中から手にとって選び放題。
要望に応じて後ろの箪笥からもいろいろ出してくださる。

古帛紗に使われる裂地の中で七曜太子間道とよばれるものがあるのですが、それを貼った衝立がおかれていたのが印象的。さすが。
それから淡々斎直筆の「帛紗取り扱い許可状」のようなものの額装。
「これがないと、この商売できないんですよ。」
そうなのか?


さて、本来の目的の汚れてもいいような古帛紗、、、と思っていましたが、こんなたくさんの古帛紗を見て、それだけですむはずは、、、やはりありませんでしたcoldsweats01


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おほほほ、、、これだけ買ってしまいましたわbearing


左から紹紦(しょうは)蔓草霊果緞子、紹紦人形手、花繋蜀江錦、(大好きな)江戸和久田金襴。

お稽古にはげまなくちゃあ、、、、