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2012年5月

2012年5月29日 (火)

菖蒲月雑記 2012

<その1> シェル様の憂鬱

この5月で御年15歳にならせられましたシェル様。

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 cat「口の調子がようない。」

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突如口をかきむしって、あががが、、、、coldsweats02

あわてて獣医さんへお連れすると、歯肉炎をおこしていなさる。

抜歯が根治治療だが、なにせご高齢のため(cat失礼な!)麻酔によるダメージがあるかも、とのこと。
でもこのままでは、お食事も満足におできにならないので、ここは下僕としては腹をくくって「抜いちゃってください!」。

幸い血液検査では、この御年にしてはどこも悪くない、とのことで全身麻酔下に抜歯。

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(気持ちワルイと思われる方もおられると思うので、ノイズフィルターかけときました)

上下2本。
どちらも歯根がほぼとけちゃってたので、簡単にぬけた、とのこと。


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点滴のため、毛を剃られた前足にいたくご立腹の様子で、なめなめ。

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まだ麻酔があとをひいて、こ〜んなお顔になっておられます。

え?
術後経過はって?


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はい、このとおり、今までの分を取りもどさんばかりの勢いで、お食事おめしあがりになっとられます。
(しかし、居候中のフレディ、でかいね)

ご高齢ゆえ、これからますます獣医さんのお世話にならないといけないとは思いますが、できるならどうかお元気でずっとおすごし下さいね。

<その2> みったんをみた

なんのこっちゃ?のタイトルですね。

正確に書けば「密庵を見た」。

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ところは大徳寺龍光院。
非公開寺院です。

こちらでさるお茶会のお手伝いに。
(実際はほとんどお役に立てませんでしたが〜〜coldsweats01


こちらには国宝の茶室・密庵席(みったんせき:四畳半台目)があるのです。
なんと、これを拝見できるとは!
(ちなみに国宝の茶室はこれに如庵・待庵をくわえた3つだけです)
伝・小堀遠州作。

中へは当然は入れないものの、竹の結界越しに頭だけつっこめば、それなりに雰囲気が十分味わえるというもの。

見所はなんといっても、宋代の禅僧・密庵咸傑(みったんかんけつ)の現存唯一とされる墨蹟一幅のみを飾るための床・密庵床であります。
この日はその墨蹟はかかっていませんでしたので、想像で補うしかないのですが、思ったより狭い、床も小さい、、という印象。
たった一本の軸のために床、、、いや茶室を作っちゃうなんて、当時の茶人さんが墨蹟を宝物と思う心情の深さを感じます。

こんなにまぢかに密庵を拝見できる日が来るとは!
しかもここのお寺の厨(くりや)がまたすごいんです。(おくどさんあり、現役の井戸あり、高い天井、煙抜きあり、、)
ここを使わせていただけるとは、、
京都でお茶をする醍醐味、御利益happy02をかみしめましたの。


<その3> たまにはイタリアン

祗園は四条縄手上ルのイタリアレストラン、Ristorante dei CACCIATORIさんへ行って参りました。


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このあたりで食事するのはずいぶん久しぶり。
同じビルに、かつて京都住まいだったころよく行っていたスペイン料理のフィゲラスがはいっていて、懐かしかった。
まだあるのね。昔は地下だったような気がするけど。


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イタリア北部ピエモンテ州(トリノのあるところ)の料理、ということですが、日本料理でいえば関西風と関東風くらいのちがいなんでしょうか。

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お料理はちょびっとずつ、何皿もでてきて、しかももりつけが美しい。
これはまさに京料理のイタリア版とでもいいましょうか。
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どちらかといえばあっさり系。


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目と舌で楽しませていただきました。
難をいえば、、、、量がたら〜〜〜んbearing


<その4> 久々のキルト

数ヶ月前からちびちび縫っていたのですが、実用本位なもので、せっぱつまってなんとかぎりぎりに完成。

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ほんとに最後は夜討ち朝駆けでキルトしたので、ちょっと粗造ですの、、、coldsweats01
デザインも凝った物を作る余裕がなくて。

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まあ、これはこれでよいか。
洗濯をよくしないといけないものなので、このくらいで。(←エクスキューズcoldsweats01


<その5> 金環日食

小学生の時、日食はまだガラス板に煤をつけて鼻を真っ黒にして見たものです。
(これがわかるアナタはりっぱな昭和の子です。あ、地域差もあるようですが)


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京都できれいなリングがみられる7:30AMごろ、私は通勤で家をでないといけないんです。

なのでかろうじてとらえた金環は映る影にて。

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減少した日光に照らされた通りは、いつもの通りではないような不思議な感じでしたね。
デ・キリコの絵を連想しました。


<その6> 真如堂〜真古館


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お気に入りでしょっちゅう通っている黒谷さんから真如堂へぬける「墓場コース」です。


紅葉の頃が美しいなら緑の季節も美しいはず、、、と真如堂まで。

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やっぱりね、とてもきれい。


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お堂を背景にするとなお美しい。

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紅葉の頃はすごい人で賑わうのですが、新緑の頃はちらほらとしか人をみかけません。
もったいないですね、この緑をご存じないなんて。


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表門から吉田山のほうへ向かう道でこんなお家を発見。

これはえびすさんでしょうか。
それに、花がまだ咲いていない時期だったので、同定できませんが定家葛?

とても風情があります。


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その足で旧・東伏見宮別邸吉田山荘敷地内のカフェ真古館へ。

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こちらのご馳走はなんといっても三方見通せる窓からの景色なんです。

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今日は比叡山にするかな〜、後一条天皇、陽成天皇の陵にするかな〜、、


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でもやっぱり大文字がいいわね。

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そして名物蝙蝠ビスケットのついたコーヒーを。

2012年5月26日 (土)

十三世襲名記念 坂 高麗左衛門展

高島屋へお買い物のついでに、時間があればいつも美術画廊へ。

今回萩焼の坂 高麗左衛門さんの13世襲名記念の展示会によせてもらいました。

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高麗左衛門は萩焼でもっとも伝統と格式を誇る名門名跡です。

遡ること約400年、秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役、朝鮮では壬辰倭乱、俗に茶碗戦争ともいわれた)の時期に、萩藩初代藩主・毛利輝元が朝鮮から連れ帰った陶工、李勺光、李敬の兄弟のうち、李敬以来の血筋。

李敬は2代藩主・毛利秀就より「高麗左衛門」の名前を賜り、江戸時代は毛利家の御用窯だったそうです。

李兄弟については、以前ブログでとりあげました申 翰均さんの「神の器」にも登場していたので、なんとなくなじみのある名前です。
(当時、朝鮮から半ば拉致されて来日した陶工たちの心情や、萩藩における待遇など書かれていて、おもしろい。特に井戸茶碗にご興味のあるかたは是非ご一読を。)


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場内は茶碗をはじめ、花器、水指、懐石の器など、これぞ高麗茶碗の流れをくむ萩焼!という作品がならびます。

上記の、秀就から「高麗左衛門」を賜った時の任状の軸装(レプリカ?ホンモノ?)も飾られています。
墨蹟もあり、古筆切も掛けられ、さらに会場のあちこちに、青竹を切っただけの花入れに、種々の茶花がすばらしくすてきに投げ入れられています。

秀就の書状の前にはなんと、めったに本物をみられない熊谷草がcoldsweats02
(これって敦盛草と親戚なのよね。なんて平家物語的ネーミングheart01

まるでいままさにお茶会の席にいるよう。
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さて、萩焼きはあたたかいベージュ色で、新品はどちらかといえば深みがない感じがするのですが、実は使ってこそ真骨頂を発揮するのです。
よく知られた言葉に「萩の七化け」というのがあります。

萩焼の土には、浸透性があり、使っているうちに表面の細かい貫入をとおして、茶がしみこみ、やがて年月とともに微妙に変化して、何とも言えない風情を醸し出す事から、そういうらしいです。

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ちなみにこれは2年ほど、わが家で使い込んだ田原陶兵衛工房の萩焼。
貫入の色が少し目立つようになって良い感じになりました。
手に入れたばかりのときはつるんとしていたのですよ。
(これをだすためにしょっちゅう使っているようなものcoldsweats01


さて、会場の軸でどうしても一字読めない字があって、指で書き順をなぞったりしていると、感じのよい初老のおばさまが「これは龍驟鳳翔(龍はしり鳳かける)と読むんですよ。」と教えて下さいました。
会場のスタッフさんかなあ、、と思いつつなにげに御礼を言って、退去したのですが、、、、


あとで調べてみるとあの方が十三世高麗左衛門さんご自身だったとは!!

先代(12世)が50代の若さでお亡くなりになったあと、しばらく空席だった高麗左衛門を継がれたのが先々代(11世)の娘さんで、坂家始まって以来の初の女性当主だったんですねえ。
女性とはつゆ知らず、、、、

私ったら知らないとはいえ、なんと失礼なことを(大汗)coldsweats02


花の絵付けのある作品もあったので、萩にしてはめずらしいなあと思っていたら、高麗左衛門さん、陶芸をされる前には日本画をされていたんだそうです。
そんなことを予備知識として持って行っていたら、もっとしっかり見ることができたのにね。
反省。

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反省しつつも、こんなきれいな和菓子(虹、雨上がり)をいただいたあと、早速例の萩焼茶碗で薄茶を一服、自服にて。


2012年5月23日 (水)

弘道館月釜〜花寄茶会

今期最後の弘道館月釜です。

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毎回同じショットですが、並べてみると季節の移ろいがわかります。

今は緑の美しさを愛でる季節ですね。

今回のテーマは「花寄」。

亀岡にある茶寮(ホテル、宴会、茶事・茶会、レストランなどなど複合施設になってます)、田中源太郎翁旧邸楽々荘のご主人、中田智之さんによる茶花を楽しむ趣向。

*楽々荘については、その建築にも興味があり、いずれ訪れるつもりですが、その歴史や山陰線(現トロッコ電車)を作った田中源太郎翁についてはリンクしたHPにゆだねます。

待合掛は益田鈍翁の「茶狂」。
まさしく彼のひととなりを、ひとことで表していますね、うぷぷぷ、、、coldsweats01

ここにもキスゲなどがいかにも「野にあるように」投げ入れてありました。

本席では中田氏によるなげいれデモンストレーション。

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楽々荘の花も、祗園にあるお店にもすべての花を彼はいけられるそうです。
しかも、ご自分で野で摘まれてきた花で。

道端や河原の野の花を摘んで茶室にいける、、、う〜ん、憧れますね〜。
たとえ道端で花をみつけても、なかなか実践できません。

しかも花器の数も半端じゃないでしょうに。

床の軸は和漢朗詠集の躑躅の歌。
亀岡の市花が躑躅、ということにちなんで中田さんが選ばれたもの。
(そういえば私の亀岡の友人の住所はつつじヶ丘だったような、、、、coldsweats01


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季節の花寄。
花器も中田さん御所持の逸物ぞろいです。

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部屋の隅にこの花が一つあるだけで、空間がしまる。
野の花にさえ、そういう力がある、不思議です。

いや、和室や茶花をいれる花器には、むしろ野の花こそにつかわしい。

華やかなフラワーアレンジメントでなく、こういうミニマムで空間をひきしめることに美を感じるのは、やはり日本人なればこそ、と思います。


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中田さんは「私はだれに生け花を習ったわけではなく、ただお茶が好きでそのために必要な茶花を思うままいけているだけです。」
と、おっしゃる。
確かに、なにげなく投げ入れられているように見えますが、なかなかこういう風情は私にはだせません。
むつかしいと思います。


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(これは三寸アヤメという矮性菖蒲。)

たしかにデモンストレーションを拝見しても、さっと特に細工もなく、ご自分で摘んできた花を入れられます。

先日野村美術館の講座で聞いた未生流笹岡家元のお話しを思い出しました。

たった9枚の杜若の葉を組むのに、100枚の葉を用意するそうです。
これは投げ入れとは対極にあるようでおもしろい。

同じ花材を使ったとき、この両極はどのように違った花を見せてくれるのか、一度みてみたいもの。

それでも茶花はやはり投げ入れだと思います。

華道の花はそれ自体が作品なので、それだけで完結しますが、茶花はあくまで茶室にあって、茶室の雰囲気をひきたてるものですから。

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そういえば楽茶碗はそれだけで見ると、物足りない(光悦の茶碗などに比べると)ような気がするときもあるのですが、茶室で、練られた濃茶とともに掌にのせたときに、その力を発揮するのではないかと、思ったことがあります。

まあ、いずれにせよ、そんなふうに茶室に花をいれられるようになるためには、実践、実践、、、ですね。(汗)

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今回は初めて弘道館のお二階でお茶をいただく。

お菓子も花寄。

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私の選んだこれはなんの花だろ???
(つくね芋の餡がおいし〜)
(さりげなく季節の懐紙をアピール←池坊仕様)


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立礼に和箪笥を使うなんて、さすが大田さん!


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小振りでかわいいお茶碗は鯉のぼり。

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この蓋置+茶杓にも笑いましたわ。
パリのノミの市かなんかで買ったエッグスタンドですのよ。
気軽なお茶会ではこういう見立てはとても楽しいです。

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玄関に、花をいれる中田さんのお写真。
またこの一隅にある花が構図をばっちり決めていますでしょ?
(なんの花なのかわからんところが、、、、coldsweats01

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帰途は御所を通り抜けて。
こんなかわいいサクランボをみつけました。

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週末のみ公開の拾翠亭、残念ながら茶会で入れませんでしたbearing

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どうです?このしたたる「緑陰」。

まことに美しい季節ですなあ。

2012年5月20日 (日)

下御霊神社〜還幸祭

寺町通り散策のときにはいつも前をとおる下御霊神社

いつもはひっそりとほとんど参拝の方を見かけないのですが、、、、


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おおお!
寺町通りがなんだかいつもと違う。
(ちなみに正面は革堂・行願寺さん)


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寺町通りの東側にはずら〜っと露店がたちならび、場所のオリエンテーションがつかないcoldsweats02

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前夜の宵宮をチラ見したのですが、これに灯りがともっていつもの寺町通りではないような幻想的な雰囲気でした。


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さて、下御霊神社。

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境内には射的などもでて、あらにぎやかhappy02


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神輿をおさめている、いつもは閉まっているお蔵です。

重そうな扉の内側の鏝絵がすごい。

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一側は菊の御紋(御所の産土社ゆえ)、その対側はここの社紋、花沢瀉に水。


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う〜ん、ちょっと修理が必要かも。

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さて、御所南といわれるエリアは下御霊神社の氏子なのです。

いろいろ有名な老舗や店がひしめく場所でありながら、歩くととてもコンパクト。
神輿と神幸列(行列)はこの氏子エリアを一日かけて別々のルートで巡行するのですが、歩いているといろんな場所でこれに出会えます。


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お、まずは行列から。

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御霊神社というからには、祇園祭と同じく、平安初期の神泉苑の御霊会を嚆矢とするので、りっぱな剣鉾も巡行します。

下御霊神社の御祭神は、政争に負けて悲憤のうちになくなった(いかにも都に祟りそうな)八座。

なかでもビッグネームは崇道天皇。
早良親王のほうが通りが良いですね。
あとで都に疫病がはやった祟りの原因とされ、あわてて崇道天皇と追号されたとか。(by 桓武天皇)


祟りといえば最強の祟り神がNHK大河で佳境に入っているところの崇徳上皇。
明治天皇も、昭和天皇も、即位にさいしてまず崇徳上皇の御霊鎮めをしているんですものね〜。

あら、ちょっと脇道にそれましたcoldsweats01


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これは当時の武官の姿のなのでしょうか。
子供会は春日学区、銅駝学区など、、、(いずれも統廃合で今はなき小学校ですね。)


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御鳳輦。
大正年間に作られて、神坂雪佳もデザインに関わったのだそう。


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お馬も行きます。


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当家(とうや)飾りもありました〜。

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なにより氏子町内の人たちが、神輿や行列が通るのを家の前で待っている姿がいいですね。

特に、古い町家の前で、お年寄りが床机を出して座っておられる姿には風情があります。


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さてさて、神輿の方も見なくっちゃ。

これは木屋町二条を行く神輿。

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これは御所南のどこかの通りでであったところ。

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ホイットホイット!

の、かけ声も血湧き肉躍る(?)(←お祭り体質なもので)

担ぎ手は、今年は氏子連だけに限ったそうで、ちょっと平均年齢高いかな。


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といっていると、今度はまた行列に再会。

碁盤の目の通りを東奔西走、北上南下していると楽しいわ〜happy02


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これは何かの故事なんでしょうか。
それとも竹林の七賢???


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あら〜こんどは夷川通りでお休み中の神輿が。

お休みどころは家具の夷川でも一、二をあらそう大きな家具屋さん。


そんなこんなで碁盤の目のあちこちで行列と神輿にぶつかりながら、ちょっと疲れたので寺町通りのこちらへ。


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こちらも祭礼仕様の一保堂さん。
(屋台が並ぶので見つけにくかった!)


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玉露を自煎でいただく。
美味lovely

2012年5月17日 (木)

メジロの雛も孵りけり

GW前のこと、夜にお掃除をしていて、雨の日用の躙口(作ったんです、いっちょまえに)を開けたら、目の前の楓の枝がえらいしなっていたんです。

よくみるとなにやら巣のような物が、、、、

すわ、これはスズメバチの巣でわっ!!

ならば駆除せねば、、、と懐中電灯でおそるおそる照らしてみれば、、、、
なんだかスズメバチとちがう。
糸くずやビニールのきれっぱしなんかも巣に編み込んであるし、、、、
で、よくみると、、、、
目があったんです、抱卵中のメジロと、、、、coldsweats02coldsweats02coldsweats02


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昼間に外からみると、矢印の裏ぐらいに巣があるのですが、まったくわかりません。
まさにカラスなどの外敵から守る絶妙な位置に営巣したものです。

小さいメジロの賢さを見る思い。


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おどかしてメジロにストレスを与えてはいけないと、遠くガラス戸越しに毎日眺めていました。

今日もちゃんといるいる。
抱卵中は身動きがとれないのね。


しばらくすると親鳥の姿が見えない日もあり、どうやら雛が孵ったようです。

見るたびに親鳥が虫をくわえて運んできていたので、毎日かなりの回数エサを与えていたのでしょう。

でもガラス越しでものぞくと親鳥は決して巣に近寄らないので、なるべく刺激を与えないように。

これは給餌中の貴重なショットです。(かなり望遠で)

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でも数日前から雛のすがたも見えなくなってしまって、大丈夫かな〜と思っていたのですが、庭の廻りでメジロのチーチーという鳴き声が盛んにしていたところをみると、無事雛たちは巣立ったようです。


庭の近辺で鳴いていましたが、いずれ山へ帰っていくのでしょうね。


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空になった巣をのぞいてみました。

青いのはビニールのゴミ袋の切れっ端のようです。


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うまいこと作るもんだなあ。
これ自体、アートですが、力学的にも絶妙。
自然の摂理に感動です。

しかし、メジロの親が建設中のときは全く気づかなかったなあ。


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巣の真下には、雛たちの落とし物coldsweats01


元気ですごせよ〜。

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、、、で、雛の巣立ちに遅れること数日、わが家の雛もようやくかえりました。

生まれる前から準備しておいた初着。
いつも帯などの染めをお願いしている染め工房 遊さんに地色から決めて手描きしてもらいました。
七五三の三才参りにも使うので。

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ウサギがかわいいの。lovely


   初孫や メジロの雛も 孵りけり    しぇる

2012年5月15日 (火)

上賀茂社家〜西村家別邸

(2日ほど、アクセスがうまくできない状態になっておりましたが、復旧しました。)

大田の沢の杜若を見に行った帰りには、明神川ぞいのたちならぶ社家(かつての上賀茂神社神職のお家)の風情を楽しみます。

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明神川の水は上賀茂神社の「ならの小川」の続き。

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かかる橋には、橋なんだか、土手なんだかわからなくなっているようなものもあって、風情がありますね。

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藤木通りからそれるあたりの川のカーブ。
ここ、けっこうお気に入りのスポット。

白川も、琵琶湖疏水もそうだけれど、京都の水のある景色ってほんとうにいいなあ。

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この曲がり角の向いには、上賀茂神社の末社、藤木社。
この大きなクスノキがご神体。
そういえばなにやら神々しい威圧感が、、、

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唯一公開されている旧・社家の西村別邸、オープンしているようなので入ってみましょう。

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玄関を振り返ったところ。

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玄関をはいってすぐの、おそらく茶室だと思われる小間。

さて、現在は西村家別邸ですがもとは社家の錦部家の屋敷だったとか。

現存の建物は明治のころ、建てられたそうですが、庭はなんと1181年、上賀茂神社の神主だったその名も藤本重保が作庭したものなのです。


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奥座敷からみた庭。
ひときわ鮮やかな、若葉が赤い種類の楓(ノムラモミジ?)が目をひきます。
その足元に明神川から引いた水で曲水の宴ができる小川が流れていますが、ここを流れたあと、また水は明神川に帰ります。

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ここもまた、新緑が美しい。

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さきほどの茶室のおとなりにある水屋。


こんな庭を眺めながらのお茶会は、さぞや景色がごちそうだったろうと、、、


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かつて神主さんが出勤(?)する前に禊ぎをしたといわれる井戸のあと。

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数寄屋テイストいっぱいlovely

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こういうたたずまいは、たまりません。
ああ、住んでみたい!

(でも庭掃除がたいへんね、きっとcoldsweats01


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このあたりにだけ生えるという小振りのカモシダ(賀茂羊歯)。

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こちらも茶室として使われていたのでしょうか。
壁床(釣り床)に楊枝柱。
数寄屋の教科書をみているようだなあ。


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裏の池庭はまさに「緑陰」というところですね。


目も心も癒されたあとは、、、、やはりお腹も癒さないと。


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定番の神馬堂でやきもちを食べ歩きしたのはいうまでもありません。
おほほほbleah

2012年5月12日 (土)

大田の沢の杜若〜未生流笹岡・家元のお話(野村美術館講演会)

   神山や大田の沢のかきつばた
       ふかきたのみは 色にみゆらむ
  藤原俊成

上賀茂神社から徒歩10分ほど、カキツバタの群生地で有名な大田神社へ。

学生の頃、一度この季節に来たことがありますので、ウン十年ぶりの訪問です。

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説明はいりませんね。
ただただ凜と美しい。

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冒頭の歌にみるように、はるか平安の昔から大田の沢に群生していた杜若(カキツバタ)。
国の天然記念物になっています。


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花びらのようにみえる、実は萼(がく)に細い眼のような筋がはいるのが特徴。
これは花菖蒲と同じで、アヤメとはちがうところ。(アヤメは網目模様)

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花の紫をひきたてているのが、このしたたる緑のいろと、直線的できっぱりした形の葉ですね。


さて、この美しい杜若を見て、その午後には野村美術館の恒例の講演会へ。


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初夏の碧雲荘脇のいつもの小路。(疏水分線)

東山も笑っています。(山笑フ)

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この季節土手を占めるのはこの黄色い小花。
名前は不明ですが、、、、

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本日の講師は昨年家元を襲名された、いけばな・未生流笹岡の笹岡隆甫さん。
以前からイケメンの次期家元として注目されていたお方ですが、なによりその経歴がユニーク。

3才から先代家元であった祖父の養子になられて、家元を継ぐべく育てられたそうですが、お父上が京大の数学の教授、御本人も京大の建築科で二足の草鞋をはくべく建築の勉強をされていたのです。

天は二物も三物も与えられる方には与えられるんですねえ、、、、coldsweats02

ほとんどかぶりつきで講演を拝聴しました。(ウシシlovely


タイトルこそ「いけばなと茶の湯」でしたが、ほとんどいけばなのお話coldsweats01

そこで流派の花、未生流笹岡の「流花」が杜若だと初めて知りました。

まあ!
朝見てきたばかり。


杜若の紫色は日月和合の色、最高位の花として大切にされてきたそうです。
杜若を生けるときはとくにあたりを清浄にして、、、をこころがけるのだそうで。

また、葉蘭・水仙とともに、いけるのに難しい葉物(はもの)で、葉組(葉をいけるのによい葉を選んで組んでいく)をするのに、必要な葉数の10倍は用意して、選別するのですって。

私は華道は習う機会がありませんでしたので、かげでそんな苦労をされているとはつゆしらず、お茶の花は「野にあるように」なので、適当にcoldsweats01投げ込んだだけですませていました。

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さて、先代も京大の経済学部(理系です)卒業、今の家元も建築科(理系)というだけあって、笹岡流の教え方は論理的に学ぶ、というもの。
たとえば枝と枝の比率は1:√2になるように、、、というような寸法表があって、これを使えば、だれでもきれいにいけられるとのこと。

そしていけばなというのは、いけた瞬間が完成ではなく、時間をかけてうつろっていく、その枯れた姿までみとり愛でるものなのだと。

対して西洋のフラワーアレンジメントは盛りの瞬間だけを愛でるもの。多くはシンメトリーで面として欠けることなく完成しているが、いけばなには余白があり、非対称の美がある。

この日本人が生まれながらにして持っている非対称の美への憧れは、造園、建築などでもいかんなく発揮されていて、例として法隆寺の伽藍をあげられました。(さすが建築家!)
なるほど、とてもよくわかる。

さらに枯れて落ちた花や落ち葉までめでるのは日本人だけかもしれません。

では、茶席の花は?

笹岡さんはこれをその一瞬で時間のうつろいを表現するもの、とおっしゃる。

これは椿を茶花としていけるのに、けっして咲いた花ではなく、開く前のほんのすこしほころびかけのつぼみを使うことなどに表されているかもしれません。

これから花開いて、ぽとっとおちるところまで思い描くことができるのですから。

そう思えば、茶花をいれるのにも、心していれなければなりません。
適当に投げ入れ、、、ではだめなのよ。
今度から、襟をただして心をしずめていれよう。


<付記>
野村美術館の「かなの美」、後期展示にかわっています。
今回もすごいです。
先日陽明文庫展で学習した近衛家熈(予楽院)さんの和漢朗詠集の軸などもありました。
あと、地下に展示されている釜、炉縁、風炉もすごいよ〜!
迫力満点、お見逃しなく!


2012年5月10日 (木)

ご近所の新しいお店探索散歩(補遺)〜セクションドール

(昨日のうちの近くのお店の追加ね。)

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岡崎疏水に面した冷泉通り、東大路東入ルのタンドリーチキンのお店、SEctionD'or・セクションドールさん。
1年ほど前にできたレストランです。
セクションドールとは「黄金比」なのかな。


kiremimi様がおいしいと、太鼓判をおしてらっしゃったので、いつか行こう、と思いつつ、いつも満席でふられてました。
なので予約して入店。

テーブルは3〜4席だけなので、これは競争率高いはずです。


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メタルのテーブルにおかれていたナイフとフォークをみて、、、、

お、これフランスのラギオールぢゃないか!
(ソムリエナイフで有名なラギオール村のカトラリー)

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ハエ、、、じゃなくてミツバチがトレードマーク。
いきなりおしゃれ。

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オランダのシガーケースをあけるとでてくるメニュー、、、といってもタンドリーチキンだけ〜coldsweats01

チキンをつけこむスパイスが黄金比率、、、ってわけね。
厨房の後ろの壁に、その黄金比の内訳が書かれていて、インテリアの一部になっているのがおもしろいわ。


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注文を聞いてから焼いてくれるので、少々お時間はかかりますが、でてきました、でてきました。
まあ、美しい黄金色!

先日自宅でタンドリーチキンを作ってみたのですが、こんなにぱりっと仕上がらなくて。

付け合わせのお野菜もユニーク。
ビーツや長芋までつけこんで焼くとおいしいのね。びっくりですわ。

大阪のパンデュースさんのパン付き。
女性にはちょうどいいボリューム。
(男性にはちょっと少ないかも。)

ビール、またはワインでいただくとさぞやおいしいでしょうねえ。(車運転の予定あり、断念)

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外は桜の頃はさぞや絶好の花見ポイントであったとおもわれる疏水、今は緑がきれいです。

チェアの背中の中央に、荷物掛けのフックがついているところが芸が細かくてすてきでした。

2012年5月 9日 (水)

ご近所の新しいお店探索散歩

GW中は諸般の事情で遠くにはでかけられませんでした。

なので日ごろちょっと行ってみたいけれど、わざわざ行く時間もないし、、、と思っていたご近所の新しいお店探訪を。

<テノナル工芸百職>

工芸百職さんは以前紫竹のほうにあったお店で、若いご夫婦がやっておられる、織屋建のとてもすてきな空間だったのです。

引っ越しされるとは聞いていましたが、なんと、家から徒歩圏内の聖護院に移っておられたとは!

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このあたりは以前京都に住んでいたときのテリトリーでよく知っているはずの場所なんですが、こんなろうじがあるとは知らなかった。


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以前のお店より少々手狭になった感はありますが、ここもすてきな町家です。

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実は以前からファンであった工房いろ絵やさんの作品展がこちらであるとのご案内をいただいていたのです。


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お店中にところせましと並ぶ、お馴染みの豆絵の器たち。
ここのところ豆皿はかなりコレクションしましたので、今回は柳に蛙シリーズの少し大きめのお皿を。
パン皿なんかにちょうど良さそうなサイズです。

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ちなみにこれは前回手に入れた豆皿。


いろ絵やさんの個展が終わったあとは、常設展示にもどりますが、こちらも竹籠とかブリキの缶とか手業の工芸品が並ぶと思うので、また行ってみよう。
センスがとても良いし、私の好みのツボにはまって、場所も隠れ家的で楽しいし。


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表通りになる春日通りに出ると、ぱあ〜っと視界が広がって、大文字がきれい。


<gallery&select shop noma>

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岡崎疏水の桜はすっかり緑になりました。

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この景色を見ていると、ここに引っ越してきてほんとうによかった、と思います。
さて、この仁王門通りに昨年新しいお店ができたのです。
ずっと気になっていたのですが、やっとのぞいてみることができました。


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北欧の雑貨やブロカンテのギャラリー、noma


北欧の雑貨のコレクションがこうじてお店を開いてしまった、というすてきな女性オーナーのお店です。

nomaはノルディックと「間」の造語とか。

あたたかい白で統一されたインテリアがとてもすてき。

北欧デザインといえば、シンプル、素朴といったイメージで、もともと好みの範疇外だったのですが、ここに集まった物たちはつい手にとってさわりたくなるような、日常に使って美しくて楽しそうなものばかり。
このあたり、オーナーのセンスでしょうか。


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お買い上げ品はこんなかわいいペーパーバッグにいれてもらえます。

中味は、、、


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小さな銅のピッチャー。
グラニュー糖をいれてコーヒーに添えてもいいかな。

銅が変色していく話から、同じ有次の銅の洗い桶を持っていることが判明し、ちょっとうれしかったりして。

さらにうれしいことに、6月からすぐとなりのスペースでオープンカフェも開かれるとか。
ここは目の前が疏水の抜群のロケーション、きっとはやると思います。
私もいかなくちゃ。

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オープンカフェの話をしたら、早速行きたくなり、国立近代美術館のカフェ505へよってみました。

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わ〜い、疏水に面した屋外の席があいてる〜。
こちらでコーヒーを一杯飲みながら文庫本をしばし読む。

景色は抜群ですが、風の強い日だったのであれこれ飛ばされて、あまり長居はできませんでしたが、、、bearing

<岡崎カフェ>

その名もずばり岡崎カフェ

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以前は普通の仕舞屋だったのですが、昨年こんなカフェとしてオープン。
意外とカフェの少ない岡崎のこのエリアでは、スイーツだけでなくランチもいただけるので、ありがたい。

なんでもこのお店は岐阜の大垣市にあるチーズケーキプリンセスというチーズケーキ専門店の京都店らしい。

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なんといっても建物の雰囲気がよいです。
入ってすぐのところにケーキのショーケースがあって、いたくそそられたのですが、お腹と相談して断念。

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レトロなカップでコーヒーをいただく。


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ハイヌーンティーセットの入った家具もレトロでなぜか懐かしい。

次回はランチをいただいてみよう。

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うれしいことに、この一軒おいてとなりにもう一軒カフェヒペリカムという、これまたレトロなわたくし好みのカフェが!

なんでもこちらでは和菓子がいただけるそうなので、これまた次回、いってみなければ。

にわかに賑やかになってきた岡崎のカフェ事情、これからどんどん新しいのができるのかな。
このあたりの築70〜80年の仕舞屋が壊されずに生かされるのもいいな、と思います。

<おまけの画像>

最近、家に1匹猫増えてます。

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里帰り中のフレディ、ただいま体重5.8Kg。


2012年5月 7日 (月)

山笑フ〜蹴上浄水場のツツジ

緑麗しい、まさに風薫る5月。

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疏水のインクラインもすっかり緑です。

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明治の建物、蹴上発電所の煉瓦の建物にも緑はよく似合います。


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5月5日から、蹴上浄水場のツツジ山一般公開が始まりました。
無料です。太っ腹!

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このツツジ山はかつて京阪電車の浜大津線が地上を走っていたときに、車窓からよく眺めたものでした。
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ツツジは群生している姿をめでるけれど、一つ一つの花も、どうしてどうして、美しいではありませんか。


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この浄水場は日本最初の急速ろ過式浄水場として明治45年に建てられたもの。
水源はもちろん、琵琶湖です。

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華頂山の麓にたっているので、ちょっとした登山ハイキングみたいです。
山を越えれば知恩院のはず。

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手元の時計によると、標高180m。
南禅寺のでっかい山門がみえますね。
登るの、けっこうしんどかった、、、、

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お、ねじりまんぽも見えますね。


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ツツジはオオムラサキツツジが多いのですが、これはサツキかな。


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おや、蜂と目があっちゃいました。


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めずらしいキイロレンゲツツジも咲いています。

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名物、ツツジのトンネル!

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驟雨が上がったあとはより美しく。

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これぞほんとの

  山笑フ


  春山淡冶にして笑うが如く   (郭熙)


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明治45年の創業以来の建物。
しかもまだ現役!


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さて、クイズです。
この浄水場のゆるキャラは何を表しているのでしょう。

最初見た時は赤塚不二夫のウナギイヌ?と思いました。

ヒントは、、、、後ろをむくと下の方に黄色いぽんぽんがついています。

(答え)ホタル、、、、だそうです。coldsweats01(見えねえ、、、)

    確かに澄んだ水にしか、ホタルは生息できませんものね。
    ちなみに名前は澄都(すみと)くんとひかりちゃん、、、だそうです。

2012年5月 6日 (日)

王朝文化の華〜陽明文庫名宝展

京都国立博物館にて、開催中の陽明文庫名宝展です。

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このポスターの豪華絢爛さを期待していきましたが、ななな〜んと、展示の7〜8割くらいが古文書でありました。

その方面の研究者に資料閲覧の便をはかっているだけあって、そういう方々にはおもしろくてたまらん、、だろうと思います。
しかしその方面のしろうとにはね〜、、、catfaceと思っていたのですがすごくたくさんの方々が熱心にごらんになっていました。

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陽明文庫は、ご周知の通り、近衛文麿が戦前に宇多野に創立したもので、近衛家伝来の古文書、典籍、記録、日記、書状、古美術品などおびただしい史料を保管している施設です。

その近衛家といえば、藤原摂関家の長、(つい、いつもこの話になるが)大河ドラマですっかり悪役ぶりが板に付いた山本耕史さん扮する藤原頼長と仲のわるい兄、保元の乱勝ち組の藤原忠通の長男、基実を初代とする名家中の名家。(ああ、冗漫な説明、、、)

禁中の近衛府が陽明門の近くにあったことから陽明文庫と名付けたようです。

なかでもスター級のお宝といえばやはり忠通の5代前、藤原道長の日記、国宝「御堂関白記」。
自筆本十四巻、古写本十二巻、うち自筆本が全巻見られるのはすごいです。(前期後期通じれば)

特に紫式部日記などでおなじみの中宮彰子の出産のあたりの記録は興味深く見る。

中宮彰子に陣痛が来て、無事生まれるよう僧侶や陰陽師に祈祷をさせた云々。
素直に我が娘の出産の無事を祈る気持ちはあったでしょうが、それだけでなく、この出産には道長一門の命運がかかっていたわけで、そういうことを考えながらその筆の呼吸をみるのはわくわくします。


その他、御宸翰だらけの「大手鑑」。
江戸時代中期の21代近衞 家熈(予楽院)が蒐集した古今の名筆を貼り交ぜたもの。(国宝)

美しいなあと思ったのは、和漢朗詠集をとりどりの料紙に書いた「倭漢抄」。(国宝)
特に仮名の美しさはたとえ読めない私でもわかります。
文字までも美術品にしてしまう文化って日本の他にあるのでしょうか。


そしてお茶を嗜む物としてこれだけは!と思っていたのが予楽院遺愛の茶杓箪笥。
天皇御自作のものから、利休、紹鷗、光悦、織部、宗旦、金森宗和、細川幽斎・三斎、、、、作の31の茶杓がおさめられている小箪笥。
1本でも垂涎なのに、こんなに、こんなに、、、
予楽院さんは茶人としてもすごい人だったようです。

それから香道の道具(蒔絵がふんだんにほどこされたもの)がとてもすてきなのでお見逃しなく。

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博物館のお庭ではツツジが見頃を迎えています。

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さて、あまりの仮名の美しさに、少しでも読めるようになりたい、意味を解せるようになりたいと、(まあ、前々から思いつつなにもしてこなかったんですがね)、ちょうどみやこメッセでゴールデンウィーク恒例の古本市をやっていたこともあり、こんな本をゲット。
まあ、どこまで活用できるかは疑問ですけれどcoldsweats01

2012年5月 2日 (水)

日本伝統文化を伝えていくこと〜滌源居にて

(えらく大仰なタイトルをぶちあげましたが、私はたいしたこと書いていません。アシカラズ。でも今日ご紹介するお二方の情熱はホンモノです。)

先日、私の現在興味があることど真ん中、ストレートの催しがありました。
茶道の他流(私はお裏さんなので)と能楽。

これがとびつかいでおられようか。

しかも、、、

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「おっとこ前茶会」!
講師はいずれも「男前」なのね。(ほんとうにお二人とも男前だったのlovely
これで心はわしづかみcoldsweats01


開催場所はなんと!
茶道速水流のお家元邸・滌源居(てきげんきょ)。
めったに入れる場所ぢゃありません。

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速水流は初代が速水宗達、裏千家八代・一燈の弟子であった方ですが、その一燈をして「おそろしいやっちゃ。」とうならせたほどの茶人であったようです。

もともとは御典医をつとめた医師であり、光格天皇の弟・聖護院宮の茶道指南をつとめたことからお公家さんとの関係が深く、御所風、公家風の茶の湯を確立していったそうです。

私の郷里、備前岡山もお茶の盛んな土地柄なんですが、備前池田藩の茶道指南をしていたのがこの速水宗達さんだったんですね。知らなかった。


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お集まりの皆様もきちんと色無地等、お茶の正装で。

それにしてもすばらしいお庭。
速水家は洛中を転々とされたそうですが、この滌源居は戦後に建てられたものとか。


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西園寺邸から移築した腰掛け待合いを使い、めずらしい立ち蹲居を使わせてもらって、八畳の広間に席入りします。

お茶の講師は速水流若宗匠。
なんと娘と同い年。

う〜ん、、、私がお茶を始めたのは、この若宗匠が生まれる前からだったんだがな〜。
背負っている物が全然違うとはいえ感慨ぶかい。

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お茶の歴史、速水家の歴史などお話しを聞いたあとでお薄一服いただきます。
若宗匠が点てたお茶をいただけるなんて、組織が大きくなりすぎたお裏さんでは考えられないこと。
感激でした。

お点前は裏千家にほんとうに近いのですが、微妙にちがうところもあり、興味津々。

お正客が陶芸家で、速水家にもたくさん納品されている浅見五郎助先生。
主茶碗の高麗三島の話や速水家に伝わる歴史あるお道具のはなしなど、たくさんお話し下さって、とても興味深く勉強になります。

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これが速水流の特徴の一つ、二色の帛紗。
十二単の襲の色を参考したもので、たくさんのコンビネーションがあるようです。
これは緑と黄色で「橘襲(だったかな、、、)」。

このあたりも公家風、でしょう。

お若いですがたがわず「おっとこ前」の若宗匠、茶の湯への思いを熱く語ってくれました。

後半はお能。

大広間には能楽の衣装が飾ってあります。


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能の衣裳は唐織りといって、刺繍のように色糸を浮かせるような織物が多く、この衣裳も唐織り。

なのでお能と聞いて、私は唐織りの帯を締めて参りましたのよ、おほほ。

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お能の方の「おっとこ前」の講師の先生は、これまたほんまにおっとこ前の観世流シテ方能楽師・吉田篤史さん。
一般に敷居の高すぎる感のある能楽をもっと多くの、とくに若い世代にもってもらおうと、いろいろな活動をされておられます。


最近、お茶をやっていて、道具の銘や意匠に能楽をしらなければわからないようなものが多々あることに気づいています。
例えば西洋文学を理解するには聖書の知識が必要なように、能楽の知識もなければ日本伝統文化への理解が浅くなるような気がして、能楽も見ないとなあ、、、と思いつつ、、、あれみてると時々意識がなくなるのよねcoldsweats01


まずは息子さんの坊やが袴をつけて仕舞を一曲。
こんな小さな子供なのに、きめるべきところは決めて、大拍手。
きちんと教育、しつけをすれば小さい子でもこうなる、という見本を見せていただきました。

能楽師は基本世襲なので、将来このあどけない坊やもりっぱな能楽師として活躍するのでしょうねえ。


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次は参加者の中から数人選んで、仕舞の一続きの動作を実習。

今回は平家ものの「経正(だったと思う)」。


西海の果てに沈んだ平経正(清盛の弟、平経盛の長男、敦盛の兄)の亡霊が、剣に見立てた扇をしゅぱっと抜いたりする殺陣のような所作。
以前見た「筒井筒」のような感情を抑えた所作は、ちょっと意識がとんで〜、、、、coldsweats01、ですが、こういうのはかっこよいので、私のような素人にも受けますわ。


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さらに参加者全員で「経正」の謡のひとくさりをご指導をうけながらうたう。
聞くだけでなく、自分で発声することで謡のリズムがより身近に感じられるようになり、これはのちに帰宅後もちょっと独唱してみる。

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さらに経正の能衣裳を着付けていく課程をすべて見せていただきました。

着付けながら、平家ものと源氏ものの衣裳、意匠の違いも教えていただきこれは勉強になりました。
今年は大河が平清盛だけあって、平安神宮薪能もそれに関連した演目が多いので、見るときの参考になります。

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平家:公達なので貴族的な優美な意匠の衣裳で、面も白いもの。烏帽子は向かって左へ折れる。扇は海に没する日輪(負け組だし)
源氏:武士にふさわしく勇壮な意匠。面は日焼けしたような色。烏帽子は右へ、

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面もつけるとよみがえる経正公の亡霊。
舞いも迫力あった〜!

最後に吉田さんの熱い思いを。

能楽は第1回目の世界無形文化遺産に選ばれ、その後2回目で浄瑠璃文楽、3回目に歌舞伎、、、、と立て続けに文化遺産を輩出しており、そんな国は日本をおいて他にない。

なのに、日本に暮らす日本人ほどそういう伝統文化に無関心になってしまっている。
長い歴史を持つこのような文化を次世代に伝え継ぐためにも、ひとりでも多くの人たちの伝統文化への入り口になるような試みは続けていきたい、と。


入り口はなんでもよいのだと思います。
私のようにお茶であったり、華道、香道、和楽、、、着付けでもいい。
ひとたびそこに入り込んだら、他の日本伝統文化はずるずると芋づる式についてくるのですから。

たとえば、扇の要一つ作る職人がいなくなったら扇は作れず、扇がなければ能も、舞いもなりたたない。
反物の染めの課程のどこが廃業になっても着物は作れない。
着物がなければ、、、、なりたたない伝統芸能はたくさんありますよね。

この会にご参加の皆様はお若い方が多くて(私は平均年齢をぐっとひきあげてましたが)、そういう方達が茶道や能楽に多少でも興味をもって集まった、ということはとても頼もしく思えました。

ご参加のおひとりに、小学生の子供さんを、子供向けの文楽講座や能楽講座に参加させている、というお母さんがおられました。
その子が大人になって、たとえその道に入ることはなかったとしても、日本文化に親しみや誇りをずっと持ち続けているだろうなあ、と思うとすばらしいことだと思います。

私は子供には失敗しました。(なにせ仕事がいそがしすぎた、、、と言い訳)
なので、(まだみぬ)孫にはこんどこそ!とかたく誓いましたわ。

それより前に、近所にありながらなんとなく足がむかなかった観世会館定期公演、見に行かなくちゃ。


最後に、このような機会を与えて下さった方々に深く感謝いたします。