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2009年9月25日 (金)

ベトナム紀行・2〜バッチャン迷路

茶人が愛するお茶碗に安南手というのがある。

文字通り安南=ベトナムで焼かれた陶磁器で、典型的なのはトンボの染め付けで蜻蛉手とよばれることも。

デザイン化されたトンボが描かれているのだが、これは茶道がもっとも盛んだった16世紀に日本の茶人が注文して焼かせた物だという。

今では安南焼といえばトンボ柄というくらい、どこの店を見てもトンボのデザインの陶磁器が幅をきかせている。

ハノイの少し郊外に行くとトンボがたくさん飛んでいたのも確か。

このトンボを見て、安南人がもともと伝統的トンボ柄をもっていたのでは?と思ってみたが、日本以外の輸出国ではトンボ柄のものはみつかっていないらしい。

身の回りのありふれた生き物に美を見いだしたのはやはり日本人の美意識だったのかな。

鎖国するまで、安南には日本人町がたくさんあったので、文化の交流もさぞさかんだったのだろう。

前置きが長くなったが、ハノイから車で約30分。バッチャン村は500家族ほどの住人のほとんどが陶磁器生産にたずさわるという、安南焼の歴史を受け継ぐ小さな村。

(バッチャンへはツアーもありますが、個人でゆっくり回ろうと思ったら、TAXIチャーターがいいです。料金も半日2000円いかないという涙が出る安さ!)


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バッチャンでとれる赤い土。焼いてもどっしり重い土だ。

さて、村の迷路を堪能。


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火事になったらどうやって逃げるんだろう、と心配なくらい細い道に家が並んでいる。


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ところが家の中をのぞいてみると、、、、


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意外に広い。庭も十分ある。

そして迷路の中には当然ながら工房も点在。

ここは轆轤、ここは絵付け、ここは窯、、、と分散して存在する。


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真剣に絵付けをする若い女の子。

ティーンエイジャーもりっぱな働き手だ。


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絵付け中の大壺。

これは焼くときれいなブルーの染め付けになる。

ホテルのロビーにも飾られていたが、一般のお宅ではちょっと邪魔になりそう。

さらに迷路をぐるぐると、、、、

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旦那と、案内してくれた焼き物製造販売のお店の女性。

ハノイの日本語センターで日本語を習ったという、ちょっとあやしい日本語をしゃべる、笑顔がかわいいベトナム女性。

まだ少女のように見えたが、実は子供さんもおられるとか。

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この頃は窯もほとんどガスを使うそうだが、なかには昔ながらの炭を使う窯も残っているそうで、ここもその一つ。

この壁の丸い、手形がある物、なんだと思います?

実は炭を丸めて壁に貼り付けて、乾いたあとに剥がして窯に使う、炭団なのだ。


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彼女が突然こちらへ来い来い、というので行ってみると、、、


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おばさんがまさに炭団を壁に貼り付けている最中。

同じ大きさに丸めて器用に壁にぺたんぺたんとリズミカルに貼り付ける。


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写真を撮ったら笑いながら炭で真っ黒になった手をさしだして、お金をくれ、と。

まあ、そんな真っ黒なべたべたの手にお金をわたすのもなんだし、そこはお互い笑って冗談ですませるcoldsweats01


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迷路をくぐりぬけると、そこはホン川の開けた景色。

そして、暑い、、、、、


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ガイドしてくれた彼女の店にもどって、お茶をいただく。

もちろん、このお茶セットも、テーブルもバッチャン焼。

左に見えるのはベトナム式うちわ。これがなかなかのすぐれものだった。

お茶は蓮の葉茶、とても不思議な香り。


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店の中をみせてもらうが、この日は停電だとかで、広い店の中の物がよく見えない。

ほとんどが生活雑器ともいうべきもので、普段使いによさそうなものばかり。

もちろんトンボ柄のものもいっぱい。

抹茶茶碗に使えそうな、安南手といえなくもない茶碗を2つゲット。申し訳ないくらい安い、、、。


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うれしいのはこんなにかわいくパッキングしてくれたこと。

この手籠、掛け花入れにも使えそう。


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本物の「安南焼」には違いない。

手の中にすっぽりいれて、はるか昔、ここで作られ日本の茶人に愛されるために海を渡った茶碗について思いをはせてみた。

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コメント

しぇる様はベトナムだったんですね。盛り沢山のレポート、いつか行く時の参考にします。
私は茶の湯文化学会のツアーで、ソウルに行って来ました。内容は、韓国茶人連合会とのシンポジウム、交流晩餐会、博物館、窯元、李朝の窯跡見学などびっしり。しぇる様の大先輩の倉沢行洋先生、谷晃先生とご一緒で、他の団員も刺激的な方が多く、食べ物がこれまた美味しいし、とてもとても楽しんできました。

おとといのお稽古で安南手のトンボのお茶碗を使いましたが、このトンボのお茶碗とってもいいですね。かごに入れたパッキングが可愛くて得した気分になるんですよねこういう気配りサービス。
細路地とホン川が印象に残りました。お稽古でトンボのお茶碗を使うたびにこの風景を思い出しそうです。

わ~!ベトナムだったのですね。
茶人にとって 安南手って魅力的ですよね。しかも茶碗になりそうなのをゲットされてよかったですね。
いつの日か御目文字叶えばうれしいです。

そらいろつばめ様

まあ!高麗茶碗のふるさとで、そんな学術文化の薫り高いツアーが!lovelyこれまたうらやましいお話です。ソウルといえば食べることとエステしか頭に浮かばないのがおはずかしい。
普通の観光とひと味違った、茶道の観点からものを見ることができる、というのはなかなか楽しいことです。きっと収穫は多かったことでしょうね。

私の記事は観光案内には全然役にたたないと思いますが、雰囲気がおつたえできればうれしいです。

yuchi様

もともとこれは飯茶碗とおかずを盛る器のようです。でもずっしりと意外と重く、お茶を点ててみたら良い感じでした。まあ、井戸茶碗ももともとは朝鮮半島の飯茶碗ですし、、、coldsweats01
私もこれから安南手を手にすると、お茶室がバッチャンの青い空とじりじりとした太陽の景色に一瞬かわりそうです。

ひいらぎ様

しぶいちょっと時代の安南手、いいですね〜。
私がゲットしたのはかせた感じがまだないので、これから使い込んでいきたいです。
でも、お値段を聞かれるとびっくりされると思いますよ。重くなければもっと持って帰りたかったんですけれど。
この茶碗を使うお茶事のテーマはなにがふさわしいかな、とあれこれ空想するのも楽しいです。

安南の茶碗もそうやってお茶を点てて よい風情になるまで使われるのがよいと思います。

ひいらぎ様

はい、今日も栗おはぎをいただいて、この茶碗で一杯ずつ、旦那とお茶をいただきました。赤い方は小振りなので茶箱用に使おうかな、と思案中。

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