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2011年10月21日 (金)

高山寺・遺香庵〜懐かしの金堂

もうじき紅葉の季節になると訪れる人がぐっと多くなる高雄〜栂尾ですが、今まだ早いので、それほど人の姿はみかけません、
高山寺

普段は非公開の茶室、遺香庵が11月6日まで特別公開中。
(駐車場、11月から有料になるらしいので、行くなら今かもよ)

高山寺は学生時代、心茶会でよくお世話になり、とても懐かしくてなじみのあるお寺なんです。
夏休みには1週間、法鼓台道場に合宿して、禅僧のような生活(作務、座禅、食事も応量器を1週間洗わずに使う)をしていましたし、茶会前になると青竹を伐り出しにノコギリを持っておじゃましたものです。

いつも入山するのは裏参道。
「心茶会っす!」といえばフリーパスでしたが、さすがに今はできませんわねえ。coldsweats01

国宝の石水院は何度も来ているので、あとで回るとしてスルー。

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まずは遺香庵待合い。
少し小高いところにあります。

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なんと言っても目をひくのはこの鐘ですね。

遺香庵は昭和6年、高山寺の実質的開山、明恵上人の700年遠忌を記念して、その遺香を伝えるために建てられたという茶室なのですが、この鐘にはそれに関わった人たちの名前がずらりと刻まれています。

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一番目立つ場所には設計をした高橋箒庵(益田鈍翁とおなじく実業家であり数寄者)の名前。
その他にもビッグネームがつらつらと並んでいます。(住友、野村、益田、根津などなど)
これをさがすのも楽しいかも。


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こちら、作庭を担当した7代目小川治兵衛さんのお名前。

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遺香庵の内露地にはいっていきましょう。


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蹲居には一足早く紅葉した葉が。

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遺香庵、小間の躙り口。
こちらは四畳台目のお茶室です。
躙り口の右にある花頭窓は禅宗寺院にはよくみる意匠ですが、茶室につかわれるのは珍しいそうです。


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色紙窓、中柱、桂離宮の「月」の襖引き手を思わせる曲線の給仕口。
天井も真(平天井)行(掛込天井)草(落天井)。(あら、写真に写ってませんねcoldsweats01ゴメン)
小間の茶室はかくありなん、というお手本のようだわ。


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陰翳礼賛。
こんな点前座にすわってお茶を点ててみたい。


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小間をぐるりとまわると、隣接するのは八畳の広間の茶室。


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このころから大寄せ茶会というものがはやりましたから、八畳はどうしても必要だったのでしょう。

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こちらの欄間の意匠が山の形。
なんでも明恵上人が修行された山(名前忘れた)を表しているそうです。

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小間と広間をつなぐ鎖の間と水屋。
実際ここは茶会などで使われるのでしょうか。
使い勝手がよさそうな小間広間の関係ですねえ。(つい亭主目線)

さて遺香庵をあとにして、さらに石段を登っていきます。


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まあああ、、、なつかしい、ウン十年ぶりの道場、ちっともかわらないのね。
ここで毎夏1週間お泊まりだったのです。
今でも学生の特別接心会、ここで行われているようです。

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昭和30年代に作られた、高山寺に伝わる古文書、宝物をおさめる法鼓台文庫。
平成17年にはこの中におさめられていた葛籠から、南方熊楠の書簡が発見されたそうです。


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金堂へ続く道。
特別接心会では1日に何回も坐禅をしに金堂までのぼるのですが、早朝と夕暮れの坐では懐中電灯持参でこの道を行き来しなくてはなりませんでした。

あまりの暗さに道に迷いかけたり、得体の知れない動物の声がこわかったり、、、
それでもそんな聖なる山に包まれた中での参禅はまた格別でしたね。
とくに早朝、まだ薄暗いうちから初めて、少しずつ白んでくるあたりの景色を見るのが好きだったことを思い出しました。
長いこと忘れていたな、そんなこと。


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金堂への道の途中に明恵上人の御廟があるのですが、そこの前庭にある、上人遺訓の「阿留辺幾夜宇和(あるべきようは)」石碑。


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仏足石しるべの向こうに、金堂が見えてきました。

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仏足石はこちら。
お釈迦様を慕われた明恵上人が作らせた物だそうですが、これは明治以降の再建。

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ふう、、やっと金堂が見えてきた。

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この中で坐禅させていただいたのですから、今から思えばありがたいことです。
普段は中、はいれませんから。

記憶が少しあいまいなのですが、たしか坐禅と坐禅の間に経行(きんひん)といって、一時坐禅を解いてお堂の外をぐるぐる雁行して回る、というのがありました。(足のしびれをなおすには必須!)


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これがそのぐるぐるまわった床。
(まあ、当時のものではないでしょうが)
懐かしさに思わずすりすりしてしまう。

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おお、この閼伽棚も覚えているわ。
だんだん速度をあげていくので最後は小走りになるため、これにぶつかりそうでこわかった。

最終日に先輩に全員がおもいっきし警索でたたかれたっけ。
(あれ打ち方が上手だとそんなに痛くないんです。私が打ったひとはさぞ痛かったでしょうなあ、、、)

、、、、で、なにか悟ったかって?
coldsweats01
いや、多分、なんにも、、、
不明にして、修行の成果はトホホ、、、、です。


高山寺初めての方は、国宝石水院(鎌倉時代の建築)もお忘れなく。


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こんなかわいいお坊ちゃん(善財童子ですけど)がお迎えしてくれますよ。
(ちなみに明恵上人は善財童子を敬愛されていたそうです)


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明恵上人も樹上でお待ちしています。

もう一つ、忘れちゃならないのがこちら。

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栄西禅師が、宋から持ち帰った茶の実を明恵上人に贈り、上人はこれを栽培し広めました。
お茶が禅の修行の妨げになる眠気を覚ますことに気づいて推奨したらしいですが、おかげで現代の私たちもお茶の功徳にあずかれる、ということですね。

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古くから宇治の茶業家は上人の遺徳をしのび、毎年11月8日に自家製の新茶を献上、献茶式がおこなわれるそうです。


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この季節、つつましやかな茶の花をちらほら見ることができました。

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コメント

行ってこられたのですね。昔 行きましたが あの階段が
(痩せたいのは誰?)
お茶に対する想いが しぇる様はすごいと思っておりましたが 座禅までされたのですね。

知らずに 座禅に出会ったひいらぎは どうやってこの状況から逃げ出そうかと思っていたのとは違いますねえ。

若冲の襖絵を見に行ったつもりが座禅会だったことがあります。後で 友達と大笑いしました。
「何故 皆 襖絵を見るのに 靴下を脱ぐのだろう? やけに若い人が多い。」
案内されたときは ひっくりかえりそうになりました。
しかし 座禅をしてみると 気持ちがよかったです。

そして しかも若冲の襖絵は博物館に貸し出しでした。

コメントありがとうございました。
ご亭主目線の遺香庵のご紹介、拝見しました。
茶会の人の動きが、鮮やかに浮かび上がります。

それにしても青春期に高山寺で茶道修業とは
珠玉の如き体験となりましたね。

茶道を楽しまれる様子、また読ませていただきます。

明恵上人
法然上人よりも西行上人よりも明恵上人とお会いしたい。
明恵上人といえば
重要文化財に指定されている運慶作木彫の「犬」
「我ナクテ後ニシヌバン人ナクバ 飛ビテカヘレネ鷹島ノ石」
「夢の記」
などを思い浮かべます。
しぇる様が高山寺で参禅されたという記事を拝見し、
大変うらやましく思いました。

ひいらぎ様

座ることによって悟りを開くようなことはなく、若い身にはただただ足のしびれがつらい坐禅でした。歳を経て、人生の経験値が少し上がってからの参禅はまた少し違うかもしれません。また挑戦しよう。
茶道の根底にはやはり禅的思想は不可欠だと思います。私はまだ理解しているとは言い難いですが。

yuyu様

こちらまでおいでくださり、コメントありがとうございました。
確かにここで参禅した経験はなにものにも代え難い、とこの歳になってしみじみ思います。当時の自分はほんとうになんにもわかっていなかったなあと思うことが多くて。もう一度今、あの経験ができればなあ、、、と思います。
おでかけされる場所がなんとなく似通っているので、ブログ時々参考にさせてもらっています。これからもお邪魔しますね。

野中の清水様

明恵上人の名前や茶の木の話はよく知っていても、その伝記はほとんどしりませんでしたので、あわてて調べてみました。
偉いお坊さんにはちがいありませんが、少々ユニークな方だったようで、底がまた魅力なのでしょうか。
運慶の犬も展示されていましたよ。
「あかあかやあかあか、、、、、あかあかや月」
の歌は知っていましたが。
今から思えばほんとうに貴重な体験でした。もっと主体的にあの1週間をすごせていたらなあ、、、と後悔することも多いです。

紅葉前のしばしの静寂ですね。
この山深さが丁度良いと自分も
感じた事がありました。
残念ながらお茶室は拝見できませんでしたが
今回、お写真で拝見できました。
侘びの中の雅を感じる良き席ですね。

ほんと、学生時代の修行!すごいですね~。お茶の精神、というか、そういうところから経験させるその会もすごいと思います。
観光シーズンでなければ、ひっそりとしていますよね。あああいう感じ、とっても好きです。

僕は明恵上人にアシジの聖フランチェスコと
似たものを感じています。
島に手紙を送る明恵と、鳥に説教をする聖フランチェスコ。
ともにユニーク、他とは置き換えられない
たった一人の存在ですね。

nageire様

ここをさらに奥深く行けば北山杉の里で、それでもまだ京都市なのにはびっくりします。高山寺はぎりぎり私の中では(京都)市内ですね。
遺香庵は数年前にも公開されていたようです。また機会があると思いますので、一度実際におでかけください。
静かで良い雰囲気でしたが、来月は多分大勢の方がこられてにぎやかになることでしょう。

ちゃみ様

そうなんです。人がいない、、、というかほんとうに一人っきりの時もありました。昔は紅葉も高雄まではたくさんの観光客が来ましたが、栂尾まで行く人はそれほどいなかったのです。今はどうでしょうねえ、、やっぱり多そうですねえ。
はい、心茶会で身につけたものは(不完全このうえないですが)今でも私の茶道のおおきなバックボーンであります。出会えたことに感謝しています。
それにしても本来茶道クラブなのに、その実坐禅とお掃除倶楽部、、、だったんですよ。coldsweats01

野中の清水様

なるほど、聖フランチェスコですか。
華麗な僧装束をまとった栄西禅師が、粗末な僧服の明恵上人を見つけて厚遇した、、、というのはなにやらローマ法王と聖フランチェスコの面会の場面を思わせますかしら。

しぇる様
私はお茶は一に掃除 二に掃除と聞いていますから 心茶会はまっとうだと思います。
また 教えることは修行と母から聞いています。

ひいらぎ様

衣食住にわたる家事、これこそが作務=修行ですね。
お茶=修行でもあるのですから。
来月は心茶会の錬成茶会があります。毎年出かけては心を改めています。

今夏の接心会から帰った時の息子、「ほとんど掃除think」 と言ったきり、それ以上の解説が無かったので全容が解らなかったのですが、やっと解明! ものすご良い経験させてもらったのですね! いずれ、じわっと効いてきますかしら?

ぴお様

今はまだわからんでしょうねえ、、、そのありがたみが。
中年になってからきいてきます、きっと。

初めまして、こまちと申します。
ももこさんのところから伺いました。

シェルバンさんは21日に高山寺に行かれたのですか?
こまちは20日に東京から朝到着し、そのまま神護寺、西明寺、高山寺と歩いて参りました。

お茶はたしなまないのでお茶室のことなどよく解らないのですが、こんな所でゆったりとお茶を頂いたら至福の時になるんだろうな~なんて考えていました。

石水院ではあまりの暖かさに、善財童子の前でうたた寝をして、とっても気持ち良く目覚めることができました(笑)

またお邪魔いたします。

こまち様

はじめまして。
はるか東京からコメントありがとうございます。
高雄、槙尾、栂尾を徒歩でですか?coldsweats02
すばらしい!
御健脚でいらっしゃいますね。
20,21日はまだあまり人はいなかったので、ゆっくりされたことと思います。時間に余裕があれば、私も善財童子さんの前でうたたね、してみたいですね〜。

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