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2010年12月 6日 (月)

大山崎山荘美術館〜民藝誕生

木津川、桂川、宇治川を望み、歴史的にも有名な天王山にある、大山崎山荘(正式にはアサヒビール大山崎山荘)、一度行きたいと思いながら、ちょっと京都市内から離れていることもあって、足がむかなかったのですが、nnya様のブログで圧倒される紅葉の写真を拝見し、しかも企画展が「民藝誕生」ということになれば、これは行かなくてどおする!


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JR山崎の駅をおりて、この坂を見たとき、ありゃ〜、、、と思いましたが(待てば無料送迎バスもあります)、結果として、こんな坂、全く問題にならないくらいすばらしかった!

1)大山崎山荘の建物自体がすばらしい。
2)市内ではもうピークをこえた紅葉が、ここでは今が盛り、その数も山全体なので圧巻。
3)民藝の初期のコレクション、特に李朝白磁・鉄絵,辰砂絵陶器がすばらしい。

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駅から坂道を登って約10分、山荘までの長い道のりは山全体がすばらしい紅葉で、どこをきりとっても圧倒的な美しさです。


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なぜこんな時に一眼レフをもってこなかったの!と悔やまれます。
コンデジではこの美しさがどうやっても再現できない、、、


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圧倒的に紅葉する木が多いのですが、他の季節はどうなのでしょう。
もう落葉しているはずなので、桜の樹は同定できませんでしたが。


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地面の黄金色は落葉した銀杏のです。
こんな景色を相手にシャッターを切っていたら、上り坂なんてことはすっかり忘却の彼方。


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昼下がりなのに、早くもかたむきかけた冬至間近の太陽光が、さらに美しさをきわだたせて、なんだか崇高なものを見たような気にさせてくれます。

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楓ばかりではなく、玄関前のドウダンツツジの大株もまたあっぱれ、お見事!

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昭和初期に証券会社を設立した財閥、加賀正太郎が、滞在したイングランドのチューダー様式に憧れ、自ら図面を引き建てた山荘。

内部もまた欅かオークの重厚な装飾で、建物自体が芸術作品です。(登録有形文化財)


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あのころの財閥はどうしてこう、お金だけでなく、教養・審美眼・美を実現する強い意志、を皆持ち合わせていたのでしょうね。(今のお金持ちはなんだかスケールが小さいな、、、、)

彼の死後、加賀家の手をはなれた山荘は荒廃し、山に開発の波が押し寄せたとき、この景観を愛する山崎町住民の景観保全運動は京都府もまきこみ、この周辺の土地買い上げに成功したそうです。
さらに山荘はアサヒビール株式会社が管理することに。

これに関しては、浅からぬ因縁が。

加賀正太郎はニッカウヰスキー会社設立にも関わっていて、その後ニッカはアサヒビールの子会社になり、しかもそのアサヒの初代社長・山本為三郎と加賀正太郎は親交があったのです。
おさまるべくしておさまった感じですね。
この山荘にとってほんとうに幸運でした。

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そして民藝と大山崎山荘の関係といえば、その山本爲三郎社長が民藝運動の支援者で、多くの民藝コレクションをもっていた、ということです。

今回の展示はそのコレクションの一部なのです。
これには民藝を展示する空間まで民藝芸術にしようと、柳宗悦らが実験した「三国荘」の話もあるのですが、それはまた他の文献(?)をご参考されるか、直接ここへおいでくださいませcoldsweats01

展示された品々は日本、朝鮮、中国、西欧の日々の生活に使われていた物たち。
その日常雑器にやどる「美」を見いだした民藝の人々の経験をなぞるように向き合ってみる。

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そのなかでも自分自身でいいな、好きだな、と思うのはやはり李朝の陶器。

李朝陶磁が展示された部屋にはあの浅川伯教・巧兄弟の写真が飾られ、また会えましたね、と挨拶。
この山本コレクションの李朝物はほとんど浅川兄弟が朝鮮で蒐集し、民藝の支援者であった山本氏に帰国のたびにお礼にさしあげたものなのだそう。


一番どきどきしたのは李朝の染付漢江図瓶。

やや大ぶりの八角形の膨らみをもつ瓶子でお酒でもいれたのでしょうか。
地色の白のなんというあたたかみ。
釉薬を掛けそびれたり、いわゆる虫食いになっている部分もいとおしいような。
手にとってさわってみたいなあ。

青の染め付けの模様は、小雨のふる朧月の漢江にうかぶ孤舟。
筆致はむしろ稚拙な感じなんですけれど、このおおらかさがいいのです。
李朝の家具なども、指物としてはむしろいい加減な感じがとてもあたたかくていいですものね。

ふう〜、、、、confident

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山荘の2階はカフェになっていて、テラスはご覧のような眺め。
木津川、桂川、宇治川。(同定できずcoldsweats01

こちらではアサヒビールはもちろん、大阪リーガロイヤルホテルから毎日運んでくるというスイーツもいただけます。


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コネクトしているのは、1996年に完成した安藤忠雄の美術館新館。
こちらは景観に配慮して、半地下に作られ、山本コレクションのモネの睡蓮数点をはじめヴラマンク、ボナールの絵画を展示。

まさかクラシックな山荘にこんな新館があって、上手にとけこませているなんて思いませんでしたわ。

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一度来たら、もう2回目以降は気軽に行けそうです。JR京都から各停で15分くらいですし。
こちらでは色々なイベントもよくおこなわれていて、お気に入りの好日居さんがらみの中国茶会も開かれているようですので、今度は是非参加しなくちゃ。
あ〜、いそがしい、、、、

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大山崎山荘美術館〜民藝誕生を参照しているブログ:

コメント

こちらの歴史を改めてしぇるさんから教わるっ(ということで・・・苦笑)ニッカウヰスキーとアサヒビールは全く別会社でしたのね!(お恥ずかしいです・・系列かな?と思ってました・・・)
今回の展示も山本為三郎氏のコレクションが中心だということでしたが、町の運動もあわせ・・様々な幸運が重なり山荘が受け継がれたのですね。(前回、学芸員さんから伺っていたことを思い出しました・・)
訪れる人々をおおらかに迎えてくださるこちらのコンセプトがとてもありがたいです♪

来週はルーシーさんの展示に・・・嬉

nnya様

学芸員さんのお話は私も聞きたい〜bearing、、、けれどギャラリートークってほとんど私の行けない土曜日なんですよねえ、、、(泣)
nnya様のブログに背中をおされて出かけていってホントよかった!
まったく、他の季節も是非拝見したいですよね。

ルーシー・リー、大阪のですね!
私も行きま〜すhappy01

おぉ~・・素晴らしいですね。
ここも行きたい行きたいと思いながら、いまだ行ってない場所のひとつです。
早く足を治して来年は行こ!!
一眼レフ持って。

夢風庵様

重たいガンレフを持って、この坂を登るには、おみ足、ちゃんとなおさないと、、、。まあ、待てば無料バスも来ますけれど、歩いて登ってこそ愛でられる景色もあり、です。
こちらは被写体は最高、是非すんばらしい写真を撮っておみせくださいませっ!

しぇるさん
こんにちは!お久しぶりです~。
京都生活満喫されてらっしゃいますね~。
私は、山崎と言えば!サントリーの山崎蒸溜所・・・という感じで、ダメですね。。。陶器のことも勉強になりました。
本当に、もうあっという間に冬の訪れが・・・。
京都でのお正月も楽しみですね!

ちゃみ様

おひさしぶりです〜。
といってもmixiの方でいつも拝見していますので、なんだかおひさしぶりの感じがしません。
私も「アサヒビール」なのに、ライバルの「サントリービール」の施設だとず〜っと思ってましたから、どっこいどっこいですね。coldsweats01
京都のお正月、とても楽しみです。
でもやっぱり白味噌のお雑煮だけはどうも、、、、
ちゃみ様もたまには、京都に里帰りしてくださいよ。
お待ちしています。

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