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2009年3月 8日 (日)

奈良・高畑〜入江泰吉写真館〜あーとさろん宮崎

奈良ホテルがあるエリアは高畑といい、かつて志賀直哉、武者小路実篤、小林秀雄、会津八一など奈良ゆかりの文化人がつどった地区で、別名「文人地区」ともよばれるとか。

近くには志賀直哉の旧居、国宝十二神将像で有名な新薬師寺、白毫寺などもあります。

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この高畑のランドマーク、入江泰吉記念奈良市写真美術館に行きました。

数年前一度いったことがあるのですが、最近S&Y様のブログの記事をみて、また行ってみたくなったのです。


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入江さんはず〜っと奈良の風物の写真を戦後から撮り続けておられた写真家で、奈良の古刹の代表的写真はほとんど入江さんのものです。

だからだれでも一度は見たことがあるはずです。

中でも有名なのは、東大寺二月堂の裏参道の写真で、私も大好き。見るたびに奈良への郷愁をかきたてられます。

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この日は大和歳時記をテーマに、奈良のあちこちで行われる伝統的祭の写真が各月ごとに展示されてました。

撮った日付をみていると、私が生まれたころのものも結構多く、当時の奈良の町並みなどもわかって、今ではずいぶん町も変わったんだな〜と興味深い。

一番嬉しかったのは二月の部、もちろん東大寺の修二会の写真です。

特に女性は中に入れないので、一生見ることの出来ない、おこもり中の二月堂内陣の貴重な写真がいっぱいで、、、、。

中には修二会の事を書いた本にのっていた、見覚えのある写真も多く、やはり入江さんの写真だったんだ、、、と。

紙衣作り(練行衆はおこもりの間、紙で作った紙衣を着る)、三石六斗の餅つき(おそなえの千面の餅)、灯心そろえ(もちろん、おこもり中は灯りは灯火だけです)

花ごしらえ(紙の椿:糊こぼし、南天)などの別火(べっか)とよばれる前準備の修行の期間のものから、

五体投地、走りの行、などの内陣での行法、食堂(じきどう)作法、神名帳、過去帳の読み上げ、私が見たくてたまらない
達陀(だったん)という火と水の行法、

朝の上堂するまえの、練行衆のほっとひといきつく一時、、、、修二会の魅力をいやがうえにも更にかきたててくれます。

お水取りに行かれる方は、その前に、是非こちらへもお立ち寄り下さい。

   *     *     *

高畑のもう一つのお楽しみは、お気に入りのスペースあーとさろん宮崎

こちらは昨年も来ました。(→ 以前のブログ

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この日は作家さんのグラスや焼き物が展示されています。


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店の中から外の小路をみたところ。


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季節柄、アンティークなお雛様も。


ここは築100年以上の奈良の典型的町家を改修したギャラリーです。

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この昔の碍子(がいし:電線の絶縁体)も現役なんですよ。


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中でもこのカフェコーナー、火袋を利用した吹き抜けになっていて、開放感もあり、町家の情緒もあり、いつもため息です。

コーヒーを入れてくださったのは、オーナーの娘さん。

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すみっこに席をとってコーヒーをすすります。

後ろには大きな布団箪笥があって、ほんまにすみっこ、、という感じが落ち着くのです。(猫みたいだな)

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この布団箪笥がまたすぐれもので、扉をとっぱらってパソコンデスクに、そして引き出しを少し出してキーボード台に!

実はこのカフェコーナーの作りがいたく気に入りまして、京都の家のキッチン、カウンターをこの写しで、、、とお願いしている建築士さんに無理いってます。

彼もここまで実際におでましくださいましたそうで、雰囲気を感じていただけたことと。

完成した暁には、入り浸りのコーナーになるはずですhappy01

そして、昨年来たときに奥の土間にあった、李朝家具のモリジャン。


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↑ こちら

一目でもうほれこんでほれこんで、、、、

でも値段を聞いていったんはあきらめたのですが、、、、

ど〜〜〜しても忘れられず、後日とうとうこちらに再来して入手したのです。

「思い入れはあるけれど、そんなに気に入ってくださるなら、これもそういう人の元に行くのもいいのかな。」

と、オーナーさん。少し値引きしていただきました。

今、これは京都の家のリビングの主役になる予定で、まだ梱包したまま、静かに出番を待っています。

で、そのあと、その空になったスペースはどうなっただろう、と気になっていたのです。


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以前奥にあった、李朝のバンダジがおかれています。

そのバンダジがもとあった場所には、立礼用の御園棚(点茶盤の一種)が新たに仲間に加わったようです。

でもやはりあのモリジャンの方が存在感がありましたね。大切なものをとってしまって申し訳なかったのですが、大切に大切に使いますので。


  *    *    *

入江泰吉記念奈良市写真美術館:奈良市高畑町600-1 0742-22-98110

あーとさろん宮崎: 奈良県奈良市高畑町812 0742-23-2588

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奈良・高畑〜入江泰吉写真館〜あーとさろん宮崎を参照しているブログ:

コメント

最近の一連の奈良の記事、具体的な情報に溢れていて、実に有益でした。それにしても、しぇるさんは、本当に奈良がお好きなんですね(私も、奈良が好きですが、しぇるさんには負けます)。
ところで、京都のお家を請け負われた建築士さん、大変そうですね。
↑の記事を読んでいて、拙ブログで先日御紹介した「銀閣建立」の中で、公方大工方の棟梁が、義政公の注文(の多さ)に天を仰ぐシーンを、思わず、想い出してしまいました !

S&Y様

いえいえ、義政公の銀閣なぞと比べるのはおこがましいというものです。
けれど、建築士さんには苦労かけてるかな〜?なにしろわがままはいうわりには、きつい予算なのでcoldsweats01
まだ設計図をいじっている段階なので、ふりかえれば一番夢のある時期かもしれません。
奈良、、、いいですね〜lovely
京都は暮らす町としては最高です。奈良は住んでみたいとは思いませんが、心の中の郷愁や、日本人としてのルーツをくすぐる何かがてんこもりに残っているのです。
京都にこられたら、ほんまに奈良にいくらでもいけますので、是非おでかけください。

入江泰吉先生には思い出があります。私は中学生のとき、当時すでに大和路の写真家として有名だった入江先生の影響を受け、写真を始めました。中学時代は奈良に住んでいたこともあってモチーフには事欠きません。
ある日の朝、奈良公園の飛火野で撮影していた私に、後ろから「いい写真は撮れた?」と優しく声を掛ける老紳士がいました。振り返ると何と入江先生、びっくりしていると、三脚に据え付けた私のカメラのファインダーを覗き「空が入りすぎだね…」とアドバイスしてくださいました。
現像したら持ってきなさい…と云われましたが結局行かずじまい…。
今でも戒壇院に続く水門町のご自宅の前を通ると、もしあの時に写真を見てもらったら人生変わったかも…。などと瞑想しています。

へちかん様

まあ!そんな奇跡のような(おおげさか?)邂逅があったのですか!それにしても、中学生でよく入江先生をご存じでしたねえ。
私はごらんのとおり、写真の撮り方は全くのどしろうとですが、それでもさまになる写真がとれるのが奈良の魅力です。なにげない一隅でもカメラをむけると絵になる。何度も撮り直しの出来るデジタルなどなかった頃、よくあれだけのシャッターチャンスをものにされたものです。
戒壇院の近くにご自宅があるのですか、今度奈良に行った時、確かめてみます。

はい、戒壇院(今は戒壇堂と云うらしいですね)正面の石段を南に200メートルくらい行った所に、まるで茶人の侘び住まいのようなご自宅があります。
もう10年以上前に亡くなったのですが、表札には未だ「入江泰吉」と掛かっていますよ。

「入江泰吉」の表札、私も去年のお正月に行った時に見ました。二日の夜に入ったジャズバーで会った、同年代の紳士お二人が戒壇院の四天王は朝の光で見るのがいいと、ミニチュアの像で説明してくれたのです。幼稚園から京大まで同級とのこと、今は東京ですが、奈良がどんなに素晴らしいかを語って、真夜中まで話しが盛上りました。翌朝は酔いが覚めても微かに残った記憶を夫と繋ぎ合せて歩き回り、奈良を楽しみました。
話は変わりますが、しぇる様にご報告。先週末やっと デルポニエンテに行ってきました。西宮でアントニオ・ガデス舞踊団を見てから行ったので遅くなり、私たちの貸切状態でゆっくりワインとお料理を味わいました。8月には立退くとのこと、間に合ってよかったです。

へちかん様ありがとうございます。
地図で確認しましたら、ああ、なんとなく土地勘がある場所です。知らなければ何も考えずに通り過ぎてますね。門構えだけでも一度拝見したいです。

そらいろつばめ様も

入江先生のお家をご存じでしたか。
皆様ほんとうに物知りでいらっしゃってびっくりです。私もあとからよちよちついていかねば。

ジャズバーで、、、、ってなんとなくおしゃれです〜。
でもこのおふたりの紳士のように、奈良にとりつかれた人って、私のまわりにも結構います。それだけ奈良には人をひきつける魅力があり、私たちの中にも日本人の精神的ふるさとにひかれる遺伝子があるのでしょうかねぇ。

ポニエンテのはいっているダイビルは来年取り壊しのようです。
大正の名建築がまた消えますね。お楽しみいただけてよかったです。
私も8月までにもう一度行こうと思っています。

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