フォトアルバム
Powered by Six Apart

« 2009年7月 | メイン | 2009年9月 »

2009年8月

2009年8月30日 (日)

さよなら心斎橋そごう

長堀から心斎橋まで、全長730mの地下街、クリスタ長堀です。


P1010967

大阪市の第3セクターとして鳴り物入りで出発しましたが、多くのものがそうであったように、財政のお荷物になって破綻した後、現在は民間会社が運営しているそうですが、土曜日の午後にこの閑散とした感じ、、、、大丈夫かな?

(なんとなく京都の御池Zestを連想させる、、、、あれも第3セクターですよねcoldsweats01

心斎橋でめざしたのはこちら。


P1010968

8月31日をもって営業終了する心斎橋そごうです。


P1010969

心斎橋はそごう創業の地なので、関係者は忸怩たる思いがあるでしょうね。

平成12年、一時閉店しましたが、その五年後、リニューアルオープン。

その時のCMが、おかっぱ頭でレトロ着物を着た宮沢りえちゃんで、コピーが「お遊びに、お買い物に」(だったと思う)。

とても印象的でかわいかったので、早速行きましたよ(ミーハー)。

あれからまだ4年しかたってないのですねえ。

P1010970

カウントダウンセールで結構な客入りでしたが、土曜にしてはいまいち少ないかな、、、という印象。

ここらへんはやはり景気の影響でしょうか。

私がお気に入りなのは、昭和初期のレトロタウンを再現した11Fの心斎橋筋商店街

P1010971


和をテーマにした趣味のお店がたくさんで、ぶらぶら歩きも楽しいのです。


P1010972

呉服屋、アンティーク着物、紙細工、竹細工、布細工、骨董、などなど、私好みのお店がずらり。

以前、ここの古着屋さんのひとつで、一目惚れして買った縮緬の帯、とてもお気に入りで重宝してます。


そういえば、そごうの創業は明治の初め、古着商からの出発だったそうですね。

P1010974

この呉服屋さんは天井が梁のむき出しになっていて、ここは京都の町家の呉服店かしら〜?と錯覚してしまいます。

レトロ感がこの場所にぴったりだった丸福珈琲のかふぇもあり、こちらには行列が。

残念だな〜。ここがなくなるのは。

でも、この建物はおとなりの、長い間のライバル、大丸のものになるようですが、今後どんな展開をするのか、興味はあります。


さて、竹籠花入、オールドノリタケ、古伊万里、、、欲しいなあ、と思う物はみんな閉店セールのわりにはお安くなっておらず、あきらめて、、、、

P1010975

こちらのお店、岩田蒲団店。(実は天保年間創業の京都の寝具メーカー、イワタなんですが)


手に入れたのはこちら。


P1010980

長さは普通のふとんと同じ。ただし、幅が半分、その名も「鰻の寝床ふとん」。

お昼寝用にぴったりなんだな、これが。

カバーは木綿ですが、柄は名物裂なのがおもしろい。花兎紋や利休梅、刺し子風や間道など色々ある中から選んだのは、更紗風、葡萄唐草のもの。

それから地下のお菓子売り場をひやかして、鶴屋八幡の琥珀糖を。


P1010981

夏でもなく、秋でもない季節に微妙ににあう色です。


P1010983_2

そして、心斎橋そごうにさよならです。

大阪ではキタもミナミもデパート戦国時代にはいったようです。

昔ながらの創業地で堅い商売をする、というのはもう時代遅れなんでしょうかねえ、、、


P1010985
(ミニ剣山を買ったので試しに花をさしてみました)

2009年8月28日 (金)

大阪・本町あたり〜平岡珈琲

用事ででかけた本町あたり。


P1010958

青い銀杏並木の御堂筋です。

このあたり、大阪のビジネスの中心、どっぷり船場。

いわゆる浪花言葉とは船場で使われていた言葉をいうそうで、「細雪」の世界ですね。


P1010962

浄土宗本願寺派、本願寺津村別院。

大阪の門徒さんの祈りの場所、通称「北御堂さん」。

(少し南に真宗大谷派難波別院・通称「南御堂さん」があって、淡交会の研究会はここでおこなわれています)

あまり時間の余裕がなかったのですが、ここまで来たのだし、湯木美術館へでも行こう!


P1010956

おお、ここじゃここじゃhappy01

数年前世間を騒がせたことが記憶に新しい吉兆ですが、その創始者、湯木貞一の茶道具のコレクションはすばらしいのです。

ありゃりゃ?coldsweats02


P1010957

あちゃ〜、、、、休館中だったのかあ、、、

こういうパターン、なんだか良く繰り返しているような、、、。ちゃんと調べずに思いつきで来るからいけないのねweep

来月のリベンジを誓う!

でも、このあたりには一度行こうと思っていた例の喫茶店があるのでは、、、、、(すぐ立ち直る)


P1010953

あった、あった!ここは、やってる。
平岡珈琲店

自家製ドーナツがおいしいと、ハンブルグにお住まいのヘルブラウ様におしえていただいた、お店です。

大きなビルの建ち並ぶビジネス街にひっそりとある喫茶店、家族経営されているお店です。


P1010954

これがうわさの自家製ハードドーナツ。

かりっとしておいしく、これがまたどっしりとしたコーヒーにあうんだなあ〜。

こんなコーヒーらしいボディのしっかりしたコーヒー、久しぶりに飲んだ!

小さくて手狭な店ですが創業はなんと大正10年だそうです。椅子もテーブルもレトロ感があってよいですよ。

2代目のおじいさんがカウンターに腰掛けてのんびりTVをみておられるのも、緩やかな雰囲気をかもしています。カウンターの中でせっせと働いているのは3代目さん。

奥様、おばあさんもいっしょに働いておられます。

と、入ってきた中年のカップルさん。ドーナツとコーヒーを早速たのんで、

「ここくるの10年ぶりです。カウンター新しくされました?」と。

長い間、環境や時代がかわっても変わらずにあるもの。

ここは都会のなかの小さなオアシスですか?


P1010963

記念にマッチをいただいて帰りました。

ここを出て、御堂筋に面した場所に、こんなところも発見。

P1010961

一瞬、スタバのマークの色違いか?と思ってみると、

「ドリンク各種 ¥0  おかき各種  ¥0」

おお、これがうわさの(?)7月オープンしたばかりのフリーカフェ播磨屋ステーション御堂筋店

京都にもあるとは聞いていたが、大阪のこんな町中の便利なところにも進出かあ、、、、


P1010959

おかきの播磨屋さんの企業ボランティアだそうで、ドリンクフリーにおかきBarがつくところがユニークですね。

播磨、というくらいで、創業の地は兵庫県生野、だから阪神間のおうちには、必ず一つは播磨焼き、朝日揚げの四角いブリキの缶があるはず。

もちろん、うちにも2〜3個ありますよ〜。カレー味の揚げおかきがまた、おいしいのlovely(カロリー高そうだけれど)

でも、まあ、今日は平岡珈琲さんですごく満足したので、こちらのお店にはまた後日。

2009年8月26日 (水)

葉月最後の雑記

急に朝晩涼しくなりました。

しのぎやすいのですが、体がついていかん、、、。

<その1>

ついてこれないのは自然界も同じらしく、秋に活動が活発になるスズメバチがすでに南禅寺付近で(あれネジリマンポのちかくやね?)大暴れしたみたいだし、、、。

我が家でも秋明菊、その名も秋の菊がもう咲き始めました。例年より少し早いようです。


P1010934

ヤマユリも盛りをむかえました。

清楚な花ですが、残念ながらあっというまに枯れてしまいます。


P1010933

こちら、まもなく紫蘇の花に似た紫の小花をつけるハナトラノオです。


P1010935

庭をみると秋の訪れを一足先に知ることができますね。

<その2>

一足さき、といえば猫たち。

暑さゆえ、だら〜んと開きになっていましたが、ここ数日はちょっとまるまってきました。(まるでバイメタルのようです)

で、こんなご開帳すがたも今年はそろそろ見納め。

P1010742

あら、お嬢様、はしたない、、、、coldsweats02


P1010898
P1010897


<その3>

月曜は茶屋町、阪急ガード下の月曜だけのカフェ、お気に入りのsugar toothさん。


P1010936

この日の「今日のお菓子」は、デラウエア+プルーンのタルト。

お願いして、トライフルとのハーフ&ハーフにしてもらいました。

おいしかったのlovely   しあわせ、、、


P1010938

例によって手作りジャムを買い込んで、おみやげにクッキーを。

このかたち、sugar toothのarincoさんがコック帽をかぶっている形なんですよ。(参照:赤いシールのイラスト)

<その4>

武庫之荘にある和布の手作りのお店、とみしまさん。

今回はこんなのをお願いしました。

P1010939

紗の着物をリメイクしたはおりもの。

(モデルがいまいちなので、ハンガーにつるして公開)


P1010941

紗のもようが涼しげでしょ?フード付きです。

このフードもなんですが、メッシュになっていて、とても手がこんでいます。


P1010940

なぜメッシュかというと、、、、


P1010943

同じくとみしまさんでみつけたこのバッグ、いたく気に入って手に入れたのですが、これを覚えていてくださって、これにあわせてわざわざデザインしてくださったのです。

裏もやはりメッシュなんですよ〜。


P1010944

このはおりものも、バッグもまさにこれからの季節、活躍しそうです。happy01

2009年8月23日 (日)

お茶のお稽古・溜精棚

本日のお稽古のお花


P1010924

金水引、ひよどり草(アゲラタム?)と、、、、、、


P1010925

これがまた玄人受けのする、シラサギカヤツリソウ(白鷺が羽根をひろげたようですね)

よくみると地味な花なのに、すごく目をひきます。

こうして1本だけ活けてあるのもすてきですが、写真などで群生しているのを見ると白鷺の群れのようでさらにすてきです。

名前がわからないのがこちら。


P1010932

1本の茎から、風車のように小さい花がついています。

キキョウ系のようですが、どなたか名前をご存じでないかしら?

(こもれび様におしえていただきました。ツリガネニンジンというそうです。ありがとうございました。)

P1010930

お稽古は溜精棚(りゅうせいだな)を使って、貴人清次濃茶のお稽古。

溜精棚は淡々斎好みで、棚の片袖が茶杓の柄を組んだもの、というのが特徴です。

裏千家にある逆勝手六畳の茶室、溜精軒の使いふるしの柄杓の柄でつくられている下地窓を写したものだそうです。

(溜精軒は除夜釜の時だけに使われるそうです。)

始末の精神が生きていますね(というか作為的な貧乏ったらしさ、、、って気もするんですが、、、coldsweats01

寂びたるはよし、さばしたるは悪し、、というか)

P1010927

お菓子の銘は「氷花」

裏返しになっていますが、いそいで使わなくちゃ、、、の酸漿の懐紙で。

貴人清次濃茶は、薄茶とちがって、お次の茶碗は貴人さんがお茶を飲まれてから持ち出しになります。

茶巾、茶筅の置き換えなし、仕舞つけは貴人茶碗で。

ははは、、、、さっぱりおぼえとらんなあ、、coldsweats01

貴人清次濃茶付き花月、、、なんて頭の体操以外のなにものでもない花月もありましたなあ、、(遠い目)


P1010929

この日の薄茶器は、これ。

実は、昔中国では、お茶をこういう陶器の入れ物に入れて売っていたそうで、その入れ物なんだそうです。

現在では、茶葉は缶や紙箱で売られていて、こういう入れ物はもう手に入らないんですって。


なんだか龍がとっても、おちゃめ。

一つほしいなあ。


<おまけ>

ちょっとめずらしい(私にだけかも、、)お茶のお菓子をいただきました。

宇治のお茶屋さん、伊藤久右衛門さんのゼリーなんですが、、、

P1010899

焙じ茶ゼリー!!

もひとつおまけに煎茶ゼリー!!


P1010923

そりゃ抹茶プリンなんかもあるけれど、私にはちょっとびっくりの組み合わせ。

でもしっかり焙じ茶、煎茶の味がします。

おまけにほんのりの甘さが意外と調和しています。

お子ちゃまには向きませんが、大人のゼリー、、、でした。

2009年8月20日 (木)

黄昏の岡崎〜好日居

今回はちょっと用事で京都へ。

いよいよ京都の家にむけて具体的スタートがきれそう。(でもまだまだ遠い道のりなんですけど。)

というわけで、来年は地元になるはずの岡崎を黄昏時に散策いたしました。


P1010903

三条通から神宮道へぬける白川疏水。

まだまだ蒸し暑かったのですが、どことなく暮れていくのが早く感じられる季節になりました。


P1010908

地下鉄の東山駅から平安神宮方面へ、近道として利用する人の多い疏水べり。

歩くのが気持ちのいい小径です。

ちなみに右手に見えるおされなオープンカフェは、人気の持ち帰りデリカテッセンのオ・タン・ペルデュ付属のサロンカフェ。

一度お試ししたいものですが、いまだに行けていません。

さて、めざしたのはすっかりお気に入りの、未来のご近所さん、中国茶をいただける好日居さん。


P1010909

おお〜!

話には聞いていましたが、お隣はすっかり更地になっています。

ここには最近まで大谷石でできたレトロモダンの味のある建物がたっていたのですが。

ついに好日居、両隣が空き地になりましたね、と言いますと

「ほんとに宙にういてる好日居になりました。」と。

新しい建物が建つようですが、○○ホームなので、日本建築ではなく、2x4のモダンなお家になるだろうなあ、、、

このあたり、古い伝統的日本家屋がたくさんあって良い雰囲気なんだけれど、こうしてやはり景色はかわっていくんですね。

ちょっと残念。


P1010910

でもずっと変わらないでいて欲しい、好日居。

今年4月、nagiちゃんの消しゴムはんこ展やっていたとき以来だからもう4ヶ月のご無沙汰。

P1010911

すっかりおちつくカウンターにすわって、まず、小谷真三さんの倉敷ガラスのコップでお水をいただきました。

なにげないお水がおいしくなる「魔法のコップ」なんです。


P1010912

黄昏時をねらってきたので、今回も私ひとりで独り占め。

(好日居さんの閉店は「日没どき」なので、微妙な時間をねらっていきました)

坪庭の背景は、おとなりの敷地になっているので今は更地。

布でカーテンのようにカバーされていますが、やはり坪庭はconfineされた空間だからこそ、緊張感のある美しさがあるんだな、と再認識。


P1010915

鳳凰水仙茶を。

花のような香りを楽しみながらいただきます。3〜4煎までいただいたかしら。

それにしても、斧かなにかの削り後のある、このカウンターの木、りっぱです。

P1010917

カウンターの上にあった一見木のボールに見える、陶器の水盤。

蔓性の花がさりげなく。とても良いセンスですわlovely

好日居さんが計画されているすてきな場所と趣向のお茶会のはなしやら、好日居でやっているうつわの金継ぎの会のはなしやら、いろいろおうかがいさせていただきました。

なんだか楽しい計画ばかりで、ああ、京都にもう住んでいたら参加できたのに、、、と悔し〜weep


P1010916

ふと玄関の部屋を見ると、、、、

ああ、これは例の裁ち板ではありませんか。

私も、こういうふうに使いたくてネットでゲットしたのです。

好日居さんのお友達の古い町家の倉庫にねむっていたそうで、以前来たときには板だけでしたが、足をつけられたのね。

やっぱりいいわ〜。

そろそろ閉店の「日没時」が近づいたので、失礼することに。

P1010918

外に出るともうちらほら明かりがともる疏水べりです。

動物園の近くに骨董の電灯ばかり扱うおもしろい電気屋さんがあります。

P1010919

以前は木屋町でしたかしら?別の所にあって、昨年くらいに岡崎にこしてこられたタチバナ商会さん。

実は京都の家にも、こちらのアンティークの電灯を使おうという計画です。


P1010920

ちょっと玄関先だけ、のぞかせてもらいました。

吹き抜けの天井からこれでもか〜とばかりぶら下がるアンティークランプ、迫力です。

でもこの乳白色ガラスの電灯はなんだか懐かしい感じで、よい雰囲気ですね。

さて、家にたどり着きますと、小腹がへっていましたので、早速、寺町の舩はし屋さんでもとめた、クセになる「福だるま」を。

P1010922

これ、やめられない、とまらない、でおいしいんですよ〜。

ある方はこれを見て、横浜の名物、崎陽軒のシュウマイ用の醤油容器、「ひょうちゃん」を思い出されるそうですよcoldsweats01

確かに、似てます!

2009年8月15日 (土)

なら燈花会〜春日大社万灯籠

(きょうは黒い写真ばっかりですcoldsweats01

お盆の時期にあわせて10年前からおこなわれるようになった、なら燈花会。

考えてみればここ10年以上、お盆の時期はず〜っと旅行中だったので(よって五山の送り火も何年も見てない!)、この時期うちにいるのも滅多にないチャンス。

というわけで、夕暮れ時から奈良に。

駅をおりると、、、、、

なんじゃ、こりゃ〜〜〜!!(松田優作風に、、、)

あの、いつ行ってもあんまり人気がなくて、夜は怖いくらい真っ暗な奈良公園が、人・人・人、、、でうめつくされているではないか〜っ!!

暗闇にぼんやりうかぶ燈火、目をわきにそらすと漆黒の闇、、そこをそぞろ歩き、、、という思惑は見事にはずれましたが、、、

それでもなお、いつもと違う顔をみせる奈良公園、幻想的なほの暗いロウソクの灯りにみちびかれて涼しい夜風に吹かれて歩くのは素敵な体験でしたわ。


P1010850

さあ、夜の滑走路のような灯りに導かれて、幻想的な奈良のanother worldへご案内しましょう。

P1010826

まずは土産物屋がたちならぶ三条通の階段。

P1010833

猿沢の池。

背景に興福寺の五重塔が見えるでしょうか?

この灯りはひとつひとつ、ちゃんとロウソクがはいっているのですよ。

写真ではうまく再現できませんが、しいていうなら20Wくらいの電球(かなり暗いですよ)の明るさです。

灯りなのに、その周囲の暗さがひきたつ、、、というか。


P1010837

春日大社へ通じる一の鳥居から、人混みを少しでも避けようと、いつもお水取りのときにお世話になる青葉茶屋のある、片岡梅林の方へ。

ここに数寄屋風離れがいくつか点在しています。公園内の旅館・江戸三です。

その離れの一つ。玄関の風情が、特に夜灯りの下で見るとすてきなので写真に。


P1010840

鷲池にほのかに浮かぶ、浮見堂。

舟も何艘もでていて、揺られて動く、舟の灯りがまたすてきでした。このあたりとても涼しい風が吹きます。


P1010845

燈花会から連続して、この日は春日大社の万灯籠神事もおこなわれます。

P1010849

この春、藤を見に来た春日大社の長い長い参道が、まったく違って見えます。

人が大勢いなければ、ちょっと異界へ導かれてしまいそうで怖いです。

春日山原生林、もう夜気にしっとり森の匂いというか、木の匂いというか、、満ちています。

さすが、神聖な場所、という感じが不信心な私でもしました。

この灯りの道からちょっとでも目をそらすと、そこは何が潜んでいるかわからない、闇です。

都市の中にこんな広い範囲に闇があるなんて、奈良だけだと思うのですが、、、、。


P1010848

飛火野あたりもまっくらで、山の稜線だけがかすかに見える、、、そんな奈良だから、このような大規模な灯りのイベントができるのでしょうねぇ。


P1010860

(なんだかわからない画像ですねcoldsweats01

これは春日大社の灯籠に火がはいっているのを木立越しに参道からみあげたところです。

灯籠が宙に浮いているように見えて、一番幻想的な景色。

ほんとうに暗いくらい灯りです。一つ一つがお精霊さんの魂にみえて、おもわずこちらの魂もひきこまれそうに、、、

P1010870

もともと万灯籠神事は雨乞いのために行われた、という記録があるそうですが、明治の頃から節分に、昭和4年から中元にも行われるようになったとか。

この時期のは夕涼みがてらよろしいですが、厳寒の節分のころの灯もまたいいでしょうねえ。

一度こちらも行ってみなければ。


P1010863

若宮さんの前で献灯をつのる巫女さん。

前髪にさした藤の花のビラビラがいつもすてき。夜見るとさらに神聖度があがります。


P1010873

灯籠の意匠はさまざまですが、寛永、とか天保などの年号も見え、「天地人」の直江兼続が献じたものもあるそうです。

お参りして、また奈良公園、燈花会にもどってきました。

P1010880

東大寺をめざします。

ここらは大仏殿の鴟尾をのぞめる春日野園地。お水取りの時に、いつもここをつっきって二月堂をめざします。

一面の燈火はこれまた圧巻でした。

P1010878

これを準備されたり、片付けたりされるボランティアのかた、大変だったと思います。

でも、静かに感動させていただきましたよ。

P1010886

東大寺に近くなると、夜にも関わらず、営業にいそしんでおられる鹿さんたちも。

残念ながら大仏の夜間拝観は時間切れで終わっていました。

なんと2時間以上も歩き回っていたことになります。

翌日は東大寺の万燈会で、大仏様の顔の高さにある、観想窓が開いて、外からお顔をおがむことができるようです。


P1010890

南大門をみると、、、おおっ!

いつもお水取りの後、ここを通るのですが、暗闇に近い中で見るこの金剛力士は、ほんとに怖い。

天邪鬼でなくてもびびる、、という感じなのですが、この日はライトアップ。

美術品としては、この方が効果的ですが、怖さは半減しますね。信仰の対象としてはどうなんでしょう。


P1010892

夜も更けてきました。

帰りの駅に向かう途中で、最後の燈花会会場を。

この規則的な配列、ここはどこだかわかった人は奈良通ですね。

はい、そうです、奈良国立博物館です。

ここにお別れして、奈良・another world trip から帰って参りました。

2009年8月12日 (水)

京都紅茶倶楽部〜五条坂陶器まつり

六道の辻を出まして、やっとこの世に帰って参りましたcoldsweats01

時折小雨のまじる、むしむしと暑い日でしたので、まずはのどを潤して涼みましょう、と五条通の1本北、柿町通りはもちや様御用達の京都紅茶倶楽部さんへ。

P1010808

このあたり、花街・宮川町の近くで、りっぱな町家や仕舞屋がまだまだ残っています。

はじめてお邪魔しましたが、かわいいお店です(お店のご主人はおぢさんでしたがcoldsweats01)。

世界の紅茶の便利なポット用パックから、計り売りまで。かわいらしいクッキーやキャンディもあり、それらが手作り巾着にはいっているのです。

巾着もたくさん売られていて、和風の布のが多いのですが、手作り感がたまらなくキュートです。

P1010817_2

同じく手作り感いっぱいのティーコゼもありました。(おぢさんが作ってるんじゃないですよね?奥様?)

ホットならお気に入りのカップが選べますし、中にはカップをキープされている常連さんもおられるようです。

のどが渇いていましたのでアイスティーにしましたが、これまたおおぶりのワイングラスになみなみと!

これにアイスクリームプラスだと、アイスまでてんこもり!(写真がないのが残念です)

おまけにおかわりまでいただいて、のどの渇きもすっかり癒えました。

こちらを出るときに、皆様とはおわかれして、けっこうな降りになってはいましたが、せっかくここまできたのですから、と五条坂陶器まつりに足をのばしましょう。

もちや様には最後までつきあっていただきました。(雨の中、ありがとうございました。)

この陶器まつり、六道参りの参拝客目当てに始まったといいますが、年々規模が大きくなって、今では川端通りから東大路まで、五条通の北、南にびっしり焼き物を売る屋台がならびます。

P1010810


天気のいい日はもっとすごい人出だそうですが、雨なのでわりと楽に進むことが出来ました。それでも観光客、地元の人、外国人、入り乱れて、、、、

P1010811

人の器にかけるこの情熱はなんなんだろう?と思いつつも、いつかその情熱に自分もまきこまれておりましたわ。

欲しい物はいくつか、しかし雨だし、着物だし、宝塚まで帰らないといけないし、背負って帰るようなデカイ物はちょっと、、、、。

と、一軒の大きな間口の堂々たる町家のお店が目に入りました。


P1010812

ついつい町家の匂いにひかれて(?)お店の中に。

普段はきっと重々しい戸が閉まっているのでしょう。

陶器まつりの間はこうして戸をとっぱらって、露天に商品を並べているので、気軽に入りやすい。

見れば主に金彩がふんだんに使われた豪華で、そのうえデカイ、薩摩焼き風の壺があちこちに、、、。

ガイジンさんが喜びそうだけれど、普通の家にはにあわない、、、、、というか、置く場所ないし、、、。

それよりも築100年はすぎてるとおぼしき町家の風情、こっそり垣間見える走り庭、古い木の放つ匂い、などを楽しんでいましたが、おっ?!あれに見えるは抹茶茶碗では?

大きな壺の片隅に、茶碗コーナーがありまして、これがまた私好みの絵柄のお茶碗ばかりで、、、lovely

お値段が手頃なのも、ステキ!

お店の方が次々に出して、見せて下さるので、あれこれ手に取り、眺めまわし、酸漿(ほおづき)の柄とどちらにしようかと迷ったあげく、こちらの夕顔の平茶碗をお持ち帰りすることに。気がはらない友人たちとのお茶会で使えそうです。

P1010813_2

茶道雑誌「淡交」の今月号の表紙が尾形乾山の夕顔茶碗だったのが、脳裏にこびりついていたようですcoldsweats01

あとで調べてみますとこちらのお店、暁山さんという歴史のある京焼きのお店でした。

多分、普段の日では敷居が高くて入る勇気がでないお店なんだと思います。

まあ、陶器まつりの開放的雰囲気が後押ししてくれたようです。おまけに屋台ではあたりまえの、値段交渉(いわゆる値切り)までしちゃったし(汗、汗)

そろそろ夕暮れ、雨でなければもう少し日が暮れた陶器まつりの屋台の灯りを楽しみたかったのですが、、、。

ここらで又吉さんから始まった、楽しい1日は終わりとしましょう。

2009年8月11日 (火)

安井金比羅宮〜六道参り

又吉さんを出て、そのままほそい小路を南下します。

まず行き当たるのが安井金比羅宮。

P1010780_2


縁切り、縁結びの神様として有名です。

縁切り、縁結びの碑。形代という紙のお札に縁結び、縁切りのお願いを書いて貼っていくのです。


P1010784

縁結びのお願いはかわいらしいのがおおいのですが、なかには結構ぞっとするような願いを書いた縁切りの形代も多くて、、、

そう思ってみると、その思いが凝り固まったような、わさわさ蓬髪のあやかしにもみえてきます。ぞぞ〜っ!shock

この碑は中がトンネルになっていて、裏から表へぬけると縁結び。

反対に表から裏へぬけると縁切りだそうです。

今年出雲大社でめったにでない大吉のおみくじをひいた、あんのちゃん、もちろん良縁結びを願って、裏から表へ。

スリムなあんのちゃんが「けっこうきつい」そうなので、私なら絶対骨盤あたりでひっかかりそうです。いまさら良縁という年でもありませんが、、、、。

金比羅さんをあとに、さらに南下します。

P1010777

このあたり、しっとりしたいい風情です。

古屋を改造したお店もあるようです。

P1010778


P1010786
ちょっと変わった、破風(?)のあるお家。洛中ではまず、見ないような意匠の家ですね。

しばらくいくと、、、、ななんだかすごく長い行列が、、、

これが六道参りで迎え鐘をつく、順番待ちの行列だったんですねえ。

京都の人たちは、お盆の入りにお精霊さん(おしょらいさん:ご先祖さんの魂)を迎え鐘をついてお迎えして、大文字の送り火の日にまた、あの世へ見送るならいだそうです。

P1010798

このあたりは平安時代の葬送の地、鳥辺野の入り口で、六道の辻、つまりあの世とこの世の境になるそうです。

ここを中心に、小野篁の地獄通いで有名な六道珍皇寺、檀林皇后九相図で有名な西福寺、空也の像で有名な六波羅蜜寺があります。

このあたり、とてもおくわしい、もちや様の説明を聞きながら拝見できましたのはありがたかいことでした。

(なんにも知らんので、一人だったら、見るべきポイントを外してたと思う)

P1010789

六道珍皇寺。


入り口で売られている高野槇の枝。

P1010795

ご先祖様の戒名をかいた水塔婆に、この高野槇で水をかける水回向。この槇の枝をつたってご先祖様が帰ってくるとか。

P1010791

これが水塔婆。線香の煙で清めているところのようです。

P1010799

西福寺。

小さいお寺ですが、六道参りのこの時期はお参りの方が一杯です。

(次の画像は気の弱い方は見ないでね)

P1010800
この時期だけ公開される有名な檀林皇后九相図。

どんな美人でも、人は死ぬとこのように最後は白骨となり、土に帰る、、、、ことを教えたかったのでしょうね、この皇后様は。

もちや様はむしろこの隣にあった、熊野参詣曼荼羅図にご執心。

研究資料としてご興味が。

P1010801

さらにこのお寺では祈願銭というものがあることを教えていただきました。

紙に包んだ小銭(おそらく五円玉)を持ち帰り、願をかけ、翌年それを返しにくるのですと。

ひとついただいて帰りましたので、来年もまたお返しにかなくちゃいけませんわねぇ。

(なにをお願いしたかは秘密です。)


P1010797

西福寺のお向かいは「幽霊子育飴」。

幽霊が子供に与えるため夜な夜な飴を買いに来た、、、というのはこの立地でこそのものですね。

P1010819

一袋もとめました。まあ、普通のべっこう飴なんですけどねcoldsweats01

少し南下して、六波羅蜜寺へ。

P1010805_2

こちらでも迎え鐘を撞くことができます。こちらは行列が短かったので、私も撞かせてもらいました。

六道珍皇寺でもそうですが、迎え鐘は密封されて外から見ることはできません。

六波羅ではさらに地下にあるので、このように撞く、というよりは引く、という感じになります。

これもなんとなくおどろおどろしいですけど、、、、。

この陰にこもった鐘の音は十万億土に届いて、この音をたよりにお精霊さんがかえってこられるのだと。

ここの本堂では16日の大文字送り火の日に、同じく大の字をかたどったお灯明に火をつけてお精霊さんを送るそうです。

六道の辻にはこの季節、お参りの方々がたくさんおられました。観光客も多かったと思いますが、地元の方のほうが多かったと思います。

最近では迎え火、送り火を街角で焚くこともなくなり、目にすることもなく、なんのことか意味もわからない世代もふえてきましたが、京都では、まだまだこうして宗教が生活にむすびついて生きているんだ、、、と実感できました。


さて、次回はこの六道参りの参拝客をあてこんで始まったという、五条坂陶器まつりのお話を。

2009年8月10日 (月)

京遊びの会〜祇園 又吉さん再び

五条坂陶器祭、六道参りの季節が京都にやってきました。

この時期をねらったわけではありませんが、日頃お忙しい”京遊びの会(勝手に私が命名)”のメンバーさんの日程を調整してこの日に。

P1010744

朝から小雨もようだったのですが、この時期をはずすと今年は出す機会なく、寝かせたままになってしまうので、がんばって越後上布を着ました。(あら、はしにシェルが ”また、どこか行くの?”と、、、、)

上布はなんといっても麻ですから、絹のやわらかもんほど雨を気にしなくてよいかな、と。


P1010746

四条大橋からみた小雨の鴨川。

それでも傘をさしながらスケッチする方もおられます。


P1010748

鴨川の東岸から眺めるヴォーリズ建築の東華菜館。

昔とかわらぬ景色で、ほっとします。

P1010750

雨に濡れて美しい石畳の花見小路。


P1010751

一力茶屋のベンガラ塗りの壁に、竹の美しい犬矢来、リズム感のある眺めを楽しみながら、皆様と待ち合わせの八坂神社の石段下へ。


P1010752

ちんたら歩いてきましたが、皆様もうほとんどおそろいのようで、あせるcoldsweats02

ご一緒いただきましたのは、お世話下さったあまね様もちや様みゅう様あんのちゃんぽん様(いつもお着物なので、はじめてお洋服姿を拝見しました。女実業家!ってかんじでかっこよかったです)、そしてひさびさに、(いつもお世話になっている「らくたび文庫」の)ちゃみ様。

さて、お昼をいただいたのは、昨年末ほぼ同じメンバーで食事をいただいた祇園 又吉さん。

P1010754
お昼は貸し切りです。


P1010773

このあたり如月小路といいまして、東大路から一本入っただけなのにこんな風情のある静かな場所です。

又吉さんは、私はすでに3回目、いつも芸術的な懐石を楽しませていただいています。


P1010755

こちら、町家を改修したお店で、すみまできちっと目が届く広さでカウンターだけなのですが、とても落ち着きます。

活けられたお花は、リンドウ。花器は少し河井寛次郎っぽいですね。

先付けから向付け、蒸し物、焼き物、八寸、と最初から最後まで、どれも目で見て美しく、いただいて、つい顔がほころぶ、、といった感じです。

そのうちのいくつかをご紹介。

P1010756

この涼しそうなアレンジ!

エビ、ウニ、トマト、枝豆を閉じこめた水晶よせ。


P1010758

向付けは鱧をあぶったものと、秋刀魚、そしてはじめていただく一目鯛。


P1010760

梶の葉がすがすがしい八寸はイチジクの田楽(美味!)、そしてそして、左手前のうるか!

鮎の塩辛なんですが、これまたお酒がすすんですすんで困るじゃありませんか〜happy01


P1010766

締めは、おまちかねの土鍋釜でたいた御飯です。

御飯少なめ、とおっしゃる方と、多目で、とおっしゃる方と、、、

P1010768

左、多目(私の)、右、少なめ(もちや様の)、、、、盛りがちがいますねcoldsweats01

このくらいの御飯は楽勝でお腹へ入ってしまいましたわ。

味もさることながら、盛りつけ、献立など、茶事の時に、こんなふうに季節感も出して懐石が作れればなあ、、、と参考になることばかり。(もちろん、こんなレベルはまねできませんが)

さすが、茶事で有名なもと旅館炭屋の板長さんです。天晴れ!

     *      *      *


最後に、今回も皆様にいろいろお土産をいただきました。

どうもありがとうございました。

P1010816

このあと、さらに皆様と、ぶらぶら六道参りにいきました。

その話はまたのちほど。

2009年8月 8日 (土)

あぢ〜〜っ!!

あっつい毎日が続いています。

今年は、夏休みほとんどなしで、働いております。例年の夏のバカンス旅行もおあずけ。weep

なんとか、この夏さえのりきれば、、、、それにしても、あぢ〜〜!!

<その1>


P1010709

パッチワークする時間も疲れてあんまりとれませんが、ちびちび。ほそぼそ、新しい作品を。

レモンスターの変形。16枚くらい作って繫げる予定。

ちょっと抑えた彩度の色で、大人っぽいものをめざすつもりですが、どうなることやら。


<その2>

梅田茶屋町ガード下の、月曜日のみのカフェ、sugar toothさん。

ここもなかなか行けなくなったんだけれど、季節代わりの絶品ジャムが切れると、どうしても手に入れたくて久々に。


P1010710

この日はプルーンやイグリスモモなどのジャムをゲットしたほか、かわいいジンジャークッキーも。


P1010713

リス、、、、にしてはしっぽがない??

と思っていたら、なんとプレーリードッグなんですって!

そんな抜き型があるとは!芸が細かい。lovelyもちろん、味も絶品。


<その3>

京都の家に使う予定の拭き漆のサンプル。

石川県の漆屋さんからご手配いただきました。

P1010741

材質は杉と檜葉(ヒバ)。ベンガラ入りのや、黒漆など。

拭き漆は木目がきれいにでて、艶があって、いいなあ、やっぱり。(自分でやろうとしてとめられたけれど、、、)

私は左上のプレーンなのが一番好みですが、しいていうならサンプルがのってる、この台(例の裁ち板)の色が一番好きかもcoldsweats01

さてそのサンプルを床にころがしていたところ、、、、


P1010718

なぜか猫が二匹ともこの板にご執心で、すりすり、す〜りす〜り、、、、

これは何かに似ている、、、、そうだ!またたびの木片をやったときのしぐさだ。

まあ、またたびほど恍惚とはしませんが、漆のにおいなのか、杉、ヒバの木のフィトンチッドのせい?

ハーブの一種といってもいいかもしれませんものね。

猫も大好きな(?)自然素材、、、、シックハウスのことなど考えると、家をたてるとき、できれば自然素材、木や漆喰など使いたいものです。

<その4>

で、あつくて伸びる猫、、、、


P1010715


もひとつ、おまけに


P1010724


<その5>

久々にお茶のお稽古。


P1010732

花入れには私の好きな秋海棠がはいる季節に。


P1010735

極暑の扱い。葉蓋。(水指の蓋の変わりに汁のでないおおぶりの葉を使います。梶の葉が一番ポピュラー)

先生のお宅では梶の葉は小さいのしかできない、ということで芙蓉の葉を。

水に濡れてしずくがしたたらんばかりの風情は、いかにもいかにも涼しそう。ふ〜っ、、、

クーラーのなかった時代、目であじわう涼。

日本人の智恵と感性ってすごい、と思う瞬間です。


P1010736

洗い茶巾。

茶碗にはなみなみと水を張って、茶巾をたらす。(茶巾の形がいまいち美しくありません。もひとつ、茶巾が水を吸ってしまって、水が減ってしまっています。へたくそでスミマセン)

これを客の前で持ち上げ、水の雫をしたたらせます。

目と耳であじわう涼。

これまた暑い日々の一服の清涼剤でございました。

2009年8月 5日 (水)

「この世界の片隅に」〜こうの史代・作

51cs9n0p8ml_ss500_

8月、、、というと6日の広島、9日の長崎、15日の終戦記念日、ある程度以上の年齢の人なら戦争のイメージをもっているのではないでしょうか。

私はもちろん戦後の生まれではありますが、物心ついた頃に、まわりには戦争のことを語る大人はまだ多くいました。

いまでは戦争の語り部も少なくなり、残念ながら若い世代には遠い夢の国の話に風化しつつあります。

こうの史代さんを知ったのは2年前夕凪の街・桜の国という、戦後10年たった広島、最後には原爆症でこの世を去る娘と、さらに現代に生きるその姪のことを描いた作品を読んでからです。

とてもいい作品で、映画にもなったそうですが、決して原爆の物理的な悲惨さを声高に語った物ではありません。

被爆していつ発症するかわからない原爆症の恐怖をかかえながらも、全く肩に力を入れないで自然体に、少しとぼけたような日々を送る主人公の日常をていねいに綴っているだけなのです。

だからよけいに、彼女の死を暗示するラストが、原爆が人類になにをしたのか、、、を問いかけてくるような気がするのです。

そしてこうのさんの新しい作品、「この世界の片隅に」、これもまたとてもしみじみ心にしみてくる良い作品でした。

昭和9年から終戦の20年の年の暮れまで、主人公すずの広島での子供時代から、呉へ嫁いで北條すずとなってから、、、昭和の暮らしがていねいに描かれています。

こうのさんの描く女の子はとてもかわいくて、特に小さなおかっぱ頭の女の子が照れて笑っている姿はもう、抱きしめたくなるくらいいとしいのです。

すずは絵を描くのが好きで、どこかとぼけた娘で、今の言葉で言うといわゆる「天然(ぼけ)」でしょうか。

呉に住む夫となる北條周作さんとの子供時代の出会いはじつはとてもシュール、、、かつラストの伏線にもなっています。(まあ、これはネタバレになるので読んでね)

周作さんに望まれて、若くして嫁に来たすずは義父母、叔父叔母、そして近所の人たちに温かく迎えられます。

ちょっととぼけてて、たよりなく不器用なところがほおっておけないのでしょうか。


時代は戦争へとつきすすみ、呉は空襲爆撃をうけるようになります。

毎夜防空壕に逃げ込んだり、町にがれきや死体が転がる状況下においてもなお、すずはユーモアやおもいやりを忘れず、自然体で生きていきます。

食糧難で道ばたの雑草を使った楠公飯という超!まず〜い代用食の作り方や、落ち葉を焦がしてこねて作る代用炭団(たどん)の作り方や、着物からもんぺを作る作り方。こんなことまで描かれています。

これは生きた戦争中の昭和文化史にもなっています。

(作者はもちろん若い方ですので、お年寄りから聞いた話で描かれているのですが、もしまちがったことを描いていたら訂正してください、というコメントをつけてはります。)


さて、いつしか北條の家で自然に家族の一員になったすずですが、ただ一人、出戻りの義姉さんだけはちょっと意地悪。
でも私は全編をとおして、この義姉さんとすずの関係が変わっていくところがとても好きです。

嫁いで若くして夫に先立たれ、跡継ぎの息子は婚家にとられ、幼い娘の晴美をつれて帰ってきた義姉さん、すずのぼ〜っとした垢抜けないところが気に入りません。

ある日、「お母ちゃんの具合が心配で周作の結婚をせかしたけれど、わたしがずっとおりゃ嫁なんぞまだいらんかったんよね。、、、すずさん、あんた広島へ帰ったら?」

と暗に離縁をほのめかして義姉さんは夕食時にみんなの前で言います。

すずは天然(?)ですから、「ええんですか?(里帰りしても)」と逆によろこぶ勘違い。

ところが義父母までが「ほんまじゃ、気がつかんでわるかったのう。径子(義姉)も言うとるし、2,3日ゆっくりしてくりゃええよ。」と勘違い。

それだけ、すずはもう北條の人間になりきっていたのですね。「ありがとうございます!!おねえさん」と逆に感謝され「そ、、そりゃよかった、、、」と言うしかない義姉さん。悪い人じゃないのですよ。でもその顔がおかしくて。

それにしても里帰りしてうたたねをし、目覚めて「あせったあ、、呉へお嫁に行った夢見とったわ!」と、ぼけるあたりさすがすずです。母親にほっぺたつねられてましたけどcoldsweats01

戦況が悪くなる中、口ではきついことを言ったりしつつも、義姉さんはすずをなにかとかまってくれます。
義姉の娘、幼い晴美ちゃんは、すずによく遊んでもらいすっかりなついています。

ところがある日、投下された時限爆弾の炸裂が、すずの絵を描くのが大好きだった右手と、その手をしっかり握っていた晴美ちゃんの命を奪ってしまうのです。

「あんたがついておりながら、、、人殺し!晴美を返して!」

傷を負ったすずに義姉さんは、つめよりますが、心では決してすずを恨んではいないのです。どこにもぶつける場所のない思いを叫ぶことで少しでも紛らそうとする、せつない場面です。

広島から、すずを見舞いに来た妹は「家のことができんかったら、北條の家におりづらいじゃろう。広島にかえっておいでや。」といいます。

晴美を死なせてしまったこと、周作さんが結婚前につきあっていたらしい赤線(わからない若い人はしらべてね)の女性りんさん(すずはこのりんさんとも友達になっているのですが)のことで周作さんとのあいだにできた小さなわだかまり、たびかさなる爆撃、、、、耐えきれず心が弱くなったすずは、実家の広島にかえることを決意します。

たとえ「すずさん、わしは楽しかったで。この1年、あんたのおる家へ帰れて。あんたと連ろうて歩くんも、たらたら喋るんも嬉しかったで。あんたは違うんか。」と周作さんに言われても。

その運命の8月6日の朝。片手で不自由そうに荷物をまとめるすずに、口ではきついことをいいながら、自分で縫った、片手でも着られるもんぺを渡す義姉さん。

そしてすずの髪を梳いてやりながら、、、

「こないだは悪かった。晴美が死んだんをあんたのせいにしたりして。」

「周りの言いなりに知らん家へ嫁に来て、言いなりに働いて、あんたの人生はさぞやつまらんじゃろう思うわ。
じゃけえ いつでも往にゃええ思うとった。ここがイヤになったならばね。」

「ただ言うとく。わたしはあんたの世話や家事くらいどうもない。むしろ気が紛れてええ。失くしたもんをあれこれ考えんですむ。」


「すずさんがイヤんならん限りすずさんの居場所はここじゃ。くだらん気兼ねなぞせんと自分で決め。」

そしてすずは、、、「やっぱりここへ居らしてもらえますか」

腕にすがりつくすずに、義姉さんは「わかったから、離れ!暑苦しい」と口は相変わらず悪いですが、うれし涙です。


その時、、、、、、、、

「、、、?、、、なんかいま光ったね?」


、、、、、、、はるか広島の空で炸裂した原爆の閃光が呉にも届いたのでした。

そして終戦。

広島の実家のすずの母は爆心地で亡くなり、母を探しに行った父は数ヶ月後に原爆症でなくなり、妹は親戚のうちでふせっていました。腕には出血斑がつぎつぎと。彼女はすでに重い原爆症を発症していたのです。

「すずちゃん、うち治るかねえ、、、」

「治るよ、治らんとおかしいよ、、、」

これもせつない場面です。

妹を見舞うことが出来たすずと、迎えにきた周作さんは、家に帰る前に小さな原爆孤児の女の子にであいます。

「あんた、よう広島で生きとってくれんさったね。」

二人はこの子を呉へ連れて帰ります。北條の家族はなにも訳など聞きません。すんなり事態を受け入れます。

そして、最後の一こま。

義父母は「とりあえず風呂かのう。」「ものすごいシラミじゃ。大鍋に湯う沸かし!着とるものみな煮るで。」

叔父叔母は「明日米軍へ連れて行き。DDT(わからない人は調べてね)をまぶして貰うたらええわ。」

そして今は亡き娘の遺した洋服を引っ張り出して「晴美の服じゃ小まいかねえ、、、」と早速思案する義姉さん。

家族がまだ家族でありえた時代のお話。


自己中心的な人が次々おこす事件、家族は求心力を失い、地域では他人のことにお互い無関心。
当座は戦争の心配もなく、物も豊かにあふれている今という時代が、決して幸せな時代ではないことをあらためて思います。

やわらかい、私には近しい広島弁(私は岡山弁speaker)、こうのさんのやさしく暖かい絵、この家族の暖かさにいやされながらも、悲しみを感じるのはその背景に色濃く陰をおとす戦争のせいなのでしょう。

決して声高に戦争の悲惨さを訴えてはいません。でも確かに反戦の思いを心に種まく作品だと思います。

2009年8月 2日 (日)

夏の雑記

昨夜の豪雨はすごかったですね。

夜中に雨の音が激しくなるにつれ、ぽたっ、、、ぽたっ、、、、と天井裏で音が、、、、

すわっ!雨漏りか!と懐中電灯を手に屋根裏をチェックしにいく私。

隣で天下泰平でいびきをかく旦那、、、pout

さいわい雨漏りはなく、風で何かか壁に当たっていた音だったようです。

各地で土砂災害などいたましい事故がおこっていますし、ここは山ぎわなので夜中に豪雨があったりすると、少しこわいのです。

一夜明けて、何事もなかったように太陽はぎらぎら輝いていますが、うちから徒歩2分の武庫川はえらいことになっていました。


P1010706

中州が消滅して、木が上の方まで水につかっています。上流も激しく降ったようです。

流れる水の勢いが激しくて、これも見ているだけで怖いようです。

鴨川はどうだったでしょうか。

昔、信じられないくらい増水して濁流渦巻く鴨川を、出町のところから見た記憶があります。あれも怖かったなあ、、、

大雨のあとでしたが、庭はこれこのとおり、緑がいっきに輝きます、、、、というか雑草がむわ〜っとcoldsweats02


P1010699

枯れた木にからませた朝顔。

こちらはヘブンリーブルー。


P1010692

在来種の朝顔。ちょっとしおれかけ。


P1010691

宿根バーベナで、蜜集めにいそがしいミツバチ。


P1010694

越冬して、今年もまた実をつけたトウガラシ。


P1010698

飛んできたタネで毎年咲いてくれるヤマユリも、つぼみをつけました。
P1010701


P1010700

なんだか変な咲き始めのサルスベリ。一枝だけ花をさかせています。

さて、椿にも実がたくさんつきました。


P1010579

でも使い道がないし、、、、と思っていたら、あまね様
がよいことを教えて下さいました。

この実をつぶして、布に包んで、建具や敷居を磨くとつやがでるのだそうです。なるほど、天然椿油ですね!

例の裁ち板磨きに使えそうです。

さて、庭の見回り(決して草むしりなどではない、、、雑草はもうあきらめました、、、coldsweats01)が終わったあとは、先日もとめたお干菓子でお茶を一服。


P1010690

こちら半生菓子が有名な京都南区の高野屋貞広さんのもの。

これはセットですが、梅田阪急デパートでは、こちらのお店の半生菓子を好きなだけ、いろいろ選んで自分でパックできます。

この手のお菓子は安い物だと、けっこう甘さがしつこくて味が想像できるのですが、ここの半生はとても上品。

まるで上生菓子をいただいてるような感じです。

それにしても、このかわいいデザインだけでも癒されますね。