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2011年4月13日 (水)

浅川兄弟の心と眼〜白磁はふたりを忘れない

昨年、京都の高麗美術館で浅川兄弟のことを初めて知りました。

朝鮮本国でうち捨てられていた白磁にあらためて美をみいだし、のちに民藝をおこすことになる柳宗悦を朝鮮の民芸品のもつ美しさに導いた浅川兄弟。

彼らの朝鮮古陶磁フィールドワークの業績もさることながら、特に朝鮮の人を愛し、朝鮮の人にもっとも愛された日本人、そして彼の地の土となった弟の巧の生き方に深い感銘をおぼえました。

かれらのことはかなりくわしく、力をこめて記事に書きましたので、ご興味のあるかたは是非拙文を読んでくださいませ。


そして本日は待ちに待っていました大阪市立東洋陶磁美術館です。

P1100141

「浅川伯教・巧兄弟の心と眼〜朝鮮時代の美〜」
そしてポスターのコピーが泣かせます。


P1100144


〜白磁は ふたりを 忘れない〜

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そもそもこのポスターの一面を飾る辰砂蓮花文面取瓶、これは浅川伯教が朝鮮で手に入れ、柳もこれにいたく感動した、という名陶です。これは東洋陶磁美術館の顔ともいうべきコレクション。
(もとは安宅コレクションのもので、安宅産業倒産の混乱に散逸を防ぐために作られた美術館がこの美術館。)

なのでここで浅川兄弟展をするのは当然と言えば当然かもしれません。

安宅コレクションのこの瓶がここにあるのを知ってはいたのですが、常設展には出ないのです。

なので今回、この瓶をはじめ、かの兄弟、柳宗悦や河井寛次郎、濱田庄司などのエピソードにでてくる朝鮮王朝時代の陶器が(多くは日本民藝館所蔵)これほどの規模で見られるのはとても感激です。

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パンフレットの裏側の写真ですが、左下のかわいい手のひらサイズの白磁の壺、青花草花文面取壺。
伯教がはじめて柳に会うために、お土産として持参した朝鮮古陶、これが柳を朝鮮白磁の美しさに目覚めさせた、というものなんですよ。

実際サイズといい、形といい、ぽってりした白磁の肌の暖かさといい、思わず大事に抱きしめたくなるような壺です。

上段の真ん中の青花窓絵草花文面取壺はこれも安宅コレクションの代表、巧が持っていた物だそうです。
これも肌の色が暖かくてなんともいえません。

今回の展示は、ほぼ朝鮮全土、700もの窯跡の調査研究をした伯教のアカデミックな業績に重点をおいているようで、細かいシールをはってある陶片や正確な記録やら、彼の緻密な正確がうかがわれるようです。
なのに、彼の描く朝鮮民衆の日常生活の絵は、どこかのんきでユーモアがあって、あたたかい。

いまいちど、当時の朝鮮が日本による植民地時代で、同化政策がおこなわれていた時代だということを思い出してほしい。
審美眼だけでなく彼らの人間性にいたくひかれるゆえんです。


展示は壺の他にも垂涎の茶碗類もたくさんでています。
(多くは兄弟と柳たちが朝鮮民族美術館を創設するにあたり集めた物)
私は粉青とよばれる青磁から白磁への橋渡しの時期の茶碗が一番好きだな。
(粉青:粉引、刷毛目、三島など)

こういうのを見てしまうと、もう色絵の茶碗なんぞ、どうでもよくなってしまう。
まあ、もう少し若かったらちがう見方をしたかもしれないけれど。

最後に初めて朝鮮の骨董屋の隅に白磁の壺を見いだした伯教の言葉を。

高麗青磁は過去の冷たい美しさだが、この白磁は現在の私の血の通ふ生きた美である。
  これには間違いはない。私の目がひらけたのだ。
良い物を見た。

大阪市立東洋陶磁美術館
〒530-0005大阪市北区中之島1−1−26
TEL.06-6223-0055
浅川兄弟の心と眼   7月24日まで

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コメント

柳宗悦さんはすきになれませんが、浅川兄弟は尊敬しています。

野中の清水様

つい最近まで自分もしらなかったのでエラソウには言えませんが、もっと評価されていい人たちだと思います。
最近はそれでも見直しの機運があるようで喜ばしい限りです。
若冲や等伯みたいにブレイクしないかなあ。

巧さんにどうしてこんなに惹かれるのか考えると、高校時代に私の神様だった宮沢賢治になんとなく似ているからかしら。
風貌も、夭折したところも。

すばらしいですね~~~~。
やはり高麗白磁はとても好きです。
冷たい雰囲気ではなくて、温もりを感じます。

nageire様

なら、どんな花をいれられるでしょう。
どんな花でも、どんな入れ方も許してしまう度量の深さを白磁には感じます。青磁はきれいですが、お茶の緑が映えないのが残念ですが。

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