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2009年10月18日 (日)

京都・炭屋旅館

両親孝行とて、週末は京都、ご存じ老舗旅館御三家のひとつ、麩屋町三条の炭屋旅館へお泊まり。


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母は車椅子つきですので、あちこち出歩くのではなく、老舗旅館にとまること自体が目的です。
一昨年は俵屋さんでしたので、今年は炭屋さん。(次回は柊屋さんでコンプリート!、、、、かな?coldsweats01

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炭屋さんの玄関です。車椅子で乗りつけたもので、旅館の方々にほんとにいろいろ気を使っていただきました。

ありがたいことです。


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歴史のある数寄屋造りのお部屋、まあまず、この坪庭をみて感動いたしました。

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二階を見上げたところ。

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次に感動したのがこちら。


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古い京都のお屋敷にはふんだんに敷かれていたという赤穂緞通じゃございませんか?!lovely

(実は私も古いやつを2枚ゲットしております。なかなか状態のよいのが手頃な値段ででないのが残念)


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床は秋のしつらいで、いけてあるお花も花入れもさすがです。

この二畳の床は、残月床、表千家の残月亭の写しのようです。部屋の名前も「残月」でしたし。

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香炉も香炉台も菊の意匠です。


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鉄斎の額。実はこのすぐ横の天井に蛭釘がうってあり、このお部屋も釣り釜のできる茶室になるようです。

天井などの意匠も凝っていて、お茶をかじっている方なら、これは!とうならせる数寄屋の造りであります。


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最近改修したばかり、というお風呂。檜の香りがいいですねえ。日本人でヨカッタ、、、

お部屋でいただくお料理も、季節を感じさせる物ばかり。

味は京風の薄味のだしです。いく皿かご紹介を。


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お造りのお皿も乾山写し、お醤油入れも菊割り皿と菊づくし。

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この季節最初の(きっと最後の、、、)松茸をいただきました。土瓶蒸し。

鱧と生湯葉がおいしいこと!


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こちらも秋の吹き寄せ。

ムカゴ、銀杏、鯖寿司、生麩などなど。


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炭屋オリジナルの大吟醸は奈良、生駒の中本酒造さんのもの。

なぜ奈良のお酒か?

京都のお酒はどこでもだすので、鉢合わせにならないようにということと、あと炭屋さんの先代は奈良ご出身で、ご親戚筋なんだそうです。

お料理の邪魔にならないおいしいお酒、というコンセプトで選び抜かれたそうです。

さて、炭屋さんでは毎月先代、先々代のご命日に当たる7日、17日には泊まり客を招いてのお茶席が楽しめます。

じつはこれを目当てに、泊まる日取りを決めたのです。

でもお茶をまったくご存じでない方も気軽に参席できるように、というお席です。


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四畳台目のお茶室は「玉兎庵」、先代が卯年だったことにちなみ淡々斎が命名したとか。

この兎さん、楽ですよ。(覚?入造る、、、と読める)


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お軸は吉井勇の「京に来て うれしとおもふ しづかなる 利休ごのみの 宿の一夜を」

(この歌は玄関の石碑にもなっています。)

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席はこんな感じで。

ここの仲居さんは裏千家茶道学園などの卒業生も多いそうです。

リラックスした雰囲気でお茶をいっぱいいただきました。


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ここの客席の天井は変わっています。

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赤松の格子に桐の板を向きを変えて市松に。

ちなみに点前座の天井はよく見る葦張りで、床の天井は一枚板を薄く削った物?でした。

さて、先代の堀部公允さんという方はすごい方で、茶道への造詣深く、裏千家今日庵の老分としても重鎮として活躍された方だそうです。

実はクラシック音楽の大の愛好者でもあり、旅館の中にある十畳の部屋には当時の最高級のオーディオセットがあって、かつて音楽雑誌にその写真が良く載っており、オーディオファンの父はすごくうらやましかったそうです。

古株の仲居さんの話では、そのオーディオルームは当時の京都文化人のサロンになっていて、先代のお人柄を慕う作家さんや、歌舞伎役者、茶道関係者がたくさん集まっておられたとか。


いてはるんですよね、こういう地方の文化サロンの中心となるような求心力のある方って。

残念ながら最近では少なくなったといわざるをえないのでは。

仲居さんからきいた面白い話では、宿泊客をまねく気軽な茶会なので、浴衣でも参席OKなのに、「公允さんのお席だから、、」と、いきなり着物をきちんと着て、白足袋をはきだしたお客さんがおられたとか。

他のお客さんに悪いので、気軽な格好で、、、と念を押したにも関わらずそんななりで、しかも茶席に入るなり浴衣姿の他のお客さんを見て、「失礼な!!」と怒り出したそうな。

ほんとのお茶人さんなら臨機応変、座に合わせて自分が変化するべきなのにね。

、、、というエピソードがあるくらい公允さんはお茶の世界でもすごかったらしい。

この古株の仲居さん、すごく素敵な方だったんですが、いままでで一番緊張されたお客さんは、というと鵬雲斎大宗匠の今はなき奥様、登美子夫人だったそうです。

しゃきっとして、立ち居振る舞いも美しく、オーラがちがっていてつい手が震えて、お膳を逆向きにだしてしまわれたとか。

「あなた、逆ですよ。」とおっしゃたそうで。

美しい方でもありました。はなから無理ですが、あんな女性を目標としたいものですわ。

さて、部屋に戻るとき気がついたのは、私たちの部屋の隣に、晩年公允さんがお好みになられた一如庵があったこと。(拝見はできませんでしたが)


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炭屋さんでは本格的な茶事も定期的にされています。

京都に移住した暁には是非参加したいものだと申しますと、「是非初釜の常連さんになってくださいね。」と言われました。

あはは、、、常連さんは無理ですぅ〜。(お財布的に、、、、)でも憧れますわ。

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京都・炭屋旅館を参照しているブログ:

コメント

わ~!炭屋さんにお泊りされたのですか!
一度でいいから行ってみたいです。
お茶をいただいたのですねえ。はあ~!うらやましい!

ひいらぎ様

機会がありましたら是非。あちこちに茶味を感じるお宿でした。
けれどもひいらぎ様クラスになると、7,17日の気軽なお茶席では物足りないと思われるでしょう。ねらい目はやはり茶事ですよ。淡交社からみのものは少しお値段をおさえてある、とのことでした。

3つの老舗旅館の並んだ、麩屋町通、風情があっていいですね。
御幸町通、寺町通に、スグに出られる割りには、静かで、、、。
私の好きな通りの1つです。
それにしても、ひいらぎ様のお知り合いが、しぇるさんの撮った写真に写っていた、というのは面白いですね ! 思わず笑ってしまいました。
その方、「いつか・住もう・京都」の愛読者でなければいいのですが、、、。

S&Y様 ご心配なく その方は多分パソコンに強くないと思いますよ。時々 献茶でも こっくりされるくらいの年齢でいらっしゃいますが 許していただけると思います。
こちらは画面を見て クスクスと笑っていました。
ところで 炭屋の亭主の本は何度もみますが 数寄者という感じですものね。はあ~!ため息が出ます。
いつの日か伺ってみたいです。
主婦にはちょっと 清水の舞台です。
一昨日は家庭茶事招かれましたが 御礼は家庭茶事ですが 庸軒流の名残の茶事はすばらしかったです。
しかもこの茶事の目的は ガンを患った正客を励ますためのものでした。同じ席に治療中の方が他にもおられました。こういう優しさがうれしいです。
私はピンチヒッターで詰をいたしましたが 久しぶりの茶事で当日朝 本をひっくり返して伺いました。
静かで穏やかな秋の一日でした。

炭屋さんには寄せてもろたことがないのです。
もちろんお泊りなんて…!

ただ元板長さんと元仲居さん親しいので、
あれやこれやお話は伺ってます。

もちっと身廻りが許せるようになったら、
お泊り会誘ってくださいね~♪

S&Y様

週刊誌に書いてあったのですが、地方の活性化といって、地方都市の特色を切り捨て、あちこちにリトル東京を作ってしまったのが、地方没落のはじまりだったと。これを言っているのがなんとあのホリエモンというところが驚きでした。
伝統的な京都スタイルを貫いたのが老舗御三家の今日を築いたのかな、と思いました。

ひいらぎ様

コックリおばさまにお会いしても、このことはご内密に!coldsweats01
庸軒流のお点前は拝見したことがありませんが、黒谷さんの西翁院に庸軒さんの墓所があるのは知っています。(←よく学生心茶会の茶会が開かれるので)
お点前、お道具も大切ながら、人をもてなす心が茶の湯の一番大切な根幹だと思います。それにかなったすばらしいお茶事だったのだなあ、、と想像申し上げました。

うみうま様

祇園のあのお二方ですね〜。happy01
茶の宿としての炭屋さんのよさは、一見さんで一泊しただけでは本当はわからないのだと思います。常連になれましたらね〜coldsweats01あはは、、、(遠い目)
お泊まり会!ボンX2がもう少し大きくなられたら是非に!

しぇる様
こっくりおばさまにお目にかかっても 特に何も申しませんから ご心配なく~!
めったにお目にかかることがありません。
コックリはされると思いますよ。おきれいな方でしたでしょう。
炭屋さんの価値はやはりお茶をやっている方の方がわかるかもしれませんね。
しぇる様は親孝行ですねえ。きっと喜ばれたと思います。
うちはとうとう何もしないうちに母は亡くなりました。
父くらいは面倒をみないとね。
庸軒流はお客に合わせるの一番と教えられるそうです。

すばらしい親孝行されましたね、日本の家屋の美しさが保たれてるお宿ですものねぇ~
いつの日か私も一度は泊まってみたいものだと想っています。

有馬温泉の後、姉も一緒に京都リーガロイヤルに泊まり、十二段屋さんでお茶漬けサラサラしてきました。日本人に生まれてやはりよかったなぁ~とあらためておもいました。

これからも親孝行、ついでにご自愛もかねてコンプリートをめざしてください!

ひいらぎ様

親孝行というのもお恥ずかしいのですが、離れて暮らす今、このくらいのことしかできません。確かに墓に蒲団は着せられず、できることはしておこうと思います。

私は裏しか知らず、表さんのお点前も1〜2度見たことがあるきりです。他の流派のお点前も見てみたいですわ。

ヘルブラウ様

実は大きな問題が!
京都に住んでしまうと、わざわざこうした旅館に泊まろうと思うだろうか??
有馬温泉、我が家から車で30分ほどなんですよ。あそこも古い家並みがある界隈は味がありますよね。ヘル様、私よりよっぽど日本を楽しまれてます〜happy01

さすがに京都の老舗旅館はすばらしいですね。ご両親様もお喜びになられたでしょうね。
二畳の床ってはじめてみましたが不思議に贅沢な空間。それに、こういう老舗旅館の仲居さんのお話って興味深いですね。
献茶式といい炭屋旅館といい自分では経験できないので楽しく拝見しました。

yuchi様

この残月床、二畳あるので広い部屋でないとつりあいません。オリジナルの表千家の残月亭は十畳だそうです。まあ、四畳半に二畳の床ってないわなあ、、、coldsweats01
東京では椿山荘にこの残月亭写しがあるそうですよ。

仲居さんは高齢の両親がいたのでいろいろ昔の話をしてくださったようです。私一人では事務的なお話ししかできなかったかも。でも良いお話を聞けてよかったです。

もう10年以上前になりますが、お裏さんを嗜んでいた義理の叔母のお供で、先代さんのお茶席にお邪魔したことがあります。「あんたは表さんの顔やな…」などと親しくお話させていただき、お食事もいただきました…。そうですか、お亡くなりになられたんですか…オーディオの楽しいお話をされていた記憶が懐かしいです。
炭屋さん変わりませんね。けど炭屋さんでも玄関に餅花が飾られるようになったんですね。俵屋さんにもありました。でもお正月のものなんですけどね~?。
餅花は京都では飾る風習はなかったのですが、ここ10年くらい、旅館だけでなくお茶屋や料理屋にも、お正月飾りされるようになりましたね。
俵屋さんは東京の友人が節分のころ(節分おばけが目当て)に必ず泊まるので、同席させられます。私は芸妓や舞妓、地方さんの手配です。まるで幇間(笑)。
富士の間の舞台で舞を見ながらご酒と料理をいただくのは、まことに結構なひと時ですが、もちろんスポンサーは友人です。
今年の節分では、控えていた芸妓舞妓が宿泊の外人さんの目に留まったらしく、舞の鑑賞や写真撮影に飛び入りの無礼講でした。
柊屋さんは最近新館が落成したそうですね。新館には伺ったことはありません。以前、ある仲居さんが「東京の方のお供で来られる京都在住のお客様が一番怖いと…」。そうでしょうね~イケズでこうるさいでしょうね~。

へちかん様

公允さんのお席がどんなにすばらしかったかという噂は良く見聞きします。5年ほど前に亡くなられ、お嬢さんががんばっておられますが、父親を越えるのはそうなまやさしいことではないでしょうね、とちょっと気の毒に思います。それを乗り越えて円熟されますように。
でも、ご存命のころのお茶席をみてみたかったなあ。へちかん様、よい経験をされたのですね、うらやましいです。
餅花は信州あたりの習慣だったと聞きましたが、いつ片付けるかは土地によって違うようです。私は単純に、あ、来年の準備?なんて深く考えませんでしたが、それでは確かに早すぎますよね。
俵屋さんでは希望すればお客さんが餅花作りに参加できるそうですよ。
それにしても京の老舗旅館、格式が高いだけでなく、車椅子対応もきちんとしていただけて、私としては120点でした。

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