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2009年3月

2009年3月30日 (月)

京都・杉本家の雛飾り〜膏薬図子

実は本来の目的は京都大骨董祭だったのですが、杉本家の一般公開・雛飾り展がこの日までだったので、骨董の戦利品をかかえて、綾小路は西洞院まで足をのばしました。

杉本家は京都に現存する表屋造りの町家のうちで最大級の規模の家のひとつです。

昨年秋、NHKハイビジョン特集「杉本家 歳中覚の日々〜京の町家200年のレシピ」を拝見して、そこにただよう、町家独特の陰影に富んだ雰囲気、そこでいとなまれてきた質素で堅実な暮らし、の一部をかいま見て、一度実際に拝見したいものだとおもっていたのです。


同じ規模で、現存し、いまでも生活がいとなまれている町家として、私がすでに訪れたのは、吉田家(・2回行きました)、秦家

一般公開されていない同じクラスの町家はまだまだあるんでしょうけどね。


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享保雛をはじめ、時代物のお雛様が町家独特の陰翳のなか、あちらの座敷、奥の座敷、と飾られています。

一人で見ると少しこわいような。

訪れたのが午後3時ごろ、の良い時間帯だったので、西向きの座敷の障子いちめんに庭木の影がうつって、お雛様のお顔は逆光になり、えもいわれぬ雰囲気で最高でした。

でも、見たかったのはお雛様ではなく、なんといっても家そのものです。

黒光りのする磨き込まれた建具や柱の木の美しさ!

濡れ縁と苔と石の庭、蹲居の風情。

そしてクライマックスはなんといっても火袋(走り庭の上の吹き抜け部分)。

ここのはしり(台所部分、通り抜けできる)は計15畳に相当する幅も奥行きも大きな物なので、それにみあった火袋はもう、言葉を失わせるのに十分でした。

大きな梁に垂直に平行に木が組まれる準棟纂冪(じゅんとうさんぺき)とよばれる化粧木組、そのあたりにただよう翳、みあげたままず〜と見つめていたい。次に上をむいたまま目を閉じて聞こえる音に耳をすます。

あんぐりバカみたいに口をあけて上を見てたんですかねえ、杉本家の現当主の奥様が訪問客をもてなす茶菓のための台所仕事をされながら、

「もう一段下におりてご覧になってもいいですよ。」

と、声をかけてくださる。(恥ずかし、、、)(あ、ここのおくどさんも、荒神棚に飾られた伏見人形も必見ですよ)

TVで見たとおりの上品ですてきな方でした。こちらのいわゆるダイドコで、ここのお庭の夏みかんをつかって三女の歌子さんが手作りした、という夏みかんパウンドケーキと夏みかん湯をいただく。

この日は寒のもどりで町家の中は風びゅーびゅーで(ここらへんが、寒がりは町家に住めへんなあと思うところ。)さぶ〜だったのですが、足元のホットカーペットのぬくもりがなんともいえずほっとします。

町家改修に床暖房は必須、といわれるわけがよ〜くわかります。

走りに続く普段使いの庭、かつてはここにも蔵があったそうですが、いまや柚の木が大きな黄色い実をつけています。その足元にたくさん咲いている白い花は花ニラでしょうか?遠くからだったので確認できませんでしたが。

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次の当主になられる次女の節子さんが、杉本家に関わる本など販売されていたので、一冊もとめました。

まあ、ほんまに色の白いお肌のきれいな京美人さんどすなあ。(なぜかいきなり京ことばcoldsweats01

この本はTV特集にもなった「歳中覚」に即してさらに詳しく、杉本家に代々伝わってきたしきたりや、季節ごとの行事、代々のご先祖さまからつたえられる心構えなどが、ご自分が子供の頃の思い出や家の様子にからめて書かれています。

京都のむかしながらの商家の暮らし、というのは私にとっては外国以上に知らない世界なので、読んでいておもしろかったです。

どうして京都の商家には布袋さん(の人形)が、それも大中小、いろんなサイズがあるのか、この本で初めて知りましたし、、。


その季節季節に即したつつましいけれど、堅実なくらし、その器としての町家。


私など、町家の外見的な美しさばかり追いかけてしまいますが、よくあまね様がおっしゃるように、中で人の暮らしがちゃんと営まれていないと、その価値はないに等しい、という意味が拝読してわかるような気がしました。

おそらく年代的には、私が大学生ではじめての祇園祭の宵山でうかれていたころ、節子さんは小学生くらいで浴衣を着て「ろうそくいっぽんけんじられましょう〜」と歌いながら粽を売っていたのでは?と思うとなんだかおもしろい気がしました。

(杉本家は祇園祭の伯牙山のお飾り場所です)

祇園祭宵山では杉本家でも屏風飾りがありますし、奈良屋記念杉本家保存会の会員になると、いろいろな催しに参加できるそうですので、これも京都生活の楽しみになるかもしれません。

さて、長くなりますが、杉本家を出て、家の西側をみると細い路地があるのです。


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眺めてみると行き止まりに見えるし、知らなければスルーしますよね。

こちら膏薬図子(こうやくのづし)とよばれる綾小路通から四条通へ通り抜けられる路地なんです。

なんでもかつて空也上人がひらいた「空也供養の道場」がなまって膏薬図子になったとか。

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目印は杉本家の壁にかかったこの看板。

このあたり矢田町というのね。


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風情のある町家が並んでちょっと不思議な良い雰囲気。

道は鍵の手に曲がってさらに北へ。


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こんなろうじもあって、迷路のよう。ここにくると新釜座(しんかまんざ)町になるんだ。

中に入ってみると、


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行き止まりにお地蔵様。

これが京都の醍醐味だわ。


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こちらでは郭巨山になるのね。


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こちら日曜はお休みの木版印刷竹笹堂さん。

ここに移転される前の店できれいな木版のブックカバーを買ったことがあります。

京都市の有形文化財に指定されているおうちなので、今度お休みじゃないときに是非いかなくちゃ。

、、、、、ところがこの図子、結構多くの町家が空き家になっているらしいです。

歩いていると「売り家」「貸し家」の無粋な看板がかかった家が2つや3つじゃないのです。

おまけに四条に出る手前に、、、、


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左手にぽっかり空いた区画が、、、。

ホテルが建つらしいです。どんなデザインになるかしりませんが、ここにホテルのような大きなビルが建ったら、そこはもう壁を失って「図子」、とは呼べなくなるのではないかしら。

時代の波とはいえ、この図子も消える日はそう遠くないのかもしれません。weep

2009年3月29日 (日)

お茶のお稽古・ダブルヘッダー

先日はいそがしい1日でした。

朝もはよから、先生の親先生のおうちで月1回の花月のお稽古です。


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こちらも今年もう最後の釣釜。

棚は誰が袖棚。淡々斎好み。本歌は法隆寺古材で作られた物で炉用。

上の棚がちょうど小袖のような形をしているところから。

お茶入れと茶碗を普通の如くななめに流さないで、正面におくのが特徴です。


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お楽しみのお菓子は、一足早く満開の桜です。

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まずは仙遊の式。座中で2種の香を焚きます。

先日NHKハイビジョン特集で香道・志野流家元の「平成の名香合(めいこうあわせ)〜香道 五百年の父子相伝〜」を見たばかりだったので、気合いを入れて香を聞きましたが、(ちなみにわたしは月で、東があたりました)やっぱり違いがいまいちよくわからない。

TVでは香りは辛・甘・酸・鹹(しおからい)・苦の5味の組み合わせとなる、といっていましたが、しおからい、なんてどんな香りなのやら想像もつきません。

それにしても嗅覚というもっともたよりない感覚で行う香道とは、よほど神経をとぎすます必要があるようです。


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お花は回り花形式になるので、最後に活けた半東さんの花が席中に残ります。

こちら、花蘇芳 (はなずおう)と椿。

仙遊のあとは茶通箱付き花月。

こちら茶通箱を完璧にものにしていないのに、参加したもので、頭が混乱しました。

勉強不足を反省しつつも、何回もやらないと、これは頭にはいらん、とぼやく。

こちらでのお稽古が好きなのは畳が京間サイズ(一番大きい)ということ。ふだんのお稽古場は一回り小さいサイズなのです。

この京間というのはお茶の足運びに妙にマッチしたサイズだと体で思うのです。特に花月は足さばきが重要ですので、特にそう思うのかもしれません。

京間だと足も自然とすり足になります。やはり茶室は本来の京間サイズで、と思いを新たにしました。

さて、昼過ぎにこちらをあとにして、一服ついてから今度は先生のお宅でいつものお稽古。


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こちらのお花はかわいい、貝母(ばいも)。くるくるっとした葉っぱがキュート。

クリスマスローズにどこか似ています。あとは雪柳にボケ。


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こちらのお菓子はなんとうれしい、潮干狩りならぬ、籠にあつめたハマグリ。


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お干菓子も、有平糖の蝶々、末富の麩の焼き・光悦。

春を一足早くさきどりです。

お稽古は四ヶ伝の台天目を、もう一方は同じく四ヶ伝の盆点。

いつも思いますが、少しずつちがうので、四ヶ伝は行台子よりもむつかしい。

お稽古のあとは家に帰って、買ったばかりのこの本を。


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淡交社の菓子の茶事を楽しむ

菓子の茶事は別名飯後の茶事とよばれ、客が昼食をすませた頃合いを見計らって案内するというもの。

炭点前はありますが、正午の茶事のように懐石はださず、汁と向付、八寸だけなどのかるい食事に、メインとなる菓子+濃茶、薄茶の茶事です。

宗旦が特に好んだと言われ、またこればかりを愛した初代の飛来一閑(千家十職のひとつ)はのちに飯後軒と号したそうです。

茶事をするなら、まず菓子の茶事くらいが私には適当かな?と思って。

しかし簡略化されているとはいえ、茶事は茶事、甘く見てはいけませんが。

本をみながら、おいしそうで美しいお菓子にうっとり、器にもうっとり、、

、、、というわけで、この日一日、お茶にあけお茶にくれた一日でありました。

毎日、こういうのもいいなあ、、、、理想は理想、現実はいつも殺伐たる仕事に忙殺されるわたくしであります。sad

2009年3月27日 (金)

神戸・北野坂〜和布・とみしまバーゲン

以前ご紹介したことのある、武庫之荘の和布の手作りのお店とみしまさん、この時期毎年神戸のギャラリーでバーゲンをされているそうで、ご案内をいただきました。


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こちらは神戸三宮、おしゃれな北野坂です。


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ここらは北野坂の北半分、ここまでくると、お店も、歩いている人も、走っている外車の高級度もググッと上がります。


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こちら北野坂のジャズライブハウス、ソネ

神戸のジャズハウスの草分けです。

ここには震災前には時々きていました。大声でしゃべらないと聞き取れないくらいの大音量のジャズの生演奏のシャワーを浴びることができました。

震災で大きな被害をうけて、一時は閉店の危機にもたたされましたが、ジャズの名店の灯を消すな!というファンの力強いサポートがあったのでしょう。

震災後はとんとご無沙汰ですが、なんだかなつかしいです。


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こちら北野坂の南側、ギャラリーミウラ

ここでとみしまさんのバーゲンやってます。

実は、、、、


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壁が広いので、ちょっと飾りになる物を、ということで以前私が作ったタペストリーをお貸ししているのです。

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和布で作った椿のステンドグラスキルト。

和布のお店のディスプレーにはいいかと思って、、、。


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とみしまさんです。

和布の洋服もさることながら、お財布や、コースター、スカーフ、ブローチなどかわいい小物も充実しています。


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はい、こちら妊娠6ヶ月、、、、ちがった、ちょっと太めにみえるわたくし。

カーディガンのうえにこのジャンパースカートを着たので太ってみえるだけです!!(←苦しいいいわけ、、、、)

こちらをもとめました。うしろに写っている赤い椿のバッグも欲しかったんですが、財布事情で断念。

酒屋さんやご用聞きの人がしていたような前掛けに使われた丈夫な素材でできています。

胸元のワッペンに注目!

小さくてわかりづらいですが、紅絹がアクセントにはいっています。

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こちら別のジャケットですが、小技もきいていて、着てしまうとわからない裏地の背中部分にステンドグラスキルトが。

見えないところのおしゃれにこだわる羽裏(羽織の裏地)の感覚ですね。

あとこちらの紅絹と黒縮緬でできたコースター、もしくは小物入れ、買ってかえりました。


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こんな和のディスプレーはいかかでしょう?

とみしまさんは、もう着なくなった着物などからもオーダーメイドの洋服をリクエストのままに作ってくれますよ。

ちなみにこのバーゲン、29日までです。お近くの方はどうぞ。

デザインはすてきなのに、デパートの物に比べると、とってもお安いお値段です。

    *    *    *


和の手作り店・とみしま
有限会社 富島和裁
兵庫県尼崎市武庫之荘東2-6-7
Tel.(06)6438-0448  Fax.(06)6438-6008

ギャラリーミウラ
〒650-0004 神戸市中央区中山手通 1-8-19 三浦ビル1階・3階
(078)322-0668
(078)391-1948

2009年3月26日 (木)

花・花・桜

いつもより一週間も早い桜の開花宣言に、追いつかずあたふたしています。

いったいいつお花見にいきゃいいんだよ〜coldsweats02早すぎて予定がたたない!

  cat”でもまあ、お家のお庭でも春は楽しめるよ”


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久しぶりにお庭にでたシェルがさっそくあちこちを点検中。

ちょっとお腹のあたりが、メタボ、、、、bearing


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脱走防止のリードをつけられ不服そうなプリ。

それでもクンクン、草の匂い、土の匂いをかいでいました。


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唯一手入れの行き届いている(そうでもないけど、、汗)花壇の花も大きな株になって華やかになっています。

チューリップの葉も伸びて、なかにつぼみを擁するようになりました。

あ〜、もう天下の春、なのに気持ちが追いついていかない!

これは今年だけかしら。来年の京都移住に向けて落ち着かない日々だから。

来年の春のために、、、、そのころはもう京都かもしれない、、、チューリップの球根、今年の秋に私は植え付けるだろうか?

これは春の憂鬱ってやつかしら、、、、


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うつむき美人のクリスマスローズ、庭に咲いたものを活けてみました。

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そして乙女椿。

これは1日花ですね、次の日にはもう花がいたんで、さわるとぽろっと落ちました。

いさぎよいというのか、乙女もいつまでも若くないということなのかcoldsweats01

桜を見に行けるのは今年はいつになるやら、でもそのかわりいくつか桜のお題をあつめてみましたよ。


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いただきものの、「桜緑茶」。

いわゆる桜餅のフレーバーのお茶はにがてなんですが、これはそれとはちょっとちがって、それこそ桜の花を連想させるほのかに甘いかおりです。

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鼓月さんの黒柿といっしょにいただきました。

最近、この黒柿、はまってます。柿羊羹+こしあんという干し柿の食感に似たところがおいしくって。

ただ、1個で十分です。2個食べたら胸焼けがします。(超甘い!)

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北海道に住む息子が、めずらしく気をきかせておくってくれたチーズ、「さくら」。

北海道新得にあるNPO共働学舎ファームで作られたチーズ。

この「さくら」は第5回山のチーズのオリンピック(なんじゃそりゃ?知らんかったけど)in ドイツで金メダルをとったチーズだとか。

これもほのかな花の香りがしておいしかった。

とりあえず、実家におくってくるあたり、息子も大人になったねぇ、、、。


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さて、リビングにかけてあった椿の押し絵の額。


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片付けまして、こちら、桜に変えました。


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縮緬細工の押し絵の桜です。

本物の桜を見に行くまでは、これで楽しみます。

でも、桜はあまり長くは待ってくれないので、なんとも気のせく今日この頃です。

2009年3月23日 (月)

ガード下の不思議スペース 〜 ほなな 〜

ここは大阪茶屋町、Loft や阪急インターナショナルホテルのあるあたり。

表通りはおしゃれな通りですが、阪急のガードを西へくぐると、、、


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なんだか別世界。この写真には写ってないけれど、ほんまにガード下の飲み屋、、もあります。

ここでええのんかな?と不安になりますよね。

知らなければまず、たどり着けない場所です。


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あ、でもちゃんと「open」ですし。


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こちら不思議スペース(正確には”暮らし雑貨+ココチ空間”ですけど)ほななです。

「ほなな」というのは大阪弁で「じゃあね」の意味だと思われ、最後の「な」にアクセントがきますwink


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こちら日替わりで、カフェあり、雑貨屋あり、アンティーク屋あり、ギャラリーありのスペースなんです。

ですからこの日、毎月曜は " CAFE SUGAR TOOTH "さんの日です。


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入り口には雑貨、ステーショナリー、オーガニック食品、骨董の器などなどがならんでいます。

この写真の左手がカフェスペースです。


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とてもガード下とは思えない、しゃれた空間になっています。

見つけづらい場所なので、私一人かな?と思ったら、びっくり、結構お客さんはいってます。

お一人様率が高いのがうれしい。何時間でもねばれそうで。


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で、この日のカフェ、sugar toothさん。

直訳すると「砂糖の歯」ですが、「甘党」という意味だそうで、今度甘党の友人をこう呼んでみますわ。happy01

このメニューのシルエットそっくりな女性が注文を聞いてくれました。

なんでも京都にお住まいで、自宅でお菓子を作れる量だけ作って、ここまで運んできているとか。

メニューのケーキの盛り合わせにちょっと惹かれたんですけど、「これはかなり甘党の方むきです。」といわれ、自信なくあきらめました。

スコーンなどもそそられましたが、選んだのはこれ。


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マーブルチーズケーキとダージリンティー。

マーブルはチーズとチョコでおいしかった!でもきっとこれ以上は食べるの無理だろうな、、、という甘党向きでした、確かに。

別の曜日には別のカフェがはいっているので、このマグカップはsugar toothさんのオリジナルだと思うけれど、他の食器などはシェアしているのかしら、それとも全部自前?とちょっと気になりました。

だってこのフォーク、真鍮製でおされなんですものheart01

しかもこのスプーン、私が何年もさがしていて、西宮ガーデンズでやっとみつけたあのシリーズのものなんですもの〜heart01

そして棚に展示してあった一見アンティーク、実は現代物の美濃焼のかわいい器を買って帰りました。

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いつもこのあたり、月曜日に通るので、またいってみたいですが、ちがうカフェの日もトライしたいですね。


(追記)
sugar toothさん、3月16日オープンで、この日はまだ2回目の店開きだったそうです。
webでまずお菓子屋さんを始めて、知名度をあげてのリアルショップだそうです。
友人の娘さんも東京で同じような日替わりスペースで週に一度カフェをしているとか。はやりのようですね。
資本の乏しい若い人が、自分の作品を見てもらったり、販売したりする店をだすのはリスクが大きいですが、このような方式だと、失敗してもその間のスペース借り賃だけですみますものね。
口コミでひろがって、固定客などもつき、軌道にのれば独立した店舗をもつことも夢ではない、、、
なかなかいいアイデアだと思いました。
(昔からこういう方式ってあったんですかね?私は知りませんでしたが、、)


   *     *     *

「ほなな」

〒530-0012  大阪市北区芝田町1−15−8  共栄植木2F
         080−6138−1132

2009年3月21日 (土)

和装洋髪で訪問着

先日さるホテルで、お世話になった方のお祝いのパーティーがありました。

気合いをいれて訪問着を着ることにしましたが、問題はヘアスタイル。

気のおけない友人とのおでかけには、髪はくるくるっとまとめてバレッタやクリップでアップにとめればしまいですが、訪問着の格を考えると、そういうわけにもいかず。

そこでプロの手を借りることにしました。

ヘアサロンで和装用の洋髪に結ってもらうなんて、、、弟の結婚式の時以来だからもう20年くらいになるかなあ、、、。

つい最近まで、和装でもそのままでいけるショートでしたから。

世間は卒業式のシーズンで、髪のセットと着付けが朝6時から10件以上、ということで、スタイリストさん、いささかお疲れのご様子。

それでも手際よく、ホットカーラーで巻いて、逆毛をたてて、櫛の柄で髪を内側に巻き込んで、ピンで留めて、、、、

あっという間に、希望の夜会巻きが完成。

まあ、夜会巻き、、というにはちょっと髪が短かったので、ご苦労をおかけしましたが、、coldsweats01


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はい、これが完成図。いかがでしょう?

髪がもっと短かった頃に、いずれ、、、と思って買っていた簪もやっと日の目をみました。

自宅に帰って訪問着へお着替え。


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けっこう渋いでしょ?


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変わった格子の地模様に、季節の花鳥の手描き友禅です。
京都で友禅工房を持っておられる堺 映祥さんのもの。

小さい頃お気に入りだったものを図案化して描かれたとか。(見えませんが模様の一部に刺繍がはいっています)

伝統的古典柄文様が好きな私ですが、この方の少しモダンな柄はめずらしくお気に入りです。

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帯は雪三郎のもの。

夜会巻きのおかげで着物姿も好評でした(と、自分では思っているcoldsweats01

再び自宅に帰って髪に留めてあったピンの数をみてまたびっくり!


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実はこのあとも髪のなかからピンが何本か出てきたので、実際にはこれ以上がささっていたことになります。

いや、鳥の巣もびっくりcoldsweats02

このまま寝ていたら頭、血だらけだっただろうな〜、、、。


2009年3月18日 (水)

茶と美〜柳 宗悦・茶を想う〜大阪日本民芸館

民博をあとにして、徒歩で5分くらい、同じく万博記念公園内の大阪日本民芸館へ。


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こちらも特別展以外は無料でしたが、さすがに民博よりマイナーなせいか、人はぐっと少ない。


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この日の特別展が実はお目当てでした。

大正末期〜昭和にかけて民芸運動の父であり、リーダーであった柳 宗悦の「茶」に関する品々の展示です。

民芸運動といえば、すぐ思い出されるのは「用の美」で、むしろ河井寛次郎や濱田庄司などが有名で、その思想的バックボーンであった柳については実はあまりよく知らなかったのです。


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もともと柳は李朝の焼物との出会いを通じて民芸に開眼したということです。

朝鮮の名もなき民衆が使っていた雑器であった、井戸や刷毛目などの高麗茶碗に新たな美と価値をみいだしたわび茶の始まりと起源を同じゅうすることは、彼が茶道に関わったことも不思議ではない、ということですね。

彼にとっての茶もまた、「茶禅一味」。晩年は仏教研究に没頭した宗教哲学者でもあったので、仏教の教えと茶道の精神は同じである、と感じ茶に傾倒して行ったとか。

そして茶の精神を表す茶器には「無事の美」(用の美)を宿す美しい器物を選び用いる事が肝要、と説いた。


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(ミュージアムショップの時代の車箪笥+シーサー)

展示された物は各地の、そして世界中のいわゆる生活雑器であったもので、しかも美しい「道具」。

朝鮮王朝時代の石火鉢や江戸時代の湯釜、沖縄の壺屋焼、18世紀の英国のウインザーチェアー、

それに河井寛次郎、濱田庄司の茶碗、自分自ら考案、設計した茶道具(灰匙など)など。

(いずれも日本民芸運動の本拠地、柳が初代館長であった、東京は駒場にある日本民芸館所蔵 ← 行きたい、、、、happy02


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(休憩所の民芸調テーブルと椅子。器の跡がついてぼこぼこですが、この長テーブルいいわ〜)

彼の用の美追求の徹底している例として、開館したばかりの日本民芸館(駒場)での第1回民芸茶会(昭和30年)の会記を写してきたので、ご披露します。

茶碗:河井寛次郎、濱田庄司
茶器:秋田角館の樺細工
茶杓:琉球のかんざし・ジーファー
水次:イギリスのコルニッシュピッチャー
火鉢:北朝鮮の台所用水がめ

徹底した見立てであります。ここまでくるとすごい。

なんだか参考にできそう、、、、

そして、茶人の資格を問う「点茶心指」の柳の書。

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う〜む、、考えさせられましたわ。特に下の段。(クリックで拡大します)

本当の茶人に値しない人について。

ついおのが身をふりかえって、あてはまってないか、、自問する。


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(ミュージアムショップの箪笥。これもまたいいわぁheart01

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(ショップになんと!浄法寺漆器発見!!ああ、これも用の美やな〜)

展示されていた柳の著書の一部をみてどっきり。

彼は形骸化していた茶道へ警鐘をならしていました。

私がつねづね、特に大寄せの茶会などで思ってきたことと同じ事をなんと50年も前に、彼は憂えていたのですね。

興味を持って、ショップでこの本を買いました。


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(ちなみにこの後ろの包装の紙袋はパンフレットを折って再利用で手作りした物。あは、、これも用の美?coldsweats01


”若い女たちが一つのたしなみとして茶の湯を習うことは甚だよいと私は思うが、茶の作法に慣れると、ひとかどの茶人だと思いこまれてはたまらない。道はもっと厳格なものであり、深玄なもので、なま易しい修行ではわからぬ。特に心の修行が必要になると、点前が上手になっただけでは、どうにもならぬ。また名器をいくつ所有していたところで、誠の所有者とは言えまい。この頃のように安っぽく師匠の許しを与えるようでは、道が乱れる。それに茶会というと若い女たちが競ってきらびやかな着物を着てくるなどは、およそ「わび茶」からは遠い風景である。”(”「茶」の病”より)


まあ、読んで我が意を得たり!!となんど思ったことでしょう。

あ、もちろん、自戒もこめて。

言葉足らずで、うまく表現できないもどかしい思いを一気にすかっとさせてくれました。

なんで今まで知らなかったんだろう、柳 宗悦、おそるべし!

しかも彼はさすがに私には言えない世襲制の家元制度までするどく批判してます。

さらに批判は千家十職にも。要するに「人工的な権威の組み立てにすぎない」と切って捨てています。

千家十職展を見たあとでなんですが、ちょっときびしすぎてここには書けない、、、。

でも彼が嘆いているのは、そういう権威にとらわれることによって、物の美そのものを見ようとしない心の不自由さのことだと思います。


そして、柳の茶道に対する考え方は、私が規範とする久松真一のとなんと一致することが多いことか!


”日々の暮らしに深く交えてこそはじめて茶室の「茶」が活きてくる。否、ある意味では不断の暮らしこそ大切であって、ここに茶生活の基礎がないと、茶室の「茶」は嘘のものになってしまう。” (柳 宗悦)

”茶道とは人間生活全体と密接にむすびついた生活様式そのもの、なのです。”狭隘なるささやかな住居の中で、宗教的にも、道徳的にも、礼儀作法的にも、芸術的にも、食事から掃除に至るまでも、良く洗練された文化的生活”なのです。” (久松真一)


いずれにせよ、いや、ほんま、見直した、柳 宗悦!(呼び捨てかい、、)

もう少し彼の仕事について勉強してみよう、と思いました。

手始めに、東京の日本民芸館行きたいな〜〜。

2009年3月17日 (火)

千家十職 X みんぱく〜国立民族学博物館

良いお天気でした。

もう(いつもより早い)春です。

この日のお出かけ先は、、、、


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どおです?なんだか見覚えのある後ろ姿でしょ?

桜並木ももう枝の先がうっすら薄紅に色づいています。


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はい、万博記念公園、シンボルの太陽の塔、その後ろからのお姿。

いやあ〜EXPO’70でここに来た頃は若かったな〜(遠い目、、、、)

実は知らずにきたのですが、この日公園は「万博公園ふれあいの日」で、中の施設まですべて(一部以外)無料だったのです。

なので駅を降りたときすごくたくさんの人と一緒だったのですが、この公園があまりに広いので、混雑してる、、という感じはありません。

ちょうどお天気にもめぐまれ、みなさんご家族でお楽しみでした。


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けれど私の今日のお目当ては、ピクニックではなく、こちら、公園内にある国立民族学博物館

さる筋では、京都の文博(ぶんぱく:文化博物館)、大阪の民博(みんぱく)と並び称せられているそうな。

この期間の特別展は千家十職Xみんぱく

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だが、まてよ。

これも無料だとすると、来館者もすごく多いのでは、、、?

不安的中、すでに入場制限がかかっておりました。

ただ、大阪の箱物は大きいのです。(無駄に大きい場合もあり)

中にはいると、わりとスムーズにうごけるゆとりがありました。

ただ、無料だと千家十職がいったいなんなのか、全くご存じない方まで来館されているわけで、、、、

しかし、わたしの前に並んでいた若いカップルのかたわれ、どうころんでもお茶とは関係なさそうな、いまどきのねえちゃんが、「すげ〜、すげ〜!」と、ボキャブラリーにやや難はあるものの、しきりに感心していたのは、よございました。

知識はなくとも、美しいものがわかる心が大事ですものね。


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民族学(民俗ではない)なので、研究のため世界各国の民族資料、おもに手作りの道具やアート、を収集しているのですが、その厖大なコレクションをもとに当代の各千家十職が新作つくりを試みる、、というテーマらしい。

その試みと、展示方法はとてもよく考えられ、斬新なのですが、ついつい民族アートよりも、歴代の千家十職の仕事に目がいってしまうのは、しかたありませんねぇ。coldsweats01

入り口には今日庵のレプリカが。一畳台目という究極の無駄そぎおとしの茶室です。(裏千家内、非公開)

ええな〜ええな〜といいながら、各職家の歴代、当代の作品をみてゆきます。


世の中には十職以外にも優れた仕事をされる方はたくさんおられます。

しかし、とりわけ世間の注目を集める、という点では、十職は格別でしょう。

その家に生まれた、というだけで跡をつぐ運命にある(そうでない場合もあるようですが)というのは、どういうものなのでしょう。才能があって好きならば問題はありませんが。(これは茶家にも通じますが)

こういういぢわるなことを考えるのは、各家の当代の多くが私と同年代、もしくは年下になってきているからでしょうか。

私が京都で大学生やってるときに、彼らも大学生で、いくら小さい頃から見ているとはいえ、職業についてはぺーぺーの新米だったはずで、、、、と考えると、彼らも悩んだのではないかな?と、なんだか親近感がわきます。(いっしょにするな!と自分でつっこみをいれておきます)

ところが、このあと行ったお隣の大阪日本民芸館でやっていた「茶と美〜柳宗悦・茶を想う」展で手に入れた柳の茶道論集になんだか同じようなことが書いてあってびっくり!

(彼の場合、もっときびしい世襲制批判ですが)

これについてはまた書きます。

   *     *     *

偉そうなことを書きましたが、やはりすごい、とうなる作品も多かったのです。

展示品の中から心に残った物を少しずつ、、、、、


菊糸組炭斗(友湖):友湖は仕覆や帛紗などを作っていますが、これはめずらしく、
          仕覆の打ち紐の素材を編み込んで炭斗をカバーした物。
          紫紐の地に白で霊芝模様を作っています。

笠釜(清右衛門):釜の形が笠というだけでなく、鐶付き、蓋のつまみが唐傘を閉じた物に。

兎の手あぶり(楽):ぽってりした白でかんにゅうのはいった肌。手あぶりのまわりを
          3匹の兎がとりかこんでいる。
          兎の顔がどうしても猿に見えるのは愛嬌か。

黒楽茶碗(楽):初代長次郎作、銘「勾当」
        光を閉じこめたような黒が迫力。この時代初めて黒楽を見た人は驚いただろうな。

錆塗張板茶箱(一閑):江戸〜明治の11代作
           なんと箱自体が片手に乗るくらい小さい。
           中の茶碗や茶巾筒、茶筅筒の大きさたるや推して知るべし。
           お雛様のお道具みたいでかわいい。

溜塗菊絵水指(利斎):8代作
           普通、曲げ物の水指は木地に胡粉でしろく菊の置き上げというのをよく見るが、
           これは意匠は同じでも、地も菊も溜塗りで渋い。

竹弦楽器結界(正玄):結界を、ベトナムの竹の弦楽器になぞらえて作った物。
           だれしもこの結界の前では立ち止まらざるをえないだろうなあ。
           というので、結界の用も果たしている。

青交趾水指(永楽):歴代がそれぞれ作っているらしい。
          外はふかい青緑の斜めのねじり縞模様。内はあざやかなトルコブルー。
          水を張ったところを見てみたい。

ペルシアタイル文青漆四方盆(宗哲):アラビア文様のタイルもたくさん展示されており、その文様を単純化して
                  盆に写した物。正倉院御物に似ているのは起源をたどれば当然ですね。

金の繭玉風炉先(奥村吉兵衛):インドネシアの黄金の繭をつくる蚕の繭をびっしりはりつけて風炉先にしたもの。
             この黄金色をそのまま絹糸に反映させるのは非常にむつかしいらしい。
             奥村家はもともとは表具師。

鶴の釜(清右衛門):2代浄清作
          鶴が羽根を広げ釜に覆い被さっているような意匠で有名。
          先日TVで当代が同じ物に挑戦しているのを見た。

蟹の蓋置き(浄益):金物の蓋置き。
          蟹が穴の中から外をうかがっている様を、砂中を透かして見た、、という感じ。
          繊細な金属の細工です。


   *     *     *

6月2日まで

4期にわけて内容の入れ替えもあるようですので、前半、後半と二回行っては?

2009年3月15日 (日)

お茶のお稽古〜釣り釜

三月といえば釣り釜、まずはその炭点前をしなければ!

炭点前はお稽古の一番はじめに一回しかできないので、この日は早くに行ったこと!


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やった、一番ゲット!と、心のなかでガッツポーズを決めます。

釣り釜はすでに春の気配を漂わせて、かすかにゆらゆら。

初炭点前をさせていただきました。

鎖の小あげ、大あげ、大下げ、小下げ、、、風流です。

五徳がないぶん、炭を入れる場所のオリエンテーションがつかず、ちょっととまどいましたが、なんとか。

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棚は徒然棚。業平菱の透かしがはいるので、業平棚とも。

菱形で、お雛様の箪笥を思わせるような袋棚がついているので、この時期に使われることが多いようですが、本来、炉の季節ならいつでも使っていいそうです。

袋棚にしまわれた棗をだすのに左手、右手と小さい襖をあける所作がついてきます。

湯を使うたび、釣り釜はゆらゆら回転するので、ふせた柄杓の柄がずずっとたたみの上をひきずられるのもまた一興かとcoldsweats01(下手なだけ、という説も)


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香合はほんものの蛤。

雛づくしですねえ。

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これだけはお雛様と関係なく、先生のこだわり。

この季節の二月堂お水取りにそなえられる紙の椿のお菓子です。(「糊こぼし」の銘は奈良の萬々堂さんしか使えません。)

思わず年をわすれて、「きゃ〜〜、カワイイ!!lovely


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あら、この棗、蛤の蒔絵でお雛様らしい、、と思ったら、、、

な、、ななんと、これシールなんですって!


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ほら、裏にも。

先日徳川美術館へ利休の「泪の茶杓」を見に行かれて、そこのミュージアムショップで手に入れられた蒔絵シールだそうです。

使わないような黒い棗があったので、貼ってみると、なかなかいいじゃありませんか、、、ということで。

言われてみなければ、かすかに盛り上がりもあるし、精緻な蒔絵に見えます。

まあ、これも楽しいお遊びです。

さて、茶杓の銘に困るときは、私はいつも月の異名をさがしてお茶を濁しています。

たとえば三月なら、、、、夢見月、桜月、蚕月、宿月、かわったところで竹秋。

これは春になると、芽を出す準備をする竹の子に栄養を送るため、葉が枯れてくることからだそうです。

そして気になっていたのが、本などでよくみる「姑洗(こせん)」。

字面をみると、姑が(を?)洗う、、、ええっ!?って感じですが、調べてみるとこれは中国の伝統音楽に使われる12種の音階=十二律からきていて、ちなみに姑洗は低い方から五番目の音階、西洋音階ではミの音にあたるようです。

十二なので、それぞれに各月の名としてあたっているとか。使えそうです、銘として。


<参考:十二律>

黄鐘(こうしょう) - C
大呂(たいりょ) - C♯/D♭
太簇(たいそう) - D
夾鐘(きょうしょう) - E♭/D♯
姑洗(こせん) - E
仲呂(ちゅうりょ) - F
蕤賓(すいひん) - F♯
林鐘(りんしょう) - G
夷則(いそく) - A♭/G♯
南呂(なんりょ) - A
無射(ぶえき) - B♭
応鐘(おうしょう) - B

2009年3月13日 (金)

セミオーダーの小紋を誂える〜の後日譚

東本願寺さんの近くの京町屋染工房 遊さんでセミオーダーの小紋を誂えたのは昨年のこと。

できあがった小紋が届いたのが11月でした。(→ こちら

その時の記事にも書いたのですが、雪輪紋は思い通りにシンプルにきれいに、金彩ふちどりで仕上がりましたが、地の色が思ったよりはるかに薄い色になってしまったのです。

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きれいな青空みたいな色が希望でしたが、どちらかというとブルーグレー。

この生地は、駒綸子というらしいいですが、指定した色より薄くなることが多いのかなあ、、、と思っていました。

着物だけ見ると、はんなり上品な色で、とてもすてきなのですが、濃いめの色の方が顔映りの良い私には評判がいまいちでした。(好きな色が似合うとは限らない見本です)

工房 遊さんに、受け取った旨と、地の色が少し、、、とメールを。

断っておきますが、決してクレーマーみたいに文句をつけた訳じゃありませんよ。

思ったより少し薄かった、と書いただけです。

すると、すぐにご返事をいただきまして、

「確かに、地染めに出すとき、言われた色より、はんなりしたほうがいいと、気をきかせたつもりで、少し薄めの色で、と指定した記憶があります。
こちらのミスですので、着払いで送り返してください。やり直します。」とのこと。

もうすでに仕立て上がっているのに、解いてまた染め直して、さらに仕立てて、、、ってどれだけ損させるのかしら、、、とも思ったのですが、

少し気に入らないから、、とこの着物が箪笥の肥やしになる方がかわいそうかな、と思い直して、お言葉に甘えさせていただきました。

その後、分厚いブルー系の端布の色見本を送ってきてもらったので、その中の一色を選びました。

待つこと約一ヶ月。

そして、帰ってきました。

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今度は思い描いたとおりの青空のきれいなブルーになりました。

比較のため、右端に前回の時の残布をのせてみました。

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模様の雪輪の部分は伏せ糊をしてそのまま地の染めかえです。

この地の色の方が雪輪もあざやかにうきあがってきれいだと思いませんか?

この着物もこれからもっと出番が増えると思います。


ずいぶんお手数をおかけしましたが、一銭もうけとらずお仕立てまでのお直しをしていただきました遊工房さん、
ほんとうに感謝です。

こういうのがほんとうの商売なんでしょうね。おかげで、もう次に名古屋帯をこちらで染めていただこうと、計画にはいっていますわhappy01


    *   *   *


京町屋 染工房 遊

〒600-8304
京都市下京区新花屋町新町東入艮町855-6
Tel・Fax 075-344-5067
営業時間 午前10:30~午後6:00
定休日 毎週火曜日・第一第三日曜日と月曜日


2009年3月 9日 (月)

飛鳥〜懐石・神籬(ひもろぎ)

<飛鳥・点描>


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お水取りの翌日は毎年、奈良のあちこちを歩きます。

その時の気分に任せて、”山辺の道”を歩いたり、ならまちあたりを散策したり、、、。今年は久しぶりに飛鳥に足を伸ばしました。


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飛鳥はほんに万葉の頃のままの「里」という感じです。

ここのところ全国いたるところでおこった市町村合併。それをかたくなに断って、「飛鳥ブランド」を矜恃を持って守っている土地です。


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まだ春とも言えず、冬でもない、こんな今頃の季節の飛鳥をあるくのが一番好きです。

それに他の観光客はほとんどみかけませんし。wink

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奈良県立万葉文化館前の梅。

この背景の丘は開発されないように、奈良県が買い取ったもの。

万葉の里を守るにはそれなりの努力が必要なんですね。

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犬養万葉記念館

今でも全国に犬養節の万葉詠歌を愛するファンは多いですが、実際の犬養先生を知る人は少なくなってきました。
少し淋しいですね。

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この右手の鳥居が飛鳥坐(あすかにいます)神社。

夫婦の和合を神事とする、天下の奇祭、おんだ祭が二月におこなわれるところ。

この角を左に曲がると、築100年以上の古民家の懐石料理のお店神籬(ひもろぎ)があります。


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実はこちら、7〜8年前に一度来たときは料理店ではなく、奥さんが集められた古布を使った手作りのバッグや、人形、衣類、そして作家もののトンボ玉などを扱うお店でした。

トンボ玉を一つもとめ、中の大きなおこたにいれてもらって、将来はここで懐石料理を出したい、という夢をお聞きしたのを覚えています。

その後また伺ったときにはもう料理店になっていて、夢をかなえられたんだな〜と思いましたが、完全予約制なので、はいれずじまいでした。

なので、今回はきっちり予約して、おじゃましました。


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玄関脇の蹲居の椿。

今ここのお庭でさかりをむかえている木からとったものだそうです。


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これがそのお庭。

黄色いのはまだつぼみのサンシュユ(山茱萸)。


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これもまたほれぼれする蹲居。

しだれかかる椿がすてき。

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以前来たときと、基本的な造りは変わりませんが、しつらえなどすっかり変わっています。

でもみごとな古民家の造りです。


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玄関の上がり口には餅花が飾られ、古伊万里の器にも椿が、、。

なんとも町家・古民家・日本の古い物好きのこころをくすぐってやまないしつらえです。


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これまたすてきな時代箪笥!

その上の古布のお細工物は奥さんの手作りだと思います。


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以前おこたがあったあたりの座敷の襖はとっぱらって広々、お雛様も飾ってあるようです。

ここにも椿の飾りが。

唐傘の照明も素敵だと思いません?


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私ももってる李朝の小盤(ソバン)に花器をおいて。

後ろの屏風のパッチワーク風の古布も奥さん作。

自分でこういうのが作れる人はいいですね。

さて、おまえは食べに来たのか、家を見に来たのか、といわれそうなので、そろそろ食事のことなど、、、coldsweats01


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まあ、まず見てください。

この万葉集の大伴家持の歌は、ご主人の手書きです。

この季節にぴったりの。

友人のには「春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に いでたつ 乙女」と同じく家持の歌が。

添えられた桃の花が手に取るとかすかに香ります。

梅の花ほどの芳香はありませんが、それでも甘いにおいがするのですね。


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最初の一皿です。

縁高にもられたかわいいお料理がひとつずつ。

まさしくお雛様の懐石の名にふさわしい。しかも、この錦糸卵ののった一口寿司は下が蛤なんですよ。

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向付けのお刺身は、菱形の模様のお皿で。

桃色がかわいいheart01


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あと、ずんだをのせたガーリックトースト、豆乳鍋などあって、最後の締めはやはり茶粥です。

この昆布と白菜のぬか漬けについてきた菜みそ(舐め味噌ともよばれ、味噌にししとうやなす、生姜などいれて煎った物)がまたおいしくて。


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で、売ってたので、即買いました!

なんでも自家製で、味噌にお酒、野菜各種をいれ、4時間ず〜っと混ぜながら煎って作っているとか。

おいしいわけだわ。


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奥さんと。

ここのお店は大々的な宣伝はしませんが、口コミでいまでは東京などからもお客さんがこられるそうです。

そして私たちみたいに、以前古布やトンボ玉のお店だった頃のお客さんも、その縁でこられるとか。

この季節、観光客などほとんど来ない飛鳥で、満員のお客さんがはいるのは、お料理だけでなく、この奥さんのお人柄や、古民家の美しさ、しつらえの手抜きのなさの、たまものでしょうね。

ちなみにいただいたお昼のお値段は3500円でしたが、京都でこれだけいただくと倍以上はすると思います。

損はいたしませんよ。


   *    *    *

懐石 神籬(ひもろぎ)  奈良県高市郡明日香村飛鳥614
              電話: 0744-54-2646

             (お昼は前日まで、夕食は3日前までに要予約です)

2009年3月 8日 (日)

奈良・高畑〜入江泰吉写真館〜あーとさろん宮崎

奈良ホテルがあるエリアは高畑といい、かつて志賀直哉、武者小路実篤、小林秀雄、会津八一など奈良ゆかりの文化人がつどった地区で、別名「文人地区」ともよばれるとか。

近くには志賀直哉の旧居、国宝十二神将像で有名な新薬師寺、白毫寺などもあります。

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この高畑のランドマーク、入江泰吉記念奈良市写真美術館に行きました。

数年前一度いったことがあるのですが、最近S&Y様のブログの記事をみて、また行ってみたくなったのです。


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入江さんはず〜っと奈良の風物の写真を戦後から撮り続けておられた写真家で、奈良の古刹の代表的写真はほとんど入江さんのものです。

だからだれでも一度は見たことがあるはずです。

中でも有名なのは、東大寺二月堂の裏参道の写真で、私も大好き。見るたびに奈良への郷愁をかきたてられます。

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この日は大和歳時記をテーマに、奈良のあちこちで行われる伝統的祭の写真が各月ごとに展示されてました。

撮った日付をみていると、私が生まれたころのものも結構多く、当時の奈良の町並みなどもわかって、今ではずいぶん町も変わったんだな〜と興味深い。

一番嬉しかったのは二月の部、もちろん東大寺の修二会の写真です。

特に女性は中に入れないので、一生見ることの出来ない、おこもり中の二月堂内陣の貴重な写真がいっぱいで、、、、。

中には修二会の事を書いた本にのっていた、見覚えのある写真も多く、やはり入江さんの写真だったんだ、、、と。

紙衣作り(練行衆はおこもりの間、紙で作った紙衣を着る)、三石六斗の餅つき(おそなえの千面の餅)、灯心そろえ(もちろん、おこもり中は灯りは灯火だけです)

花ごしらえ(紙の椿:糊こぼし、南天)などの別火(べっか)とよばれる前準備の修行の期間のものから、

五体投地、走りの行、などの内陣での行法、食堂(じきどう)作法、神名帳、過去帳の読み上げ、私が見たくてたまらない
達陀(だったん)という火と水の行法、

朝の上堂するまえの、練行衆のほっとひといきつく一時、、、、修二会の魅力をいやがうえにも更にかきたててくれます。

お水取りに行かれる方は、その前に、是非こちらへもお立ち寄り下さい。

   *     *     *

高畑のもう一つのお楽しみは、お気に入りのスペースあーとさろん宮崎

こちらは昨年も来ました。(→ 以前のブログ

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この日は作家さんのグラスや焼き物が展示されています。


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店の中から外の小路をみたところ。


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季節柄、アンティークなお雛様も。


ここは築100年以上の奈良の典型的町家を改修したギャラリーです。

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この昔の碍子(がいし:電線の絶縁体)も現役なんですよ。


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中でもこのカフェコーナー、火袋を利用した吹き抜けになっていて、開放感もあり、町家の情緒もあり、いつもため息です。

コーヒーを入れてくださったのは、オーナーの娘さん。

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すみっこに席をとってコーヒーをすすります。

後ろには大きな布団箪笥があって、ほんまにすみっこ、、という感じが落ち着くのです。(猫みたいだな)

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この布団箪笥がまたすぐれもので、扉をとっぱらってパソコンデスクに、そして引き出しを少し出してキーボード台に!

実はこのカフェコーナーの作りがいたく気に入りまして、京都の家のキッチン、カウンターをこの写しで、、、とお願いしている建築士さんに無理いってます。

彼もここまで実際におでましくださいましたそうで、雰囲気を感じていただけたことと。

完成した暁には、入り浸りのコーナーになるはずですhappy01

そして、昨年来たときに奥の土間にあった、李朝家具のモリジャン。


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↑ こちら

一目でもうほれこんでほれこんで、、、、

でも値段を聞いていったんはあきらめたのですが、、、、

ど〜〜〜しても忘れられず、後日とうとうこちらに再来して入手したのです。

「思い入れはあるけれど、そんなに気に入ってくださるなら、これもそういう人の元に行くのもいいのかな。」

と、オーナーさん。少し値引きしていただきました。

今、これは京都の家のリビングの主役になる予定で、まだ梱包したまま、静かに出番を待っています。

で、そのあと、その空になったスペースはどうなっただろう、と気になっていたのです。


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以前奥にあった、李朝のバンダジがおかれています。

そのバンダジがもとあった場所には、立礼用の御園棚(点茶盤の一種)が新たに仲間に加わったようです。

でもやはりあのモリジャンの方が存在感がありましたね。大切なものをとってしまって申し訳なかったのですが、大切に大切に使いますので。


  *    *    *

入江泰吉記念奈良市写真美術館:奈良市高畑町600-1 0742-22-98110

あーとさろん宮崎: 奈良県奈良市高畑町812 0742-23-2588

2009年3月 7日 (土)

奈良ホテル

毎年お水取りに行くときは、奈良公園内の青葉茶屋に泊まるのですが、この日はあいにく予約がとれず、以前よく利用していた奈良ホテルに久々に宿泊です。


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エントランスです。

明治42年、関西の迎賓館として創業された、瓦屋根、御殿風総檜造りの格調高い建物です。


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ガラスと木だけでできています。

東京駅や日銀本店を手がけた辰野金吾の設計。


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窓の枠ももちろん木製です。

奈良にある寺院の造りを思い出させる造作です。


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本館。やはり、とてもホテルとは思えない。

この前の枝垂れ桜、春の盛りにはきれいでしょうね。

手前のほんのり赤いのは赤の馬酔木です。


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重厚なホテルのロビーです。


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フロント前の上村松園さんの絵。必ず、この前で足をとめます。

このほかなにげに飾ってあるので見過ごすこともあるのですが、横山大観、堂本印象などの絵画もあります。


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フロント、売店の横の2階への階段。

天井は格天井。大きな寺院や、大名のお城などでみる天井です。

皇室の方々は奈良にこられると必ずこのホテルにお泊まりだとか。

またアインシュタインやオードリー=ヘップバーンも宿泊されたそうです。


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客室のドアも重厚な木製。足が沈むほどの分厚い赤絨毯。

客室は機能的で、それほど他のホテルとの差はありませんが、やはり泊まるなら、近代ホテルよりこのようなホテルに泊まりたいものです。

ここは何回か泊まっているのですが、ブログネタ用にたくさんの写真を撮りまくりました。happy01
他の宿泊客にすごいおのぼりさんと思われたと思いますが、、、、

ブロガーの鏡ですね! ← 自画自賛


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こちらもまるで、どこかのお寺かお屋敷か、という雰囲気ですが実はダイニングルームを外からみたところ。


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ダイニングルームの中。

朝はこちらで茶粥定食をいただきました。

まあ、舞踏会でもできそうな広さと天井の高さですねえ。


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中庭から見上げた二階部分。

窓の意匠と檜の木製部分と白い漆喰がきれいです。


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お水取りの季節にはいつも咲いている馬酔木の花が、この中庭にも咲いていました。


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毎年、ロビーのよこで、あい変わらずガラスケースで展示販売されている赤膚焼の器。

奈良絵のものは有名ですが、私は後ろの古寺瓦文様の白い釉薬のお皿がほしい、、、。

ただ、それなりの値段なのと、使い道を考えて二の足を踏んでいます。

昔のガイドブックの赤膚焼のぺージにのっていた、この瓦紋が正面に一つだけ、ばちっとついた白い水指、それがあればためらいなく買い!ですが、、。


他のことも書こうと思っていたのに、奈良ホテルの写真をこんなにうれしがって撮っていたのかと、われながらびっくり。

ということで、本日は奈良ホテルの写真だけでおわりです。

すみません。

奈良の話はまだまだ続きます、、、、、

  *    *    *

奈良ホテル : 630-8301  奈良市高畑町1096 0742-26-3300   HP

         

東大寺修二会〜お水取り2009

今年も、お水取りの季節がやってまいりました。

この時期になるともうむずむずするというか、やっぱり今年もでかけます。

お松明の記事は今年でもう3度目。(昨年の記事→こちら

毎年同じ事を書いているかも、、、


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いつもは奈良公園を突っ切っていくのですが、今年一緒に行った友人が膝をいためていたので、

正攻法で、南大門からはいります。


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「二月堂はこちらだよ。」

と、物知り顔の鹿さんに教えられて?参道へ。


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ほの暗くなった石畳の参道を歩く。

実際はもっと暗く、人気がないとちょっとこわいような、、


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毎年毎年、一番前の場所をゲット。(すりぬけて前まで行くこつがあるのですscissors

静かにお松明をまつ二月堂です。


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下を見下ろせば、もうたくさんの人が集まってきています。

耳をすますと、堂内から練行衆の差懸(さしかけ・下駄のような履き物)が木の床を打つ音が響いてきます。

どきどきの時間が過ぎて、、、

そしていよいよ消灯、北の階段から先触れの松明を持った童子が。

ついで大きな松明が、、、、


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学生の頃から、またここ10年くらいは毎年、このお松明を見に奈良に来ています。

そして、今年も来ることができたことに感謝。

火の粉を思いっきりかぶってこの1年も無病息災でありますように。

お松明のあと。

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お堂の正面。

こちらから少し中に入ると、西の局と呼ばれる場所。

ここまでなら女性も入れます。暗い中で座っていると、外陣の中に座っている関係者のお坊さん(練行衆ではない)の姿が見え、帷のむこうに、ほのかな燈火に照らされ、かすかに供えられた1000面の餅や飾られた紙の椿の花が見えます。

読経の声も聞こえてきます。

この日はお水取りの期間中2回(5日と12日)読み上げられる過去帳〜東大寺建立に関わったり、援助や寄与された人たち、聖武天応から始まる方々(源 頼朝から18番目、青衣《しょうえ》の女人が有名)の名前〜の読み上げがあるので、その前の神名帳の読み上げとともにお堂の中で聞こうと思っていたのですが、膝の悪い友がつらそうだったのであきらめました。

来年は少しスケジュールが楽になると思うので、その時のお楽しみにとっておくことにしましょう。

それにしても外陣まで入れるのは男性だけ、、というのはちょっと、、、、weep

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お堂の北側にある茶所へ。

こちらで無料でお茶がいただけます。


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いただいたあとはこのようなレトロな流しでちゃんと自分で洗うのです。


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こんな釜まであります。

現役だそうです。講の集まりの時など、これでお湯をわかすとか。


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北の、松明が登ってきた階段の登り口に、役目を終えた松明が。

勧進した人の名前、かつぐ童子(練行衆のお世話係)の名前がかいてあるそうです。


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お堂のはしにあるお守りなど売っている窓口でもとめたもの。

二月堂で十一面観音に捧げられる紙の椿の根付け。東大寺開山堂の良弁椿(”糊こぼし”)とも。

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そして、そして!

やっぱりゲットしたお松明の燃えさし。

台所に飾ります。

杉の焼けたあとの良い匂いがただよっていますよ。

2009年3月 4日 (水)

鵬雲斎大宗匠の講演会

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はい、こちらのホールはどこでしょう?

お着物率が(あとそれから年齢が)高いですね〜。

ここは私のテリトリー?の一つ、西梅田のブリーゼブリーゼの中にある、リニューアルなったサンケイホールブリーゼであります。

この日、あるつてから裏千家千玄室大宗匠(かつて15代家元鵬雲斎でしたが、坐忘斎に家元を譲られたあと大宗匠と呼ばれるように)の講演会のチケットを入手しました。

このホールが新しくなったことの記念講演だそうです。

いや〜、見回すとお茶の先生ばかりのような、、、。あまりお若い方がおられないのがちょっとさびしいですね。

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到着したとき、講演会の直前だったので、呈茶席はもう店じまい前。

なんとかお願いしてお抹茶一服いただきましたが、あわただしくて味もなにもわからない、、wobbly

かろうじて写真をとった鶴屋八幡のお菓子です。(なかはこしあん)

翡翠色がきれいです。

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そのとき大宗匠が呈茶席におでましでしたので、これは写真を撮らねば〜っとブロガー魂がさわいだのでcoldsweats01カメラをかまえると、わざわざポーズをとってくださいました。

老分の方々とご一緒です。

大宗匠にじかにお目にかかったのは、実に30数年ぶりです。

大学生のころ、どういういきさつだったか忘れましたが、吉田神社の献茶式を見に行ったことがあるのです。

当時大宗匠は今の私くらいの年齢だったはず。御髪はまだ黒く、やり手で油っけがぬけていない、どことなくぎらついた感じがありました。

当時裏千家は弟子の裾野をひろげる活動をさかんにしておりましたので、どことなく商売人の印象を私は感じていたのです。

ともあれ、ご先祖様の千利休は堺の商人でありましたから、あながちまちがった印象ではなかったかも。

年月を経て、私が言うのも僭越ですが、良い感じに枯れられました。

笑顔も商売人の笑顔ではなく、ごく自然に振る舞って、ごく自然に出た笑顔のようでした。

85歳になられた今も腰は曲がらず、ぴんと背筋はとおり、90分の講演をいきもきらせずされるのです。

日頃の鍛錬のたまものでしょうか、お茶の功徳でしょうか。


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前から5列目という、良い席でお話をうかがいました。

一応テーマは「大切なこころ」というものでしたが、お話は多岐にわたりました。

子供の頃、どうして自分だけが弟達と違って厳しくしつけられたか疑問に思っていた事、今になって分る母親の見守る教育法のこと、

戦時中、特攻隊であったのに、死なずに生かされた事、終戦後、大徳寺僧堂にて「若」とよばれながら、与えられた公案に四苦八苦した禅の修行のこと、、、など。

茶家という特殊な家に生まれて特殊な家庭環境で育った、という話は私たちにはとても興味があっておもしろいものでした。

そして、

一碗のお茶をいただくのに、ちゃっと点てて、さっとのめばそれでしまいなのに、なぜ茶道は左右の連客、亭主に挨拶してから飲む、というしちめんどくさいことをするのか?

一碗のお茶を飲むのに、何回も頭を下げる、それによってお茶を点ててくれた亭主に、お茶を作ってくれた人々に、そしてその一座にともに集ったという必然に、ひたすら感謝、感謝、感謝。

頭をさげることで、今生かされているということに謙虚に感謝する気持ちがわいてくるのではないか。

その謙虚な気持ちが相手への敬意を生み、さすればいさかいなどなくなるはず、、、大宗匠のスローガン「一碗からピースフルネスを」(大宗匠は英語が堪能なんです)とはそういうことではないか、と、つたないながら私の言葉で解釈してみました。

最後に少々驚いた事が。

「アメリカの大統領は誰1人としてヒロシマ、ナガサキを訪問していない。ハワイのパールハーバーを天皇陛下が訪問されるという話があるが、アメリカの大統領がヒロシマ、ナガサキを慰霊訪問しない限り、行っていただきたくない。」

と強い口調で言われた事。

世界平和を願われる方が、こう言われる。

戦争に行かれ、多くの戦友を失った無惨な体験、大宗匠の中で実はまだ戦争は終わっていないのかもしれません。

(アーリントン墓地に献花した麻生首相の事もじつはぼろかすでしたcoldsweats01


<ちょっとブレイク>
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(呈茶席でゆっくりお菓子とお茶を味わえなかったので、かたきをとるため?お菓子をかってかえり、2個とも食べる!
「春の水(ねりきり)」「下萌(雪平、黄身餡)」)

講演のあと、はるかに年上のお姉様弟子のかたと4人でお茶しながら、お話ししたのですが、共通の知り合いのある先生が、大阪の某・月釜をかけなさい、と親先生にいわれたそうです。

その月釜ではお客さんは皆様お茶の先生ばかりなので、いいかげんなお道具ではだめだといわれ、すでにお持ちの道具はすべてダメ。

で、新しく高価な茶碗やら水指やら買うのにそれこそマンション一軒分のお金を使われたとか。

さらに、席中にかけるお軸を家元に書いてもらうよう、今度わざわざ親先生が京都までお連れするらしいです。

もちろん、そのお礼はウン十万でしょう。

わりと格式のある月釜なので、少しご高齢のこの先生にとっては人生最初で最後の晴れ舞台であるので、それも受け入れられたのでしょうが、私たちにはどうも、首をひねりたくなる話です。

講演のなかで、大宗匠が言っておられましたが、お茶事の懐石料理が年々はでに豪華になっているのはおかしい、そもそも懐石は、参禅の修行僧の空腹をやわらげるために、温めた石を懐にいれたのがはじまりなので、利休さんが決めたように、一汁三菜が本来の姿だと。

道具も自分の身の丈にあったものでいい。それが本来のわび茶の姿である、と。

今のお家元の坐忘斎が箱書きをやめられたのは、箱書きばかりをありがたがって、肝心の道具や、亭主の心配りを見ない風潮を憂えての事だと思います。

私たち4人は、持っているお道具で月釜をこなすのが本来のあり方よね〜ということで一致しましたが、多くの先生方はそう思われないのかもしれません。


よいお道具を持っていて、出せる人はだしたらいいし、そうでなくても、まじめに修行してきたのなら、日頃使っている修行の証のお道具をほこりをもって、だせばいいのに、と思います。

分不相応にお金をかけて、道具あさりに血道をあけていると、「だから茶道は金持ちの道楽」なんていわれるのです。

月釜に参加されるすべての先生方が、「あんな安物のお道具をだして、、、」なんて思わなくなればいいのです。意識改革が必要だと思います。それこそ道具ではなく、今日の大宗匠の講演のテーマである「こころ」、主客ともの心を大切にするお茶がほんまのお茶ではないでしょうか。(偉そうなことをいいましたcatfaceすみません)