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2011年9月

2011年9月30日 (金)

錦秋のころ〜野村美術館定期講演会第4回

彼岸花というのは、いままで何もなかった場所に突如としてあらわれる、、、という印象。

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このいつも通る道に突然現れた、あざやかな彼岸花の一群れ。

うれしい驚きです。


夏の間、暑くてご無沙汰していた野村碧雲荘周辺の散歩道ですが、もう秋の気配がほのかにただよっています。

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細川様のお屋敷の楓もほんのり色づいてきました。

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  なびきかへる花の末より露ちりて萩の葉白き庭の秋風  (玉葉集)

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秋雨にしっとり、野村美術館へ通じる疏水分流。


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分流べりに群生しているマメ科とおぼしき花。
秋らしく、派手やかさはないけれど、群れるときれい。

名前がわからんのです。
こんな花なんですが。
(Ishii様、 nageire様のおかげでアレチヌスビトハギという帰化植物と判明いたしました)

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さて、夏の間おやすみだった野村美術館の定期講演会、4回目になります。


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少し早めにでかけて、この秋のテーマ「錦秋のころ〜月・菊・紅葉を愛でる」を拝見。

秋にちなむ道具がまんべんなく。
いいですねえ、、、、、ため息。
さすがに野村得庵、趣味がおよろしいわ。

二畳の茶室仕立ての展示室に、秋の茶会の見立ての道具組があり、やはり茶道具はこうやって他の道具とのとりあわせ、バランスでみせるものだと思いました。
単品をぽんと展示されているより心に残ります。
天明の車軸釜が抜群の存在感でした。

野村の主席学芸員、谷先生は現在韓国茶道にこっておられるようで、地下の展示室では韓国茶道についての展示があり、それに付随して、野村所蔵の高麗茶碗がいくつか展示されています。
井戸茶碗、、、ええですねえ〜lovely

神の器の作者の申 翰均さんの現代ものの高麗写しもよいですよ。


講演会の前には恒例の、野村所蔵茶道具による呈茶。

お軸は片桐石州の「塘蜍送花影」。
(月に住むといわれる塘蜍=ヒキガエルが何の花かは知らないが、月の花の影を送ってきている)

花器がこれまたすごくて、3〜4節の尺八のような竹の一番下の節に口をあけ、萩の花が投げ入れられていました。
いいなあ、、、これ。
藪内流(徳庵さんはこの流派)清隠斎による。

銘も「猿猴捕月」とは。

これまた普段はガラスの向こうになるような茶碗で一服、私には江戸時代の絵唐津があたりましたよ。

本日の演者は大徳寺別院・徳禅寺のご住職。
徳禅寺を明治維新の荒廃から建て直した、かの立花大亀和尚のお弟子さんになります。

実はこの和尚さん、以前淡○社のお稽古茶事の節におめにかかっています。
裏千家茶道学園の茶事指導をされていた関係から、お茶との関係が深い方のようです。

今回の講演は和尚が徳禅寺へいはることになったいきさつや、師の大亀和尚の話、徳禅寺の由来、利休の禅修行はどのようなものだったかを古書から読み解く、、、というものでした。
有名な考案や、禅にまつわる逸話を知っていないと、ちょっとむつかしい内容です。

前から大徳寺のかたすみにある徳禅寺については、なんでわざわざ○○院という塔頭ではなく独立した寺なんだろう、と思っていました。
和尚の話によると、徳禅寺開山の徹翁義亨(大燈国師の法嗣)が、もし幕府に大徳寺がつぶされることあらば、(紫衣事件などありましたし)ただちに徳禅寺を切り離して独立させ、ここで大徳寺の流れを断ち切らないですむように周到に用意したもの、ということです。
やっとその役割について納得。

さらに徹翁和尚は大徳寺直系の弟子僧侶すべてに「宗」の字をつけたことから、お茶名の宗名をつけることになったのではないか、とのこと。
私たちの茶名の由来をやっと了解。
大徳寺で参禅された利休居士の如く、われわれの茶もまた禅思想からかけはなれてはいけない、ということ。
長い歴史のある宗名、その名に恥じぬよう、その重さを感じつつ精進精進。

2011年9月26日 (月)

巡る月を愛でる初茶事

少々失敗はあれど、なんとか初のお茶事をのりこえました。

とてもうれしい。
自分で茶事ができたことが。

でも今回は、家と茶室を設計してくれたI君のお手伝いなしにはここまでできなかったです、ハイ。
ほんまにありがとう。有能な助っ人に感謝です。
茶室は使われてナンボ、使ってみてナンボですから、是非今後の茶室設計にいかしてくださいませ。


今回、初めてのクセに一人前に茶事のテーマをそこはかとなく、ちりばめてみようと思い立ち、なににしようかな、と。

お正客は裏千家の教授の免状をもっている友人なのですが、彼女に以前頂いたこの京焼茶碗を薄茶に使おうと思って、この三日月みてひらめきました。

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そうだ!
月だ。
仲秋の名月は過ぎたとはいえ、まだ来月には豆名月(十三夜)があるではないか。


テーマはあからさまではなく、そこはかとなく、、、が理想。
そしてお客さんに読み取ってもらえればなおうれしい。

さて、茶事のお客様をお迎えする前の水屋は大忙し。

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水屋スタンバイOK!

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蹲居もOK!


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露地もOK!
(この日は結構暑く、水をまいてもすぐ乾いてしまうので、何回も水打ち)

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後座で巻き上げる簾もOK!

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なんとな〜く苦手でどうしようと思っていた、煙草盆の火入れ、なんとI君、完璧に仕上げてくれているではありませんか。
亭主の立場を忘れて「らっき〜happy02」。

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灰型も(ま、なんとか)OK、、、、coldsweats01

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この秋、最初で最後の単衣でお客さんのご到着を待ちます。


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まずは玄関で虫籠から逃げ出した風情の鈴虫がお出迎え。

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待合掛けは阿以波さんの京団扇。
十日ころの月に秋の野。

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書院飾り、、ではないですが、そっと小谷真三さんの倉敷ガラスも飾ってみました。

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初座。
軸は、茶室開きには絶対掛けようと思っていた、茶の道の心の師匠、久松真一の「随所作主」。

随所に主となれば 立つところ皆真なり (臨済録)

座右の銘でもあります。

さて、ここで大失敗。
「どうぞお入りを」を待っていたら、お正客さんに「釜がかかっていませんが、、」と言われましたcoldsweats02

下火がうまくつくかに心奪われ、迎え付けの前にぬれ釜をかけるのをすっかり忘れておりました!!shock

でもこれであとはひらきなおれましたわ。

まずは点心(外注)

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点心と言うより、懐石フルコースくらいのボリュームがあります。
しかも、、、
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蒸し物、向付は別についてきたので、蒸し物の汁を温める必要性が、、、。

こういうとき、狭い水屋だけでは対処できなかったと思うのですが、隣接する多目的スペース(?)の八畳がとってもお役立ち。

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初炭もなんとか下火がうまく熾ってくれて無事終了。

小間ですので、念願の座箒も初使用。


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香合は秋野、上半分の白っぽいところが月の存在を思わせる虫籠香合。


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主菓子はとらやさんの「栗小餅」。
これも満月、、、かな。
縁高をもっていないので、菓子碗に入れてお出ししたら、蓋をあけると栗の香りがふわっとしてよかった、というお言葉。
よかった。でもこれ怪我の功名?

中立のとき釜を上げたら、われながら見事に炭が熾っているので、とてもうれしかったです。
なにしろ一番の懸案でしたから。


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これでアツアツの濃茶が練れそうです。

いつも炭をあつかい慣れている方にはお恥ずかしいのですが、なんとかこれで今後も電熱にたよらないお茶ができそう。


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後座のおしらせは、ひいらぎ様からお借りした銅鑼で。
銅鑼の音はよいですね。
余韻を楽しみます。


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後座では軸は片付け花を飾ります。

じつはこの花器、満月に見立てて。

花は山芍薬の実と薄。

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なにかインパクトのある花がほしい、でも花の端境期であまりない、、、と最後までなやんでいたのが花でしたが、ある花屋さんで見て、これだ!と思いました。

春先に咲く、可憐な白い花から想像できないくらいの実でしょ?


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点前座。

なんと濃茶も(だまができず)われながら良い煉り加減、むふふ。
いや、お茶(上林の初昔)自身の手柄でしょうか。

続き薄で先ほどの三日月の茶碗、ほどよい華やかさの秋の茶碗をおだししました。

実は写真に取り忘れましたが、お干菓子は亀廣保さんの、すはまのエンドウ豆、打ち物の菊を。

豆=そう、豆名月のおまめさんのイメージで。


とどめは、、、、この蓋置。


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うふふ、、、
月に住むのは兎ですものねえ。


I君にも入ってもらって、薄茶席はなごやかに、茶席の由来などもお話ししながら。

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なんとか無事に亭主をつとめることができました。
I君の手助けと、なによりよいお客さんに恵まれましたので。

教授のY様、席中でのご指導ありがとうございました。
あ、でも高校の同級生なんで、実は同い年coldsweats01

遠くからおいでくださった、そらいろつばめ様、
やっと昨年おまねきいただいた茶事のお礼ができたでしょうか。

前社中のなかで一番茶道に熱心で、一番お茶を熱く語れるW様、
今回は2回目(前回はお茶のみ)のご来席になりました。

よいお茶友にめぐまれたことに幸せを感じます。
(あ、今度は是非招待してね。なにげにリクエスト)

ちょっとだけ変な?自信をつけたので、また茶事、どんどん開きますわよ。(たぶん、、、)
それにしても茶事の楽しみは亭主7に客3とはよくいったもの。
あれこれ悩むのも楽しみのうち、と悟ったのでした。

殺伐たる日常のあいまに、こんなふうにみやび・ふりゅうを愛でる世界をもてることはなんと人生を楽しくすることか。

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(そらいろつばめ様のみごとな綴帯。お義母様のものだそうです)

お茶事がすんでも、お三方ともお互いに初対面でいらしたのに、話がはずむこと、はずむこと。
これもお茶という共通言語あってのことですね。


2011年9月24日 (土)

北村武資「織」を極める〜京都国立近代美術館

薄物の織物に「羅」というものがあるのは知っていました。
でもどんな織物なのかといわれると、漠然としたイメージしかなかったのです。


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紗のほうは着物にもよく使われますし、織り方もまあ粗めの格子状と考えればいいので、なじみがあるのですが。

羅は古代中国ですでに織られており、日本に伝来後は主に貴族の冠などに使われていたそうです。
ところが京都人のいう「さきの戦争=応仁の乱」coldsweats01で、その技術伝承はとだえ、その後散逸してしまったのだそうです。


その古代の織りともいえる羅を研究し現代に復活させたのが、ただいま岡崎の国立近代美術館で展覧会開催中の北村武資さんなのです。
それによって、かれは「羅」の人間国宝になられました。

羅の織り方のイメージはいうなればストッキングの織り方に似ているかもしれません。

自分のイメージではもっと粗い目の織物だったのですが、この展示をみてその認識を改めました。

もう、、、なんというか、天女の羽衣?

それこそストッキング並の目の細かさ、多分手に触れても重さを感じないのではないかと思うくらい。

しかも彼の織る織物は「文羅」といって、その細かいなかにも繊細な紋様を織り出しているのです。

その透き通る軽さが身上なだけに、展示にもそれが感じられるような工夫がされています。

下から光をあてる、天井から吊して、微風にゆらゆらさせる、など。

もうため息がこぼれます。
美しい羅の林の中を逍遙している気分。
(上記の北村武資のリンクから、会場風景がみられますので、是非のぞいてください)

その細かい文羅の一部を雰囲気だけでも、フライヤーの拡大でご覧下さい。


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展示の中にはこの羅で仕立てた塵よけなどがありましたが、こんなのとてももったいなくて、塵よけの上にもう一枚塵よけでカバーしたくなりますわねえ。

一度羽織って、その軽さ、涼しさを体験したいものです。

それにしてもどれだけの手間がかかっているのでしょう、この文羅一反を織るのに、、、

さらに、北村さんは羅だけでなく、「経錦(たてにしき)」という織物でも人間国宝なのです。

これは羅とは対照的にみっちり織られた織物です。

イメージとしては古帛紗や仕覆の裂地のような感じでしょうか。

これも古代からの織物で、正倉院につたわる織物に見ることができます。

数種類の色糸を縦糸として、そのうちの1本だけを表に織り出し、縦糸で紋様を織るのだそうです。このとき他の色は裏にまわるため裏も色違いのきれいな紋様になります。

これは技術的にむつかしく、縦糸の色数も制限されるので、現在ではほとんどの織物が緯錦(よこにしき:横糸で模様を織り出す)。


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これはフライヤーではうまく表現できませんね。

本物を見たイメージは、源氏物語の姫君たちが一番上にお召しになっていた唐衣、、、でしょうか。

これまた羅とちがった、気の遠くなるような作業です。
それがため息ものの美しさで、、、。

こんなすばらしい着物、帯、どんな方がお召しになるのでしょう。

これだけ手間がかかり、高度な技術が駆使されているのですから、その価値はよくわかりますし、お値段も上がっていくのは当然のことでしょう。
ただ、庶民の手にはちょっと届きそうもない。

思えばこのような織物を古来身につけていたのは支配者階級、富裕層でありましたね。
そういう層がうすくなっていく日本に、この先需要が確保できるのか、老婆心ながら心配したりして。
(庶民階級に心配してもらわんでもいいって?coldsweats01

ああ、でもすてきlovely


2011年9月22日 (木)

ISO乙女会〜先斗町・卯月で川床堪能

なんということでしょう。
いつもお出かけの相棒、デジカメを忘れるなんて!

、、、、というので本日の画像は携帯画像なので、はなはだ不満でおはずかしい。
なにせちょっとばかり旧式なので、フラッシュ機能もありませんので、くらくなってからのお料理の写真はありませんの。
(しかも本分と写真、ずれてます。よみづらくてゴメン!)


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夕暮れまぢかの三条大橋。

蒸し暑い日でしたので、欄干にとまるようにして大勢の人が涼をとっていました。

連休なのでかなりの人出です。


*  *  *

本日はまたまた2ヶ月ぶりのISO乙女会、ISOJI乙女がつどいて、飲んで食べてしゃべってのお楽しみ。

今回はほぼフルメンバーで。


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たそがれの先斗町は大勢の人が行き交いますが、ここにきたのは何年ぶりでしょうか。

ほんに久しぶり。

知らないお店ばっかりだわ。

*  *  *

特にえらい行列ができてるお店があって、何かと思えば、ふわふわの雪のようなかき氷を供する茶寮ぎょくえんでした。


うわさには聞いていましたが、すごい。

まあ、来年の夏はチャレンジしてみようかな。


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卯の絵がかわいい暖簾が本日の会場、先斗町・卯月


川床があるらしいので、そこを予約。


*   *   *

実は前日大雨、当日も小雨がぱらついたり、こりゃ今日の床はなしだわ、、、と思っていたら、しっかりお天気はもってくれて、川床を楽しむことができました。


どなたか、最強の晴女がおられるようで。


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こちら卯月は卯庵グループの中では一番カジュアルなお店です。

大原の卯庵さんは1日1客の茶懐石がいただけるし、紫明の卯庵さんは元は随筆家・岡部昳伊都子さんが住んでおられた大正時代のお屋敷だし、まあちょっとお高いのはなんですが、一度いってみたいですね。


*  *  *


この写真ではさっぱりわかりませんが、格子戸の上の欄間は波兎になっていて、なかなかの時代のもののようです。


こちらはいわばウェイティングルーム、ここから鴨川の方に向かって奥に入ると、、、

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黄昏の川床です。

*  *  *


*  *  *


鴨の川風(ほんとうは蒸し暑い)、くれなづむ東山、ああ絶景かな。

けれどビールがでてくるころには、だれも景色なんて見ちゃいね〜happy02

*  *  *


後期妙齢乙女5名、しゃべるわ食べるわ飲むわ、、、、

話題はあっちへとび、こっちへとび、なのにしっかりわかる。なにせ同じ世代ですから〜。


  *   *   *

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こちらは室内の席を川床から見たところ。


*  *  *

ちょっと、南こうせつや井上陽水、吉田拓郎の歌で盛り上がったあたり、いつのころに青春してたかまるわかりですよね。

あのころはみんなが同じ歌を知っていたような、時代の共通項というものが大きかったと思う。

ある意味、いい時代に青春してました。


*   *   *


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と、いっているまにあたりはすっかり暮れて、東山も見えなくなりました。

*   *   *

*   *   *

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とはいえ、私たちの世代は子どもたちのこと、老親のこと、まだまだ中心になって支えないといけない世代です。

それぞれいろいろ事情は異なりますが、日常たいへんなことはいっぱいあります。

それでもこんなひとときがもてることは、ありがたいことであります。

*  *  *

あ、、、とうとう1枚だけのお料理の写真をだしましょう。

*    *    *


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お造りなんですが、山芋のうさぎがキュートでしょ?


*   *   *


ぽん様夢風庵様みゅう様花咲おばさん様、ありがとうございました。


で、早速次回は日程を早めに決めて、予約の取りにくい某割烹へ、ぽん様のお顔でGo!、、、の予定ですのhappy02

2011年9月19日 (月)

The Road to the 茶事

、、、というほどたいそうなことではありませんが。coldsweats01

今回は懐石は外注するので、(多分)大丈夫。
(自分で手作りの懐石をお出しできるのはいつの日でしょうか、、、、)

お招きした方々もみなさま、私より茶人としては先輩でお茶名をお持ちの方ばかりなので、へまをしても胸を借りるつもりで。
水屋の方も有能なお手伝いさんをゲット。

露地の掃除は前々日・前日勝負!

でもね、、、、

一番の問題は、炭がちゃんとおこるかどうかなんですよね。

風炉の灰と炭おこしのシミュレーションをして、問題点がぞろぞろ、、、、shock


まずは手持ちの風炉に灰をいれてみましょう。

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底に奉書を敷いて、底瓦を設置。

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底取りで灰をいれていきます。
間の封筒は何かって?

ふふん、これが以前いった灰型講習会でおそわった秘伝(?)です。
こうしておくと、風炉とのすきまに灰がこぼれないのです。

ざっと二文字押し切りを作ります。
ざっと、ですよ、ざっと。(いいわけ)coldsweats01

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実は手持ちの風炉は、現在おそわっている灰型教室のものよりやや小さいことが判明。
使い慣れた灰匙が五徳とのすきまに入らない、、、、
少し小さめの灰匙を使うとへんに筋がはいるし、、、、
本番までに少し練習しておかねば。

とりあえず、見える前面だけもなんとかかっこつけないと。


そして炭がついてなんぼですので、種火を入れてみる。

sad!!
家庭用のガスレンジには安全装置がついていて、炭おこしをのせてしばらくすると火が消える!

えらいこっちゃ!
ではカセットコンロはどうか。
これも炭火自体が発熱するので、最悪ボンベ破裂するため「使用しないように」と。
これまたえらいこっちゃ!
ど〜しよう。
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ちなみにびびってちょっとだけ熾した炭だと、このように、、、、、消えちゃいました〜!crying


、、、、と思っていたら、お茶の諸先輩方から貴重なアドバイスを。
ま、これはここに書くとちょっとアレcoldsweats01なので書きませんが、なんとかなりそう。


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そのアドバイスにより、、、ちゃんと炭、熾りました。
紫色に見えているのは高熱だからなんですよ。


お茶事のメインイベント、濃茶をねるにはやはり熱いお湯が必要。
そこが一番の問題。
あと炭点前でちゃんと火が熾るのかどうか、、、

なにもかも初めてづくし、失敗も多々おこるような気もしますが、とにかく前進あるのみ。
一度これをのりこえたら、楽しい茶事の世界を思いっきり楽しめそうな気がします。

今でも、水屋にこもってあれこれ道具あわせをしたり、使いやすいように考えるのは楽しい時間です。

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あれやこれやでひっくり返る水屋。

水屋仕事というのは本当に大事。
お稽古場によっては炭をさわらせてもらえないところもあるようですが、さいわい釜の片付け、消し炭の処理までやらせてもらえているので、これはありがたいです。
日ごろから裏の仕事まできっちりやっていないと、茶事はできないなあ。
まさしく禅僧の作務のようなもので、これも修行と思えば。

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この茶事のために買った塵箸。
露地の塵穴(ゴミを入れるための穴ですが、実際は使いません。精神的な清浄をあらわす装置・利休さんはこれに見事な椿をいれはったとか。)にいれておくのですが、青竹が基本。(毎回新しいものを用意する)
でも昨今青竹入手はむつかしいし、買えばけっこうなお値段。
なのでこんな年中青いcoldsweats01ニセ青竹の箸を。えへへ。

ついでに煙草盆の火入れの灰もシミュレーション。

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うっ、、、火箸のギザギザが。

前途多難、、、なんて言ってる場合じゃないのですが、本当は。coldsweats02

茶事の準備のために本当は仕事休みたいよう〜。(無理だけど)


2011年9月17日 (土)

弘道館〜茶席菓子展「京菓子から歴史を考える〜若冲〜」

いちどお邪魔してすっかり魅了された洛中のお屋敷があります。

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KBS京都の北を西に入ったところ、上菓子の老舗、老松さんが保存・維持してはる大きなお屋敷、弘道館です。

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長い玄関先のろうじを振り返ったところ。

その建物だけでなく、こちらでは、ギャラリーの他、和菓子のみならず日本の伝統文化に関連したイベントや、講演会をたくさんやってはって、なかなか楽しいのです。
そうそう、月釜や、茶事などもあるんですよ。

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19日までのイベントは、「京菓子から歴史を考える〜若冲〜」。


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お、玄関脇のこのなんとも不思議でとぼけたオブジェは、、、夢風庵様の陶芸のお師匠さん、脇山さとみさんの作品では。
昨年5月こちらで作品展があり、その時見たような、、、)


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入り口をもひとつはいるとこちらが有斐閣・弘道館です。
建物は大正年間に建てられた物。


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全室庭に面するという贅沢な造りで、障子を開けはなつと、すばらしく開放的な空間になります。


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さて、この開放的なお座敷に展示してあるのは老松の若い菓子職人のみなさんが、若冲の絵によってインスパイアされた創作菓子の数々。

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お菓子をみて、ああ、あの絵だな、とニヤリとする物や、一緒に展示されている若冲の絵と比べてなるほど、と思う物まで様々な力作がならびます。

そのうちのいくつかをご紹介しましょう。(小さく添えられているのが若冲のオリジナルの写真です)

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「菖蒲と蜥蜴」。和三盆と生砂糖製。これはこのままお茶菓子に使えそう。


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「南天雄鶏図」。寒天製。3Dです。


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左下は「百犬図」。こなし、またはねりきり製でしょうか。

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「菊花図」。
若冲の墨絵を生砂糖(?)で。
一見、あら器も飾ってるわ、と思いましたがよく見ると、このお皿、お菓子です。びっくり!


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これが一番よくできているかな、と思った作品。
若冲と言えば、すぐに出てくる「群鶏図」、それをこういうメタファーできたか!

☆参考


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さらにサプライズはこちら。


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そう、あの若冲の「鳥獣花木図屏風」の有名な白象!
あれは方眼の目の中に彩色してありましたが、こちらは、、、、


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一つ一つが老松さんの看板菓子、「御所車」ではありませんか!
いやあ、これには感服いたしました。


そしてさらなるお楽しみは、日替わりのミニお茶会なんです。

薄茶席だけでなく、薔薇の茶会なんて魅力的な名前の茶会から、こども茶会、珈琲茶会など。
この日は中国茶会でした。

しかも私とあとお一方だけ、という贅沢な。

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七畳のお茶室にて。

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薫り高い台湾の烏龍茶。
(けっしてサ○トリーの烏龍茶といっしょにしてはいけませんよ。本物の烏龍茶とは全くの別物です!)

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聞香杯で香りを楽しみながら。


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お菓子はお亭主手作り。(なんたって本職ですから)

もう一種のお茶は浙江省の西湖龍井茶(しーふーろんじんちゃ)。西湖の周辺でとれるお茶だけがこの名前を使えるのだそうです。

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こちらは微発酵の緑茶ですので、なじみのある日本の上等な煎茶のような味です。

ちなみにこのお茶は四絶、つまり色、香り、茶葉の形、味が絶品なんだそうですよ。


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おわりに烏龍茶の茶葉を少しわけていただきました。
おうちで、透明なポットに入れて、その丸まった葉が開く様もあわせて楽しもうと思います。

もうひとつのお土産。


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老松さんの季節の上生菓子のカタログ代わりに、和菓子トランプ〜!

2011年9月14日 (水)

cafe 火裏蓮花〜高倉通りあたり

5回来てみて、運よく中へ入れる確率が1〜2回、という難関カフェがございます。

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柳馬場を御池から少し下がったところにあるcafe火裏蓮花さん。

なにが難関なのかというと、まずはすごく細いろうじの入り口がわからずすどおりしてしまう。
でもいちばんの問題は5回のうち3〜4回はお休み、、、なこと。

そう、この不定休がクセモノで、私はなんどこれで店の前まで来ながら回れ右をしたことか。

今日はどうかな〜、、とろうじの奥にどきどきしながら入っていって、カーテンが閉まっていなかったら超らっき〜happy02


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はい、この日は5回のうちの1〜2回にあたったようで、入れましたわ。

こちらも町家を改修したお店です。
玄関近くのあいている席へ。

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火裏蓮花(かりれんげ)とは珍しい名前です。

お店の方のブログによると、「中国の故事による。火の中のような逆境の中でさえ、さらに美しく強く咲く花」、だそうですが、ちょっと調べてみると禅宗の要義を集めた「人天眼目」という書物にこの言葉がでてきました。

「火裏蓮花朶朶開(かりのれんげだだひらく)」

燃えさかる火のなかにも次々と花をさかせる蓮花、、、なんともシュールな光景ですが、ひとたび大悟して自由自在の境地を得た者には火の中にも花は咲くであろう、、、ということでしょうか。

ま、それはそれとして、評判のBピラフ、食べないとね。

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バターライスに唐揚げ、きのこのドミグラスソース。

マスターが学生時代アルバイトをしていた、同志社ちかくの今は無き喫茶店「チルチル」の看板メニューだったそうで、こちらで昔通りのレシピで復刻されたとか。

残念ながらそのチルチルという喫茶店は記憶していませんが、う〜ん、学生にはありがたいおいしくて食べ応えのあるメニューですね。

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コーヒーとプチ・コーヒーゼリーがもれなくついてきます。
ここはね、スイーツも手が込んでいて、泣かせるんですよ〜。
(今回はBピラフでおなかいっぱいだったので、食べられませんでしたが)

そしてここでこんなポスターも発見!

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京町家・風の会さんが毎年主催してはる町家ショップスタンプらりぃ洛中洛外・風散歩

いやあ、今年もはじまるんやねえ。(10月1日〜12月10日)

参加店はカフェ、レストラン、工芸品、本、衣料、などなど多種でいずれも町家。
お店をまわってスタンプを集めて記念品と交換、、、なのですが記念品ゲットよりも、ああ、こんな素敵なお店がこんなところに!と情報をえることができるのが魅力かな。(昨年は2回、記念品をゲット!)

そのなかで、今後にわたって自分の居場所となるようなお店をみつけることができたらもっとうれしい。

ちなみにこの火裏蓮花さんもこのらりぃで知りましたの。


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それにしても、このカフェさえもすごい細いろうじの奥なので、消防車なんか入れないやん、、、と思うのですが、このさらに奥にもろうじが続くのが驚きです。
御池のビジネス街にこんな不思議な空間がかくれているなんて、やっぱり京都やわ。


さて、所用あって高倉通りに沿って歩きます。
高倉小学校(六角下ル)の前で、こんなアートなお家を発見。

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これ、ぶらさがっているのはたくさんの吊り灯籠なんです。
吊り灯籠と、その一つ一つの影がからまって、複雑なオブジェの様になっています。
背景の壁が真っ白なのも、確信的に効果をねらってますね、これは。

もっといいカメラをもってきていれば、ちょっと芸術的な写真が撮れたのに、、、と思っていると、同じ事を考えたらしい方がでっかいデジイチでいろんな方向からこの壁の写真を撮っておられます。
う〜ん、フォトジェニック!
でもなんかのお店?普通のおうち?


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高倉小の南側には、祇園祭の菊水鉾で有名な「したたり」の亀廣永さん。

蛸薬師を西に入って、楽紙館本店へ。
(こちら文化博物館内にも支店あります)

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奉書をもとめに行ったのですが、ここにはありとあらゆる和紙関係の製品があるのにびっくり!
ステーショナリーも豊富なので、これは文具好きにはすばらしいワンダーランド!


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このおとなりには、楽紙館を経営している上村紙株式会社があります。
写真はないのですが、こちらは渋い町家です。
明治45年創業とか。
ここはもともと着物の畳紙(たとうし)を扱っておられた会社だとか。
今でも畳紙、こちらでもとめられるそうです。
さすが室町の近く。


用事がおわれば、やっぱり甘い物で一服ですわねえ。


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高倉通り六角東入ル、ご存じ太極殿・栖園
この大きな暖簾は季節で模様替えされます。
さすがに朝顔の暖簾はもうでてないようですね。

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月替わりの蜜を楽しむ琥珀流し。
9月は「葡萄」。

柿(11月)とミント(7月)と桜(4月)はすでに制覇しました。
コンプリート(4月~12月の9種類)までの道はまだまだ。

2011年9月12日 (月)

十四日の月〜京都府立植物園・観月の夕べ

今日が仲秋の名月、今年は文字どおり満月なんだそう。
(例年、十五夜がかならずしも満月ではないらしい)

いまごろあちこちで優雅な観月の宴がくりひろげられているだろうなあ、、、、とうらやましく思いつつ、お仕事に励む。

その代わりといってはなんですが、昨日十四夜のうちに名月を愛でてきました。
この日無料開放される京都府立植物園にて、名月鑑賞の夕べ。


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植物園も京都に再移住してからは初めて。
昔は未就学の幼児だった子どもたちを、日曜毎に連れて行った懐かしい場所。
(お金かからないし、自動車はこないので安全だし)

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そして、、、P1130091

異次空間へ連れ去られそうなくらい真っ暗。


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行列が、、、、と思ったら、望遠鏡で「名月を見よう」というイベント。


さてさて、暗闇に目が少し慣れると、月明かりの影がくっきりと見えるので、見上げてみました。
まあ、ごらんください。

さやけし、月のあかりを。(BGM:虫の音。植物園だけあって耳がいたくなるほど盛大です)


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(月の画像のみ、デジイチです)


この日、昼間の京都は真夏なみの猛暑でしたが、だからこそ、隈なき月は実に涼しげ。
暑さの中にも秋の到来を告げているようです。


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中央の大芝生ではにぎやかなイベントが。

ハンドベルの演奏もあり、みなさん、あちこちのベンチに思い思いにこしかけ、聞き入っておられます。
暗いので、どのくらいの方がおられるのかわからなかったのですが、、、ふとみると、、、


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う、、うわあ〜、、
大芝生をうめつくす大勢の人!

こんなにみなさんおいでになってたんですねえ、びっくり!
ああ、そうそう、こんな方も。


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ご存じない方はこちらを見てね。

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月明かりでかすかに咲いているのがわかった白萩をフラッシュで撮ってみました。


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帰りの北大路のバス停にも名月。

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家の近く、二条通りの日蓮さんの上にも名月。


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すすきもお団子もお供えできなかったので、亀廣保さんのお干菓子のすすきで一服。

京の明月は一段とうつくしおすなあ、、、(ああ、無理がある京ことば)


2011年9月 9日 (金)

炭を洗う〜本日の灰型・丸灰

日中は暑かったですが、空の色は透明になってきました。

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岡崎の疏水〜東山。

本日は重陽の節句。
この時期にいつも思い出すお気に入りの漢詩。


九月九日憶山東兄弟  王維

 独在異郷為異客(ひとり いきょうにありて いかくとなり)
 毎逢佳節倍思親(かせつに あうごとに ますます しんをおもう)
 遥知兄弟登高處(はるかにしる けいてい たかきにのぼる ところ)
 徧插茱茰少一人(あまねく しゅゆをさして いちにんを かくことを)

中国では、重陽の節句には髪に茱萸(しゅゆ:かわはじかみ)の実を刺して、親族つれだって近隣の小高い丘に登る習慣があったそうです。
故郷の兄弟達は丘に登って「一人(=私)を欠く、あいつ(=私)だけがいない」などと話しているだろうなあ、、、という詩なのです。


さて、思いついてちょっとミニ茶事をめざすことにしました。
仕事の合間をぬってちょこちょこ準備をはじめました。

あれもせにゃならん、これもせにゃならん、、、、ことが多すぎて、茶事ってこんなに大変やったんか、、、と若干後悔しつつも、もう案内状おくっちゃったしなあ。

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風炉用の炭は種火炭をいれてこんなもんかな。

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予備の炭も勘定に入れて、水洗いし、乾かしているところ。

なんで炭、洗うのかな、と思っていましたが、なるほど洗うといっぱい細かい炭の粉がついているのがわかります。
ほっておくとパチパチ火の粉が飛んで危ないからなのね。

ふと、、、、

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おお、久しぶりに見た、こんなでかいカタツムリ。

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ここんとこの大雨でうかれてでてきたのね。
普段はどこにひそんでいるのでしょう。

炭洗いのあとはこんなところでもひそかに段取り。


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さて、問題はこれですな。

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切り掛け風炉の丸灰、初挑戦!

実際は初心者なので、道安風炉・二文字押し切りにしますが、丸灰もなれておかねば。


上から見て、裾野の傾斜がどこも同じになっているか、同じ高さ、幅になっているか、夢中になって平面を作っているとなかなかわからないものです。


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側面、とりあえず完成。
前瓦の手前のスペースが狭く、難儀します。

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なぜか完成した写真がないのよ!
稽古炭をいれたところ。

はっきりいって、これでは通風がわるく火はおこらないとおもわれますsad
ぎちぎちだもんね。

曲線は、、、、むつかしいです。
次回も丸灰、がんばる予定。

お稽古の後はお楽しみの手作りお菓子にて、平花月で一服。

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うんまぁ〜!!heart01
着せ綿!

これがお家でできるなんて、、、、

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私があれだけ苦労してほとんど失敗している干琥珀もお手製です。

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こちらは、おわら風の盆にいかれたひいらぎ様よりおみやげにいただいた富山五郎丸屋の薄氷、「風の盆・編み笠バージョン」です。

(本来は不等辺四角形なのですが、季節によりいろんなバージョンがあるのです。例:

ありがとうございました。

最後に、室町二条・亀廣保さんの小芋(もうすぐ芋名月)と芋の葉。

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美しい和菓子にかこまれて、季節を感じながらいただく幸せlovely

2011年9月 7日 (水)

料理「秦家」〜好日居・フェルメールによせる

台風は去ったとはいえ、しとしとじめじめの雨模様。

それでもちょっとご無沙汰していた友人達との集まりを料理「秦家」で。

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え?
秦家ってあの京都市有形文化財じゃなかった?
、、、と思われた方も多いと思いますが、秦さんちではお願いすると、めぐみさんが祖母様やお母上から伝えられてきた暮らしの知恵を生かした家庭料理を、一日限定一組で作ってくださるのです。
しかもあの文化財のお庭を眺めるお座敷で!


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玄関庭あたりの風情。
のれんの文字は「秦」の篆書体(隷書?どっち?)

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夏建具を透かしてみる坪庭。


こちらは和菓子の会や、笙の会などで何度かおじゃましたことがあるので、なんだか友人のお宅におじゃましているような錯覚をおぼえてしまいますわ。
しかも築140年の立派な表屋造りのお宅!
(秦さんのお家は元禄年間創業の薬種業で、昭和の終わり頃まで小児丸薬「太子山竒應丸」を作られていました。ちなみに太子山はこのあたりが祇園祭の太子山がでる場所、太子山町だからなんです)


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まあ、奥の座敷庭の緑の美しいこと。
雨に濡れる青楓の風情が一段と。

苔はこの暑さに少し焼けてしまいましたが、また涼しくなると青々と復活してくるんです、とめぐみさん。
もとはここには苔は無かったそうですが、周りにビルがたち、日陰になる時間が増えたために生えてきたとか。
初夏の候、伺った折には、それはそれは苔の緑が美しかったのですが、そういう由来だったのですね、いいようなわるいような。


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奥の間から次の間、坪庭をのぞむ。
床にしかれた簀、夏の建具、簾、、、、町家の夏の室礼はいいですね。

秦家では町家の暮らし体験会や親子体験会などもされていて、実際に夏の室礼、建具替えとか、お掃除とか、素麺流し、祗園囃子を聞きに行こう(で、吉田家へ)、お蔵の中で怪談の朗読とか、これは是非参加したい!というイベントがてんこもり!

特に親子体験会のイベントはやってみたいものばかり、、、、なんですが、あくまで小学生までのお子同伴でないとだめなんですweep
我が子はもう大人やし、孫はまだやし、、、、参加するためには、どこかで小学生調達しなあかんなあ、、、coldsweats01

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まだ、のぞいたことのないお蔵。


めぐみさんからこの家のこと、子供時代のこと、などの思い出話をお聞きする。
なかでも祇園祭の思い出は、そういう思い出があることがとてもうらやましい。

今でこそ秦家は太子山のお飾り所になっていますが、子供の頃は向かいの会所の奥の奥にあって、太子さんへのお参りがとってもこわかったんですって。
太子山は鉾町の西南のはしなので、昔は夜店もなく、床机に座って涼む町内の人しかいない静かな宵山だったそうです。
できればこれ以上観光化されて、昔の風情がなくなるのはいやだなあ、、、とおっしゃってました。
同感です。学生時代の祇園祭といまとではずいぶんかわりましたもの。(とはいえ私も観光客なんですが、、、、coldsweats01

(ちなみに今年はこの太子山の厄除けちまきを求めて飾っていますの。)

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さてさて、最初のお料理です。


左上のは大福豆。
豆嫌いの友人が、これあっさりしておいしい、食べられる!と絶賛。
刺身のけんも、こだわってご自分で作ってはるんです。


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おとふ(お豆腐)のあんかけ。
おだしも鰹節をそのたびに削ってひかはるそうです。
(うわ〜、まねできない。でも実家に鰹節削りあったなあ、、、と懐かしい)

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茄子の丸煮。
この、、この、、包丁の切れ込みの細かいことにみなさん感激。

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ついつい笑顔になりますね。

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鮎の塩焼きにすだちをぎゅっとしぼって。
付け合わせはパプリカ、キュウリのいためもの。

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これが私の一番のサプライズ。
ワカメと玉葱の一見酢の物にみえますが、ドレッシング和えなんです。
鮎を食べたあとのお口直しにとってもさわやかでした。

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ご飯についてきたこのどぼ漬け(京都ではぬか漬けをこう呼ぶらしい)がまたおいしくて。
ぬか漬けは自分でも何回かチャレンジしたけれど、寒くなるとだめになってました。(乳酸菌が働かない)
めぐみさんに伺うと、一夏楽しめればそれでいいので、毎年新しいぬか床をつくるとか。(このときビールを使うのがひけつだそうですよ)

な〜んだ、そうか、何年物、、、のぬか床にこだわる必要はないんだわ。

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いちじくのコンポートとアイスクリームは相性がいいんですね。

なんということもない家庭料理なのに、一手間かけてていねいに作るとこうおいしくなるのか。
どぼ漬けの切り口を見たら、包丁もしゅぱっとよく研いであるのもわかります。

私の料理なんて、所詮兼業主婦の超スピード手抜き料理ですので、反省すること多々です。
見習って、(たまには)ちゃんと手間と時間をかけて料理しよう!

というので、以前購入しためぐみさんのご本を家に帰って読み直しです。

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あ、まずは包丁をちゃんと研ごう。


そうこうするうちに、もうひとかた、このお家のあるじが、、、、

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御年12歳のムーンちゃん。
お客さんをちらっとチェックして、あたりを睥睨して、女王様の風格で去っていきました。

帰る間際には、、、、

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ミセの間で丸くくつろぐ女王様。

う〜ん、、、やっぱり町家には猫がよく似合う、、、、


秦家を辞したあとは、みなさまをご愛用の岡崎・好日居さんへご案内。


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好日居は一足お先の秋のようです。
玄関の吾亦紅。


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3人は薫り高い岩茶をいただきます。

そしてあとお一人は、「一人茶会・フェルメールに寄せて」のセット。

好日居は市立美術館のすぐ裏ですから、美術館で開催中の「フェルメールからのラブレター展」にちなんだメニューなんです。
どんなんかな〜、、、、


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こんなかわいいポットでサーブされる紅茶は中国紅茶・滇紅(てんこう)。
(カップはリモージュでした)

フェルメールの生きた時代のオランダ。
東インド会社が活躍していて、さかんに中国から茶葉をヨーロッパに輸入していた歴史にちなんで。

右の楊枝にさしてあるのは、チーズ(オランダのゴーダはチーズの名産地)、チョコレート(アムステルダムは世界のココア豆の約30%を加工している)、レーズン。
オランダ人がお茶請けに好みそうな物を。

そして今回私が初めて知った、オランダ・ゴーダ地方で誕生したストロープワッフル

最近までヨーロッパ雑貨のお店をされていて、なんども買い付けに渡欧されているI様は、さすがにご存じでした。

こんなふうにして食べるんですよ。

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こうしてお茶を入れたカップの上にのせておくと、ワッフルの間にはさんであるキャラメルシロップがとろりと溶けておいしいのです。

う〜ん、気分はフェルメールの時代のオランダ人。
こんなおしゃれな見立ての一人茶会、これがあるからここ、好きだわheart01

みなさまこれで満足して、楽しくて優雅な1日はおひらきとなりました。

2011年9月 5日 (月)

柳馬場通り〜京うちわ・阿以波〜菜根譚でランチ

「寺御幸麩屋富柳堺(てらごこふやとみやなぎさかい)、、、」で、やっと京都の南北の通りの名を(半分)覚えました。
(寺町、御幸町、麩屋町、富小路、柳馬場、堺町、、、)

この日は柳馬場(やなぎのばんば)通六角下ル、京うちわの老舗阿以波さんへ。


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今でこそ、きれいな透かし団扇で有名ですが、創業は元禄2年(!)、もともとは絵師による手描きや、木版による絵団扇を作っておられた老舗なんです。

先日お茶のお稽古に行きまして、床飾りが阿以波さんの木版の団扇だったので、「こんなのも作ってるんだ。」と思ったら、こっちの方が歴史が長い、、、と知ってびっくり。

団扇が実用としては使われなくなっていった時代に、透かし団扇を主力商品にしていったのは、先代〜当代なので、歴史は浅いにもかかわらず、いまでは立派な阿以波の代名詞になっているんですから、これは「ルソンの壺」もの、ですよ。
それもこれも、長い歴史と伝統の技を守ってこられた確かな技術あってこそですね。

お客さんが他におられなかったのをいいことに、あれこれ色々手にとってみせていただきました。
例の木版の団扇もありました。
大和絵のきれいな物で、それ1枚で70もの版木を使っているとか。
お値段も、、、10万円前後coldsweats01

透かしの団扇も、作家さんが作った胡粉の置き上げの菊だとか、螺鈿を使った秋の虫とか、紙に漆を塗って仕上げた物とか、兎を日本刺繍で刺したものとか、、、、、買う買わないに関わらず、女将さんの対応もとても感じが良くて、ついついあれこれと、、、、もうめいっぱい目の保養をさせていただきました。

ただの透かしだけではなかったんですねえ。
もう伝統工芸の粋を凝縮した美術工芸品、というべきでしょう。
手の込んだ物は10万以上しますし安くはないですが、美術品と思えば納得です。

本来のあおぐ目的の3000円くらいのかわいい団扇もありますよ。
(え〜、、、私は実用の団扇としてはビールの宣伝用のタダのものを使っとりますが、、、coldsweats01


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包装紙がまた良い感じ。
うちわ双六になっていて、上がりが「名代京うちわ江月堂」。

江月堂は七代目(現在は十代目)さんが大徳寺のお坊さんから賜った店名だったそうです。

さて、阿以波さんを出て、2〜3件北に行くとこんなお店が。


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菜根譚
この堂々たる町家にひかれてランチをここですることに決定。

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店を入ったところに立派な、しかも現役のおくどさんが!

もともとこれは通り庭にあったものを、実用にするために玄関の間へ移動したんだとか。
いまでも湯気を上げているところがうれしい。

何でもこの町家は築100年以上、なるべくよけいな手をいれないように改修したとのこと。

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階段の奥にはバンダジ(李朝家具が!)

古い町家の作りと、なんと李朝家具まで楽しめる(どちらもわたくしプチ・フリークなんですの)空間になっているではありませんか!
心の中でブラヴォーをさけびました。

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火袋もそのまんまlovely(前からいっていますが、火袋フェチです)

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ちらりと見えた坪庭!


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おお〜!
ええ感じや〜!

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さすが鰻の寝床で、通された部屋は奥の奥の奥。
これはお隣との間の通り道かな。

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位置的には蔵だった部屋でしょうか。

この窓の格子がね、これ多分李朝時代の扉。

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こういうふうに、周りに板をつけたして、ドアにしてしまっているのもありですね。

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バンダジに鎮座する白磁。


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李朝の棚。

確信して李朝趣味を貫いているわね。
こういう手法はもしかして、、、と、思ったら、やはりこちら際(きわ)コーポレーションのプロデュースだったんだわ。

室町の膳處漢ぽっちりになんとなく雰囲気にているもの。

、、、、で、いつも肝心のお料理が最後になりますcoldsweats01


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菜根譚の日替わりランチ1200円。
右上の東坡肉がやわらかくておいしかった!まんなかのは茄子の田楽。
さすが菜根というだけあって、お野菜がふんだんにいただけるのがうれしい。

目もお腹も満足して家路につきました。
ほ〜smile

2011年9月 3日 (土)

祗園で用事をすませたあとは

所用あって、祗園界隈へ。
用事をすませたあとはぶらぶら。

京都に住んでても意外と四条通のアーケードを歩く機会は少ないもの。
ものめずらしげにあちこちの店をのぞく私は、りっぱな”京都在住”観光客ですの。のほほほ、、、

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南側に仲源寺を発見。

目病み地蔵とも称されるこのお寺は、祇園祭の時、神輿洗い式のご神水を一時預かるお寺なんです。

まあ、それだけのことなんですけれど、、、
最近老眼もすすんでるし、お参りしとこ。

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有名なお茶屋さん、一力の犬矢来。

よく見ると、痛んだ物だけをとりかえているのね。
竹の色が新旧とりまぜ。
ここらも京都の始末、、ってやつかしら。


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そうそう、真夏に行って、すごい行列で諦めた鍵善さんのくづきり、食べておかねば。
この日は涼しくて、くづきり日和ではなかったのですが、それでもいいですねえ、この涼感は。

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東山縄手の、たる源さんの器ででてきます。
注文を聞いてから、葛粉から作るそうです。
黒蜜につけても旨し、そのままでも旨し。

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昔は虫籠窓のある厨子二階でいただいたのですが、いつのまにか1階が喫茶スペースになっているんですね。
お蔵の前の坪庭がいいかんじです。

こちら表の売店コーナーでは、黒田辰秋作(京大近くの進々堂のテーブル作った人ね)欅の拭漆のりっぱな棚があり、必見です。


さて、最後にこちら。

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芸妓さん、舞妓さん御用達の和装小物のお店、幾岡屋さん。

なんでも2代目さんが祗園の芸妓さんで、桂小五郎の奥さん、幾松姐さんと懇意だったため、「幾」の一字をもらったとか。
幕末創業だったんですね。

舞妓さんの髪飾りや、団扇、手ぬぐい、花名刺、紅などなどをあつかっておられます。

実は京都に住む前から、是非手に入れたいなあ、、と思っていた舞妓さんの大かんざしがあったのです。

ご存じのように月によって舞妓さんの髪飾りはかわるので、表のショーウインドウに飾ってあったのは、今月9月の「桔梗」かんざしでした。
その一つ前、8月のが欲しくて、、、、


これはなんだかわかります?

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正解は「すすき」。

旧暦で8月はもう秋ですからね。
12ヶ月のかんざしの中で唯一金属でできているので、頭に刺さる、と舞妓さんには評判悪いそうですが。


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横から見るとこんな感じ。
後ろについてる丸い部分はなんなのかしらね?

このシンプルな造形は他の花かんざしみたいにごちゃごちゃしていなくて、少し抽象的で、出色のデザインだと思うのですが。
他にもピンク色がかったのや、ラメがかったのもあって、参考までに、と見せて下さいました。

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で、こんなふうに頭の飾りに、、、、


おっとっと、、、
そうではなくて、、、(お目汚しスミマセン)

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本物のススキのかわりに玄関などに飾ろうと。

2011年9月 1日 (木)

「古染付に遊ぶ〜日本人が愛した中国明末の青花磁器」〜東洋陶磁美術館

あ〜、えらい長いタイトル。

夏休みにでかけたベルリン、シャーロッテンブルグ城の圧巻のポーセリンキャビネット

その印象が薄れないうちに、大阪は中之島、東洋陶磁美術館でやっている古染付の展示会へ。

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例によって、中之島公会堂地下の中之島倶楽部で腹ごしらえ。
手前の煉瓦が公会堂。その向こうに美術館。

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このポスターの染付の壺がまたいいんだな。
こうやって、ひとつひとつ、じっくり見るのがやはりいいよね。
たしかにベルリンのある意味すごかったが、全体としてひとつのモンスターみたいになっていて、一個一個じっくり眺める気にならなかったもの。


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古染付の定義は、明時代末期の天啓年間(1621〜27:日本では江戸初期)を中心に、江西省景徳鎮の民窯で焼かれた青花(中国で染付)磁器で、日本に輸入されてそう呼ばれるようになったもの、、、だそうです。

白い磁器の肌に主にコバルトを原料とする顔料で模様が描かれているのですが、この顔料は「回青」とよばれ、ペルシアから輸入された物なんだそうです。
ちなみにイスラム教は回教といいますね。
だから回青の回は=イスラムのことなんですって。なるほど。

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(画像は東洋陶磁美術館HPからいただきました)

この日、少人数のグループが来られていて、キュレーターさんによるミニレクチャーを聴きながらの拝観をされていました。
時間があれば、混じって聞きたかったのですが、ちょっと時間が、、、
少人数でも要望があれば解説付き、というのはこぢんまりとした美術館だからできることですね。
(だから、ここ好き)

なんとなく耳をダンボにして漏れ聞いたところによると、、、
元時代の古い染付は、うわぐすりをかける前に絵を描いたので、線がにじんでいるけれど、その後の完成期の明代の物ではいちどうわぐすりをかけた上に描いているので、線が繊細でシャープなんだそうだ。

顔料の成分や、うわぐすりの使い方、紋様・意匠などからいつの時代の物かわかるらしいが、専門的すぎることはスルー。

ポーセリンキャビネットと違って、ひとつひとつの染付をじっくりゆっくり楽しむ。
やっぱり染付はいいわね〜。

現代の物でも、染付は好きだけれど、古い物は土の感じが柔らかくて、うわぐすりが欠けている虫食いの感じも侘びてていいわ。lovely
有名な型もの水指の古染付葡萄棚水指(これは野村美術館の)、あれにはほんとに心惹かれるなあ。

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二階の踊り場からみる大川。
大阪は水の都、この景色もこの美術館が好きなところ。

次回は9月10日から「明代龍泉窯青磁」展だし、また見に来なくては。
(ちなみに青磁の最盛期は南宋時代なので、明時代の青磁ってどんなんかなあ)


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今回は、美術館の余韻を楽しめるリバーサイドの新しいカフェバーを見つけたので、ここでコーヒーで一服。
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窓から美術館が見えるロケーション。
リバーサイドの席も、(真夏じゃなけりゃ)いいわよ。