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2012年3月29日 (木)

映画「道〜白磁の人」公開記念講演会

2年前の夏、高麗美術館になにげなくでかけて、そこで浅川兄弟と初めて運命的な(と、個人的には思っている)出会いをしました。

日本統治下の朝鮮に暮らして、当時の人だれからも見向きもされなかった朝鮮白磁の美しさにうたれ、その研究に朝鮮全土を歩き研究に生涯をささげた兄・伯教(のりたか)。朝鮮の服を着て、朝鮮人と同じ暮らしをし、朝鮮人に一番愛された日本人といわれ、朝鮮人に惜しまれながら夭折、朝鮮の土となった弟・巧。

彼らについては関連書籍も含め、かなり力をいれて一文をものしたので、ちょっとだけ抜粋。

    *     *     *


巧は流暢に朝鮮語を話し、いつもチョゴリ・パジ(民族服)をきてマッコリを飲みソルロンタンをたべ、多くの朝鮮人の友人がいた。彼のわずかな給料は、貧しい家の子供の学費や、生活に困っている家の生活費として消えていったという。

人間的あたたかさ、やさしさ、おもいやりの心をもった、どこか茫洋としたこの青年を、朝鮮の人々は愛したという。

彼の家に遊びにきた朝鮮人の娼婦が同じく朝鮮人の警官とけんかになり、それを尼さんがなだめる、、、という場面もあったそうで、彼の交際は身分など関係のないものだったことをしのばせる。

今の時代でいうと、どうということもないと思えるかもしれないが、かの時代、軍人が電車で座っている朝鮮人の老人をたたせて席を横取りする、ということが平気で行われていた時代の話なのだ。

しかもあまりに流暢に朝鮮語を話し、どこからみても現地の人に見えた巧は、ときに日本軍人に理不尽なしうちをうけたそうだが、決して「私は日本人だ。」と言わなかったそうだ。朝鮮人がそういうときにするように、何も言わずそっとその場を立ち去った、という。

声高に、日本の朝鮮支配を批判したわけでもなく、政治とは無縁の人だった。
ただ、ただ、朝鮮を愛し、その失われてゆく文化、芸術を惜しみ、そして朝鮮に愛された日本人だったのだ。


    *     *     *


出会ってからは、彼らに関する本を読みあさり、東洋陶磁美術館で浅川兄弟〜白磁は二人を忘れない展が来たときにはうれしくて、また会いにでかけたものです。

私は弟、巧の生き方自身にとても惹かれます。
私の敬愛する宮沢賢治と、その生き方はどこか似ていて、しかも40才前に夭折したところもどこか似ていて。

彼の生涯を伝記風に書いた本「白磁の人」の映画化の話があることは知っていました。
それがついに完成、この6月ロードショーなんですって!

それを記念して、公開前に高麗美術館(浅川兄弟の業績をもっと広めるべく、講演会など多数おこなわれています)学芸員、山本俊介さんのトークショーがあると聞きつけ、行きましたっ!

P1150659

場所は初めて行くJR京都駅南のイオンモール。(でかっ!)

この中のシネコンT・JOY京都で。


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映画のタイトルは「道ー白磁の人」。
トレーラーをみせてもらいました。

もちろん巧さんには会ったこともないのですが、私の中でこういう人だろうな、、というイメージがなんとなくあって、巧役の俳優さんはちょっと私のイメージとはちがうなあ。
誠実で真面目そうなところはイメージどおりだけれど、実際の彼はお堅い人じゃなくて、もっとユーモアのセンスにあふれた、というか茶目っ気のある人だったんじゃないかな。

それでも当時の朝鮮の風俗など忠実に再現されていて、本編をみるのがとても楽しみです。

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トークショーにどれほどの方が参加されるのかな、と思っていましたら意外とたくさんの方が。
(ほとんど私より年上、、、coldsweats01

若い方にも是非みてほしいものです。
当時の日本統治下の朝鮮の歴史も知った上で。


山本さん曰く、映画では柳宗悦の扱いが小さいのがちょっと残念、と言っておられました。

兄弟の業績は、当時の著名な思想家、哲学者、宗教家、文筆家であった彼なしでは、確かにここまで知られなかったでしょう。

思えば、伯教が初対面の手土産に持参した白磁の壺がなければ、民藝も生まれなかったし、朝鮮民族美術館(当時)の厖大なコレクションも生まれなかった。当時の朝鮮人が捨ててしまっていたその工芸の美しさも歴史の中に埋もれてしまっていたかもしれない。

そのシンボルというべき青花草花文面取壺、柳 宗悦展でも、また見て(実は数回見ているの)、その運命的な出会いに思いをはせたのであります。

高麗美術館では2年前に「浅川巧日記」を歩く、と題したツアーを企画されていたそうです。
巧が勤務した京城(ソウル)の林業試験場、住まいした清涼里、朝鮮白磁のふるさと広州分院里、そして彼が眠る忘憂里(マンウーリ)墓地を巡る旅。

とくに忘憂里の彼のお墓には是非お参りしたいなあ、、と思っているのですが、なかなか気軽に行ける場所ではないのです。
こういうツアーがあるなら是非参加したい(仕事うっちゃっても)!と思っていましたら、今年また企画されるようです。
ああ、これは是非いかなければ!


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<映画HP>
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コメント

浅川さんの映画が出来ているのですね。見に行かないといけませんね。
私は映画は大好きです。しかも韓国の茶碗は大好きです。

ひいらぎ様

私も楽しみにしています。happy01
是非ご覧下さい。(映画の出来の方はわかりませんが)
高麗茶碗、、、、垂涎ですわねえ、、、

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