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2010年2月 9日 (火)

灘・西宮郷酒蔵めぐり

伏見の女酒にたいして灘のお酒は男酒というそうな。

前者が仕込みの水にミネラルの少ない中硬水を使っているのに対して、後者はミネラル豊富な硬水を使っているのがちがいだとか。

全国の酒の3割を出荷している灘五郷(今津郷、西宮郷、魚崎郷、御影郷、西郷)、江戸時代からの酒の生産地です。

西宮郷、今津郷は実は自宅から30分〜1時間くらいの圏内にあるのです。

日本酒をこよなく愛する私としては(誤解なきよう言っておきますが、私は決してヘビー・ドリンカーではありませんよ。ちびちびたしなむ程度。そりゃ、たまには痛飲しますが)一度は酒蔵めぐりをしてみたい。

ところが年末に突然肝機能が悪くなって、もしかしてヤバイ病気かも?と飲酒できない日々が、、、、。

結局いろいろ検査したけれど原因不明のまま、肝機能は正常にもどったので、お酒も自主解禁(いいのか?)。

やっと出かけることができました。

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まずは仕込みに使われる宮水発祥の地の碑をおがんで、


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宮水庭園へ。

宮水は西宮の水、の意で、六甲山地からの伏流水。よい酒を造る条件をすべて兼ね備えている水なのだそう。

ここには各メーカーがそれぞれのくみ上げ井戸をもっており、ステンレス製の覆いがちょっと未来的ですね。

みえるのは白鷹さんの井戸。


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こちらは白鹿さん。他にも大関さんとか。

灘の男酒は、硬水仕込みゆえ、夏の暑さにも劣化せず、秋になると一段と味が冴えるので「秋晴れ・秋上がり」のする酒といわれます。

味で言えば、さらっとのみやすい女酒にくらべて、しっかりボディというか、それぞれの銘柄の特徴が際だつ感じ。


では最初に白鹿酒ミュージアム・酒蔵館をご案内。


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清酒「白鹿」の醸造元、辰馬本家酒造(1662年創業)の酒蔵です。(辰馬家は海運業もしていた旧財閥の名家です)

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かつて酒造りの一つ一つの課程が手作業だったのですが、現在ではもちろん工場でほとんど機械化されています。

このミュージアムでは、いまではほとんどみられなくなった(地方の地酒製造ではまだみられる)かつての伝統的酒造りの工程をしることができます。

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実はこの酒蔵、かつては煉瓦造りの建物でした。
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パンフレットからですが、こんな感じ。

この建物は残念ながら、あの阪神淡路大震災で全壊してしまいました。


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精米、麹作り、酒母、もろみ作り、火入れなどのようすが再現されています。


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これは圧搾。左端の木の箱に酒袋に入ったもろみをいれて、てこの原理でこの木材の棒に重しをつけて一気に酒をしぼりだすのです。

そういえば地方の小さな醸造所でこれ、みたことあります。

しぼられてほとばしり出てくるしぼりたてのお酒!

想像しただけでのどが鳴ります。おいしそ〜。

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これはもろみが樽の中で発酵熟成する様子を樽の中から眺めたら、という様子です。

お酒になった気持ちで見上げてみましょう。泡泡がこれまた美味しそうな色で、、、、


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お酒を出荷するときの印判。

この白鹿酒造さんは実は毎年その生徒の半分以上を京大に送り込む○陽学院の経営母体でもあるのですよ。知ってました?

さて、阪神淡路大震災では灘五郷のたくさんの蔵が被害にあったとききます。


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そういえば何年も前のNHKの朝の連ドラ、震災前後の灘の造り酒屋が舞台のがありましたね。

「あまからしゃん」。

あれで ”しゃんとあがった秋晴れの味”、という灘の酒の最高級の誉め
言葉を知ったのでした。

あれだけの地殻変動がありながら、宮水がとだえなかったのは幸いでした。

今ではほとんどの蔵が復興をとげています。

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酒蔵館をでて、お隣にある蔵を利用したミュージアムショップ+レストラン。

こちらでお昼です。


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さすがに吟醸酒の酒粕煮込みのハンバーグなんてメニューが。

ほのかにお酒の香りがして、ぽかぽかと少し体がぬくもりました。

お次は白鷹禄水苑


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こちらは白鹿の辰馬家の分家、北辰馬とよばれた清酒白鷹の蔵元の住居をイメージした建物。


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お酒やおつまみなどの販売に、日本酒バーやレストラン(竹葉亭がはいっているようです)、多目的ホールなど。

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戦前までの灘の造り酒屋の多くは、蔵元の住居と酒蔵が地続きになっているまさに職住一致の住まいになっていたそうです。

こちらでは当時の住まいの様子も復元され見ることができます。


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辰馬家で結納の儀が行われる日、という設定です。

その座敷でまた見つけたんですなあ、、、これが!


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赤穂緞通!きゃ〜!!lovely


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おくどさんの左側は本格的に飲めるバー、で右でのテーブルではワンショット200円でお酒のテイスティングができるのです。


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吟醸酒、いただきました。

ほねぶとっ!という感じの味で、おいしかった〜。もう一杯いきたかったけれど、ここでできあがってはちょっとまずい。

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道の名前も「酒蔵通り」。

西宮郷の東はしになる日本盛の酒蔵通り煉瓦館


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ここではなんとお酒から造った基礎化粧品が買えます。

ガラス工房もあって、酒周りのグッズ充実。聞き酒もできるんですが、肝臓さんのことも考えてここはがまん。

時間がおしてきたのでちょっと急ぎ足でさらに東の今津郷へ。

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清酒大関さんの甘辛 関寿庵

その名の通り、甘いお酒を使ったお菓子(フィナンシェなど)と辛口のお酒が量り売りで買えます。

こちらで最後なので、お酒を1本求めて帰路につきました。

体調さえ万全ならば、完璧に楽しく酔っぱらえそうな酒蔵めぐりでした。

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右は蔵出しにごり酒、大関「しろささ」。韓国のマッコリみたいな軽い味わい。

左は白鹿酒ミュージアムでいただいた吟醸酒。小さいボトルですがしっかり灘の男酒。

ともあれ灘の酒は宮水、摂津・播州の米、六甲颪、丹波杜氏の技術、、、それらのたまもの、感謝していただきます。

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灘・西宮郷酒蔵めぐりを参照しているブログ:

コメント

しぇる様

酒造家は学校経営がお好きなんですね。
桜正宗、白鶴、菊正宗が灘高校などを創設したんですものね。

野中の清水様

そういえば菊正宗は灘でしたね。
灘五郷では酒造家はおおむね財閥だったのでしょう。その富を学校教育にむけた、というのがすばらしいですね。よい時代でした。

酒蔵通りは西宮への行き帰りによく走りましたので見覚えのある酒蔵が多く懐かしいです。しかしどこにも立ち寄ったことがありませんでした。今度帰国したときにでも車でなくてゆっくり歩きでまわってみたくなりました。

肝機能、正常に戻ってよかったですね。でもがんばりやさんのしぇるさんのことですから、お体に無理のないように。
アルコールに弱いのですが、美味しい日本酒をひと舐めすると、やっぱり美味しいと思います。楽しめるほどに飲めれば人生が広がるとは思うんですけれどねぇ。

KAZ様

こちらはかつてのホームグラウンドでしたね。そうそう、お車では試飲できませんのでNGです。
行く前は板塀造りの蔵がたちならぶ、、、、をイメージしていったのですが、(あたりまえながら)「白鹿」「白鷹」などの大きな看板をかかげた近代的工場が建ち並んでしました。
パリにワインが似合う如く、日本人にはやっぱり日本酒!とひそかに思っております。

yuchi 様

結果が改善するまではついつい最悪のことまで考えてしまって、けっこうブルーでした。原因不明なのがいまいちすっきりしませんが。
日本酒もいろいろなタイプ(山廃とか吟醸、大吟醸、生酒などなど)があって、その違いをあまり知らなかったので、今回勉強させていただきました。これで今度お酒を楽しむとき、うんちくを語れそう(?!)

これからもいろいろと忙しくなると思うので、しっかり休養とって身体を休めるときは休めてくださいね。

若い時は記憶をなくすまで飲みましたがcoldsweats01今は私も日本酒は量より、おいしいあてで、カウンターの隅でちびちびやるのが好きです。

リタイアしたら窯元巡りと酒蔵巡りをしたいです。

しぇるさん、京都移住を控えられ、精力的に、現在のお住まいの近郊、回られていますね。
私も、今のうちに、東京とその近郊の見残したところ、回っておこう、とは、思っているのですが、なかなか、、、、。

お酒は下戸な自分ですが・・・・
そのたたずまいは素敵だと感じます。
酒蔵やそのまわりの風景良いですね~~歴史ある調度品。たまらなく美しいです。

こないだ仕事で記事だけ書いて、行ってみたいなぁと思てたんですよ。
ここのマネキンさんは、松尾さんと違うて違和感ないですね(笑)

夢風庵様

実は自覚症状がまったくなくて、生活は普通にしてました。断酒だけで、、、despair
ブラックアウトするまでいきましたか〜coldsweats01
でも、もうお互いにたくさん飲むのはやめましょうね。京都でちびちびいける日本酒のよいお店があったらまた是非ごいっしょに。(あくまでちびちび、、、、)

nageire様

日本酒は米からできているので、日本人のDNAに刷り込まれた味なのではないかと思います。お酒はたしなまれなくても、酒粕はいけますか?粕汁も良い日本酒のはおいしいです〜。

ぽん様

松尾さんのはちょっと期待はずれでしたが、こちらのはばっちりですよ。
ききざけツアーに是非おでかけください。
私もまだまだ魚崎郷(松竹梅)、御影郷(菊正宗)なんかにも行きたいです。

老後は京都で様

S&Y様の場合、京都移住はまだ少し先ですから、そんなにいそがれなくてもよいのかも。(そういっているうちに月日はあっというまにたちますが)
私はもうカウントダウンに入っているので精力的に。京都に移住後は二度と行けない、、、というわけではなのですが、なぜか焦ります。

しぇる様
しぇる様のブログを拝見していて、酒造会社の井戸から、ふと伊勢物語の「筒井筒」を思い浮かべていました。

実は昨日の11日、近くのご夫婦をお招きして簡単なお食事とお茶を差し上げました。
このご夫婦はいとこ同士で、初恋が結ばれてご結婚されとそうです。
それで、床に伝西行筆五首切の「初恋」の巻物を置いておきました。
本当は掛物に「筒井筒」に関係するようなものがあればよかったのですが、そんなきのきいたものがないので、一糸文守という禅僧の「眠り布袋」を掛けました。
そういう予定があったのでうかんだのかなあ。
でも、お庭に筒井筒なんかあればいいでしょうねえ。

野中の清水様

この井戸いいですねえ。ダイナミックなつるべがまたすてきでした。
筒井筒の井戸はもう少したおやかな感じの井戸でしょうか。
そんなすてきなカップルにふさわしい巻物、とはなんてハイレベルなプレゼント。そのシチュエーションに合わせて、古筆がさっと出てくるのはそうとう厖大な貴重なストックをおもちですね?
京都の家には昔からあったとおぼしき井戸があって、庭の景色として活かすことにしました。腰掛け待合いとの位置関係がいまいちなのですが、造園屋さんが良い井桁を作ってくれました。筒井筒を地でいくような若い住人はいないのですけれど、、、、、

京都の家に井桁の井戸がおありなのですか。
うらやましい。
井戸は飲めなくてもあれば重宝しますよね。
風情がありますよねえ。
ホントにうらやましい。

古筆は喜んでくれました。
濃茶を差し上げた後、寒いのと外が雨だったので、席改めはしませんでした。
ご主人に、床の花をお願いしましたら、用意していた花から
お二人でさざんかとサンシュユを一本づつ差し入れてくれ、
そのあと奥さんが「お疲れでしょうから」と炭火直しと薄茶をしてくださいました。
どちらが、お客さんやら。
そのあと、男一人だからたいへんでしょうと後片付けしてくれて・・・
ほほえましく、暖かく
半日遊べました。

野中の清水様

お若い方でしょうに、心映えもお茶の腕前もたいしたものですね。まあ、古筆の良さがわかる方ならなおさら。
こういうのがほんとうの利休さんの時代のお茶席だったのでしょうね。よい1日をすごされてなによりです。

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