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2008年8月

2008年8月30日 (土)

久松先生の掛物

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まだまだ暑いですが、秋の気配がそこここに。

我が家の庭にも秋明菊が咲き始めました。お庭をお見せしたいところですが、手入れが行き届きませんで、草ぼーぼーなので

切り花でお目にかけます。

今回もちょっと堅いお話です。

さて、茶室を作って、お披露目の茶会をひらこうと思うとき、まずどんな道具を手に入れたいですか?

私は、お茶碗や茶入れなど手に入れたい物は多々あるのですが、まず茶会の顔となるべき掛物がほしいなあと思っていました。

利休の茶道理念を記した「南方録」にも「掛物ほど第一の道具はなし、客・亭主共に茶の湯三昧の一心得道の物也、墨跡を第一とす」と、ありますし。

ではだれの墨跡?というと私をお茶の世界に心茶会を通じて(精神的に)導いてくださった久松真一先生(元京大文学部哲学科教授で西田幾多郎の直弟子でもありました)の書ほどふさわしいものはないのではないかと思っていました。


以前のブログにも書きましたが、ジェネレーション的に実際に指導をうけたわけではありませんが、最晩年の先生におめにかかりに岐阜の隠居所へおじゃましたことがあります。

その記事の中で、先生の手になる短冊、画仙紙の書は何枚か手元にあり、待合い掛けにぴったり、ということを書いたのですが、本席の床に掛けられるものが欲しいなあ、とかねてより思っていました。

けれど先生はお亡くなりになって久しいし、一般的にはメジャーな方ではないので、手に入れるすべもなし、とあきらめていたのです。

ところがネットで色々検索してみて、岐阜の先生の元隠居所の書院および茶室・抱石庵(抱石は先生の号)が久松真一記念館として公開されており、その開館の節、ご縁のあった岐阜のN画廊さんで久松先生の書を扱っているということを知りました。

早速メールをして問い合わせてみると、折良く、もう少ししたら6点ほどでるので、お知らせします、とのこと。

これもご縁でしょうか。

速攻で2本入手いたしました!


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6点あったなかで、即決したのがこれです。

(正直言うと、、、自力では読めません、、、coldsweats01

    
     「随所作主(随所に主となる)」

禅宗の有名な「臨済録」の言葉で、このあとに「立つ処みな真なり」と続きます。

目の前の事象に心惑わされる事なく、常に自分という主体を見失わず真人でおれ、というような意味ですが、私はこの言葉を前にすると、思わず背筋をピンと伸ばしてしまいます。

たとえ恵まれない環境、境遇にあっても、それを愚痴るのではなく、己のなすべきことを淡々と為すべし、というふうに解釈し、日々つい不平を口にしがちな自分への戒め、になると思うので。

これはよく、お茶席で見る軸「主人公」の語にも通じる言葉で、先生の本の中によく出てくるのです。

この書に出会えたことは幸運でした。これほど私が理想とする茶室開きの掛物はないと思います。

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先生の字は豪快な時もあれば読みやすい時もあり、全く読めないときもあり、いろんな書体があるのですが、これは珍しく繊細なタッチです。

思い切り筆をあてたところから墨がにじんで、先生の息づかいすら感じられるようです。


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先生の号「抱石」

寒山の詩、「白雲抱幽石(白雲幽石を抱く)」から多分きていると思います。


さて、今ひとつ。

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    「松老雲閑(松老いて雲閑か)」


この後、「曠然(こうねん)として自適す」と続きます。


同じく「臨済録」の言葉で、本来は、臨済義玄が師の黄檗のもとで過ごした日々を回想する言葉ですが、その後、禅僧の理想

の境地を表す言葉になったそうです。

この言葉はよく理解できる、、、という訳ではないのですが、じっと字を見ていると老境かくありたし、という図柄が浮かんでくるんです。

この「閑」の字が好きで、もし茶室(え〜と、今は計画中に付き、茶室のちの字もできてませんが)に扁額を掲げるとしたら、この字を使いたいな〜と。

学生の頃、心茶会の接心会で使わせていただいていた南禅寺の慈氏院(だるま堂:非公開)に、看雲亭という三畳台目の小間の茶室があり、私にとっては理想的な、憧れの茶室でもありました。

めざすところ、この看雲亭のような、お茶室を作りたい。


そして、茶室の名を「看雲」を「雲閑」にかえて、、、なんてどうかな〜などと、ちょっと妄想の世界にはしっております。

さて、掛物は手に入れた、と。

あと実際に茶事、茶会を物理的のみならず、精神的に開くのに値するようになるまで、どのくらいかかるのでしょうかね〜。
(遠い目、、、)

 

2008年8月27日 (水)

真之行台子の初稽古

真之行台子の免状をいただいてから初めての特別稽古です。

月1回特別稽古はあるのですが、真のは年3〜4回、あとは行之行台子や円草なので、貴重です。

ずっと不思議に思っているのですが、どうして真之行台子があるのに真之真台子ってお稽古がないのでしょうか?

聞くところによると、あるらしいのですが、それは家元宗家周辺だけに相伝されるものとか。

正確なところはわかりません。

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とりあえず、もう夏物も終わりで単衣の季節がくるので、早めに着てしまおう、と今回もゼンマイ織りの着物と、紗のひょうたんの帯。

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はじめてお目にかかる真塗りの真台子です。

上段が行より少し高く、行の乱れ飾りに対して、唐金の皆具。

はじめてお手前を見せていただく前に、真の炭点前をさせていただきました。

炭点前の真は、行台子を使ってなんどかやったので、なんとかこなせます。

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行とちがうところ。

茶筅、茶巾は楽などの筅台におき、唐物茶入れは堆朱などの唐物盆にのせ、茶碗は仕覆をかけ紐を真の結びに。

一応奥秘伝になっているので、書物などはいっさいありません。

見て覚えるだけです。(先生が間違って覚えていたら間違ったまま覚える、、というリスクはありますね^ ^;)


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まずはお菓子、お菓子。

本式には7種の菓子が出ますが、今日は5種で。

主菓子は青瓢箪、あら帯の柄といっしょだったわねcoldsweats01

銘は「千成」。なるほど。


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床の花はヤマユリ、フウチソウ、シモツケ。小さ過ぎてわかりませんが、、、

ヤマユリうちの庭でも、風に乗ってきた種から芽を出し、今ではあちこちに生えてきて、この季節1輪、また1輪と白い清楚な花を咲かせ楽しませてくれています。

お点前は(年下の)先輩弟子がお二人、してみせてくれました。

基本的には濃茶点前そのものです。

見ていて感心したのが、いままで習ってきた点前のばらばらだった所作の要素が、この点前一つにたくさん含まれている事。

例えば茶碗を出した後の仕覆の整え方は、茶箱のときと同じ。

盆に載っている茶入れの扱いは四カ伝の盆点とほぼ同じ。

本当は逆に台子点前から派生して下のお点前ができたんでしょうけれど。

先輩方の言われる通り、真は使う道具こそ多いものの、点前自体は行之行台子よりやさしいような気がしました。

真だから、ようするに省略なしでやればいいわけで、行みたいにあっちは省略して、こっちはきちんとして、という乱れ飾りそのものというややこしさがありませんから。

仕覆を最後に茶碗に着せるために手にするとき、両手の親指と人差し指をくりくり(どう表現していいのかわからん!口ごもってものをいうときの仕草とでもいうか、、、)させるのに、どんな意味があるのか聞きそびれました。

茶入れをとるときの塗香は、仏様を拝むのに、清めのために手に香を塗る時の仕草、というのは聞きましたが。

こういう一見何の意味があるのか分からないような所作の、由来や意味がわかれば、きっともっとスムーズに頭に入ると思います。

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先生が骨董市で見つけはった堆朱の盆です。

なかなか手が込んでいて、持つとけっこうずっしりきます。

堆朱も少し時代がかって古くなったものは落ち着きのある色になって、すばらしいですね。

堆朱の香合とか、帯留めなんか、ほしいな〜。(今度骨董市でさがしてみよう)

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骨董収集家から無理をいって買い取ったという象牙の茶杓(真の茶杓)。

竹かとおもったでしょ?この飴色の象牙。象牙がここまでの色になるにはかなりの長い年月と、かなりの数の手に触れられてた歴史が必要です。

いったいいつの時代のものなのでしょう?どんなお茶人さんの手をわたってきたのでしょう?

そういう事を考える楽しみもありますね。

で、お点前おぼえたかって?

い〜え!wobblyまだまだこれからでございます。

2008年8月25日 (月)

呉服屋さん店仕舞いの余録

朝夕、ほんとうにしのぎやすい。

おまけに日が確実に短くなってきているので、あんなに「こんな暑い夏は早く過ぎて欲しい!」と思っていたクセに、早い日暮れに少し心細くなったりしますね。

お茶の先生のお友達で実家が京都の呉服屋さん、という方がおられるのですが、昨今の事情でついに店じまいにいたったそうです。

そこでお蔵の中にのこっていた反物や帯など、たくさん引き上げてもちかえり、”もう気持ちだけで良いから”という値段でわけてくださることにheart02


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先生とわれわれ着物好き弟子4名でお伺いすると、ここは呉服屋さん??と思うほどの反物が、、lovely

ただ、長いこと蔵に残っていた物なので、古〜いほこりの匂いが、、、それもなんとなくおばあちゃんの家の匂いに似ていて、いやな感じではありません。

「少しかびたりしてるのもあるし、柄もかなり古くさいので、そこは了承してね。」

と、いわれる先からもうみんな宝の山をほじくりにかかっています。

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これは訪問着の山。

あと振り袖の山もありましたが、われわれだれも振り袖に用なし!(悲)


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夏物もありましたが、たしかに全体として一昔、二昔まえの柄行が多かったです。

そこで、わたしが惹かれたのは、柄にあまり流行のない大島!


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あれも、これもと鏡の前でみんなで批評しあって、、、いや〜女って単純ですね。おべべの前ではお目々がキラキラです。

さらに「買っていただいたら、留め袖も気に入ったの1枚どれでも持って帰って。」

きゃ〜heart04


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たくさんの黒留め袖の山をつぎつぎ広げてあれ、いや、これ、、、と。

かれこれ2時間近く、みなさん買ったこと、買ったこと!

わたしの戦果を紹介します。


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まず一番に目をつけた黄八丈。

本物はとにかくお高いのは知っていました。これも約20年前の値札で36万円ですから、いまの値段はおしてしるべし、です。

一緒に行った方に私もほしかったのに〜と言われましたが、早い物勝ちですから〜bleah

これは袷に仕立てたいですね。


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これは青い村山大島(奄美大島の大島ではありません。東京都の大島)、と沖縄の島織りのカジュアルな帯。

大島はすこしかびてますが、湯のしをすれば大丈夫でしょう。これは単衣にすれば長く着られるかな。


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羅の反物。

これは夏用の丈の長いちりよけに仕立てたらおしゃれ〜。


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おまけでいただいた留め袖です。

留め袖の出番はまだ先だし、その時は貸衣装で時代にあった物をと考えているので(ほとんど着る機会ありませんし)、これはドレスにリフォームしようと思っています。

で、これでしめておいくらだと思います?

10万円いきませんでした!

ただし、これから仕立ててもらうと、胴裏も必要だし、結構お金かかりますので、1シーズンに1枚くらいのペースでゆっくりと、、、、、

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2008年8月21日 (木)

チェコ紀行〜プラハ2

プラハでは今までカレル橋の東岸の旧市街を回りましたが、最終日、雨の中、西岸のマラー・ストラナ地区、プラハ城へ。

このエリアもモーツァルトの時代から町並みは変わっていないらしい。

プラハ城までのゆるい坂を登りながら、家々の入り口の上の紋章を見て歩くのは楽しい。かつては住所というものがなかったので、

住所代わりに各家の紋章を掲げたらしいが、それぞれに創意工夫がみられます。

たくさん写真におさめてこれだけで家紋コレクションができるのですが、ここでは印象的だったものをのせてみます。


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3つのバイオリン


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2008年8月20日 (水)

チェコ紀行〜カレル・チャペックの家

今回の旅行のハイライトはなんといっても、カレル・チャペックが晩年を過ごした、スターラーフーチという小さな村にある家を訪ねる冒険(?)でした。

冒険というのは、頼りになるのはHPの記事だけという、しかも言葉の全然通じない場所での暴挙ともいえる計画だったので。

少しだけチャペックについて説明すると、チェコの国民的作家で、SFから推理小説、児童書、園芸の本、猫や犬の本、台頭するナチスへの鋭い批判的小説などを書いた人です。

私には特に童話が印象深い。

「長い長いお医者さんの話」「郵便屋さんのはなし」「長い猫の話」などなど、、、

小学生の時、チャペックの童話の大きな本が手元にあって、何回も読み直しました。

学校の図書館にもあったのを覚えています。ほのぼのとした絵の表紙でした。(実はカレルの兄、ヨゼフが描いた絵だったのですが、当時は知るよしもなく)

残念ながら内容はだいぶん忘れているので、あらためていく前に読み直そうとしたのですが、なんと本屋の児童書にないんですね。彼の本。

大人を対象とした本は岩波文庫でもあるのですが、、、、。

最近の子たちはこんな良い本をよまないのか?

特に心に残っているお話は、、、

郵便局には小人がいて、心のこもった手紙は暖かく、事務的な手紙は冷たく感じ、手紙を額にあてると中まで読める、という「郵便屋さんのはなし」
ある日宛名を書き忘れたとても暖かい心のこもった手紙が郵便局にきて、離ればなれに暮らす恋人への手紙と知った小人と郵便屋さんは小さな手がかりだけを頼りに、国中を探して配達しようとする話。

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チェコ紀行〜カルロヴィ・ヴァリの温泉

カルロヴィ・ヴァリはドイツ名カールスバード、西ボヘミア地方の町で、ヨーロッパ中の人たちが治療、療養目的で訪れる有名な高級温泉保養地です。


プラハから高速バスで約2時間半。

着いたカルロヴィ・ヴァリは渓谷沿いに美しい建物がならぶ谷間の町でした。


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イメージ的には(マイナーだけど)有馬温泉かな〜。


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2008年8月19日 (火)

チェコ紀行〜プラハ・1

『アマデウス』というウイーンが舞台の映画のロケが、ウイーンではなく、実はプラハで行われていたということはご存じでしょうか?

モーツァルトやサリエリが駆け回った18世紀のウイーンそのものの街が、プラハには何の細工をせずとも、(かなり広い範囲にわたって)ある、ということですね。

そこは世界遺産の街であり、世界的な観光地だけあります。

事実、昼間からかなり遅い夜にかけて、旧市街の小路という小路、広場という広場は観光客でいっぱい!しかも耳を澄ますとありとあらゆる言語のるつぼでした。


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(きっと人がいっぱいだと思ったので、早朝、7時くらいに旧市街に。案の定、うそみたいに人通りがなくて、美しい街を堪能できました。)


チェコ公用語はチェコ語。ドイツ語がわりと通じて、ついでロシア語も多かったような。ただ、英語の順位低いです。

うれしいことに、かなりの割合のスペイン語圏観光客がいて、スペイン語が少しききとれるとうれしかったり、、、。

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初日は朝のうちから雨がぱらついて、寒い!日本準拠装備だったので、なおさら寒い!

10月終わりから11月はじめくらいの気温。

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2008年8月18日 (月)

チェコから帰国しました。

あっちは雨もあって、11月のはじめぐらいの寒さ!

日本はまだまだあっついな〜。でも、もう一息かな、この暑さも。

世界遺産の町(ごっつい観光客の数!それも世界中から)から、湯治温泉の町、一番の冒険だった郊外の森のむこうのチェコの作家のお家まで、、、

みなさまに飽きられない程度にまた何回かアップしますね。

よろしく、おつきあいのほどを。


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2008年8月11日 (月)

また今年もしばらく旅に出ます

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おかあさんはまた、どっか旅に行くみたいです。

今度はおとうさんといっしょらしいです。

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ど〜せ、あたしたちはお留守番です。

もう、ふて寝しよっ!

   ************

と、いうわけでしばらく旅行で留守にします。

どこに行くか?  今は内緒にしときます。帰ってからご報告します。(ヒント:Karel Capek)

どうか土産話、また見てやってくださいませ。

皆様もあと一息の夏、健康に気をつけておすごしくださいませ。

2008年8月10日 (日)

中國茶會/無茶空茶館

ここはどこでせう?

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宇治茶の看板もありますし、京町家のある洛中の景色では?


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でも古そうなお蔵のそばにそびえ立つ高層ビル、、、


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はい、京都というのはウソですbleah

ここは大阪西天満。梅田の少し南東方向になります。ここも戦前からの古い町家がたくさん焼けもせずに残っている地域です。

だいぶん前になりますが、NHKの朝の連ドラ『ぴあの』の舞台になった古い大きな町家はこのあたりがモデルだったと思います。

ここは老松通りという骨董屋街に続く場所でもあります。

たちならぶ近代的高層ビルの谷間に古い町家が点在する、町家の背景が超近代建築、という不思議な景色は大阪ならでは、

かもしれません。

さて、今日のおめあては、このエリアにある築100年になる町家。


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それなりに立派な表構えです。

ずっと行ってみたかったのです。町家の風情を見てみたくて。ただ最近は中国茶に触れる機会もあって、その方面からもこれは是非!とやっとくることができました。


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無茶空茶館さん。

中国茶を点茶していただけるお店です。


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ここは喫茶だけでなく、中国茶教室や二胡教室などもひらかれてるらしいです。

ドアをあけてみると、


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古材を使った落ち着いた色の木の床に、棚に並んだ茶壺(チャフー)や茶碗。

外見の純和風とうらはらに、ここは中国??。

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隣の部屋(本来は走り庭になる部分)との境の窓に、中国から持ってきた、という複雑な細工の建具が入って、書なのか画なのか私には判然としませんでしたが、中国風の軸がかかっています。


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これもアンティークの紫檀のテーブルセット。

眼がおもわずheart02になるようなしろものです。ここに席をとることに。

まず、本日入荷されたばかりのおすすめ中国茶を見せてもらいます。


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一口に中国茶といっても中国は広大なので、産地も北から南、山岳地帯から沿海地域までとほんとに多種で、つかみどころがないようです。

私は写真の左上、台湾産の『阿里山金萱茶』というのを選びました。

お店の方によると、紅茶のような香りで、少しミルキーな感じ、、、だそうです。


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その他にも常備してあるたくさんの茶葉!!

これはとても制覇しきれませんわね。なかにはそれこそ100g何万円もする茶葉もあるそうです。

茶壺(チャフー)などの茶器もこりだすと天井知らずらしく、昔から中国ではお茶で身代をつぶした、ということがあるそうです。(ものの例えかもしれませんが)


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さて、アルコールランプの上に大きな土瓶をおいて、お店の方が点茶してくれます。

中国茶は最初の一杯目は捨てるのでしたね。


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蒸らしたお茶はまず右側の細長い茶器に入れ、左の浅い方に移します。そして移した後、空になった茶器に残った香りを楽しむのです。

そのあとでおもむろに浅い茶碗からいただきます。

う〜〜〜ん。どう表現して良いのかわかりませんが、よく知っているような、初めての味のような、、、、。

確かにミルクティーを思い出させるところもあります。

これを一煎目、二煎目とず〜っと十煎目くらいまで味わいました。ここら辺は煎茶、玉露と同じです。

それぞれ味がかすかに違ってくるのをテイスティングするのが通なんでしょう。

この手前の木の先のとがった棒ですが、


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これはこのように使います。

茶葉はくるくるっと丸めた状態なので、お湯を注いでも、最初は中まで蒸れないので、この棒で茶壺の中をかきまわして均等に蒸れるようにするのだそうです。


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奥の間では他のお客さんのためにスタッフの方が点茶しています。

こちらも拝見したく、お願いしました。

奥の間は書院障子の入った立派な床の間もある六畳くらいの部屋です。

そして、町家のお約束、坪庭です。


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次回来たときはこの坪庭に面したこのお部屋の席にしよう、と思いました。

私がはじめて中国茶を意識し始めたのは京都の(未来の)我が家の近く、岡崎の好日居さんに行ったときでした。

好日居さんも古い町家を(ご自分で)改修されて(元建築士)中国茶、日本茶を煎れてくれるお店です。

隠れ家的こじんまりとしたお店ですが、ここと雰囲気がよく似ています。確か好日居さん、ここの中国茶教室の生徒さんだったはず。

岡崎と西天満をつなぐラインがここにあったのですね。

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もう一つのおたのしみは、こちらで点心がいただけるのです。

これは野菜の饅頭。あつあつでおいしかったです〜。他にもうまそうな月餅や杏仁豆腐、麺類などもありましたよ。

中国茶体験と、町家探訪、一つで二度おいしいお店です。

先日行ったJR天満すぐの茶藝館かぎろひさんといい、ここといい、最近中国茶をだしてくれるお店が増えました。

中国茶の世界も又楽しいのですが、これ以上手を広げると、私には収拾つかなくなりそうなので、これはちょっとした時々のお楽しみにとどめておこうとおもっています。


無茶空茶館

〒530-0047 大阪市北区西天満3-9-12
TEL:06-6361-6910
営業時間:12:00~19:00(日祝休)

最寄駅  地下鉄 南森町駅  徒歩10分
    京阪 堺筋線 北浜駅 徒歩7分

2008年8月 8日 (金)

こなしの上生菓子に挑戦

体力だけには自信があったのに、ここ2週間ほど夏風邪と歯痛でしんどかったあげく、おなかもピ〜。

頭の芯もなんだかぼ〜っとしてすっきりしない。これが噂に聞く『夏バテ』なのか?!とおもいあたりました。

半世紀とちょい生きてきたけれど、私の辞書に『夏バテ』の文字はなかったのに。

食べなければまずい!と無理に具だくさんスープなど食べています。いままで食欲を抑える戦いは日常茶飯でしたが、食欲ないのに食べるのがこんなにつらいとわ!

というわけで、いささかアクティビティのおちているわたくしですが、お休みの日は、外にでかけないで家でこんなことして遊びました。

<上生菓子を作る!>

以前干琥珀作りにからくも成功したのに味をしめて、

今回はこなしのお菓子に挑戦。


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餡はさすがにそこまでは作れないので、既製品を使用。


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まずはこなし作りから。白餡にもち粉、小麦粉、砂糖をふるっていれます。

『こなし』は京菓子独特の餡生地で、いろいろ細工をするのに最適なのです。

実は最近まで『こなし』って聞いたこともなかったのです。練りきりしか知らなかった。

京都以外で『こなし』といっても、わからない人は多いと思います。


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こねこねするとまだかなりべちゃべちゃで、これで本当に細工しよい生地ができるのか少々不安。


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この生地をいくつかにわけて、30分ほど蒸します。


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蒸し上がるまでの間に、黒の漉し餡をまるめてタネ作り。


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蒸し上がったものを濡れ布巾に入れてこねてまとめると、、、、おおっ!

べたつきはほとんどなくなり、クッキーの生地みたいに扱いやすい生地になっています。


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赤の色粉を混ぜて色付け。

本当はベースの色は涼しげな青にしたかったのですが、青の色粉がどこかへいっちゃって、、、、。

でもまあ、捏ねる感触はまさに粘土!これが『こなし』なのかあ〜と実感。

なにしろこなしと練りきりの違いがどうなのか、ずっと知りたかったのです。ああ、わかった、これがこなしだ〜!

今度から上生菓子をいただくときこれはこなしで、これは練りきり!と区別がつきそうです。


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緑は、、、ちょっと色粉の分量をまちがえましたねぇ。もうすこしはんなりした色にしたかったのですが、、、

でもまあ、こんなふうによく伸びる生地です。


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3色完成。


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さてここで先日大阪の道具屋筋でもとめた抜き型の出番です!

今回は青楓と金魚のモチーフを。


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いささかこの生地をぬくには、抜き型、すこし繊細で複雑だったようです。

特に楓、かたちがいまいちゆがんでしまいましたが、まあ、最初にしては上出来。(自画自賛)


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ボディになるピンク色のこなしを8等分。


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さきほどの餡を包みます。

プロはこれですごくきれいな形をみるまに作り上げていきますが、素人はかわいく(?)茶巾しぼりで。


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初心者に簡単にできる方法で、ラップでつつんでねじるだけ。


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ちゃんと茶巾絞りになってますよ〜。\(^O^)/


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8つ完成。

これに、、、


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こなしの先ほどの飾りをつけてほんとのできあがりです。


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早速、お茶を点てていただきました。

味はまあ、既製品の餡の味なのですが、そこそこのできです。

というか、ここまで作るのに、調理器具に着いて余った餡やこなしをつまみ食いしていたので、いざ本番になると結構食傷してました。(反省)

とりあえず、銘は『木陰の金魚鉢』、、、、なんてどおでしょう?

こうしていただくと、プロの菓子職人の技がどれほど芸術の粋に達しているのか実感できました。

餡の味ももっと洗練されているし。

餡を晒して味を上品に磨き上げることを餡を研ぐ、というらしいですが、今度は餡作りにも挑戦しようかな。←いささか図に乗りすぎ。

でも、とにかく、こうして季節の和菓子をいただける幸せhappy01heart04

日本人でよかったわぁ〜。

2008年8月 5日 (火)

法事にて

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庭のヤマホロシです。なんとなく茄子の花に似ています。なかなか気むずかしく越冬に毎年失敗しています。

さて、ヤマホロシとなんの関係もありませんが、時候ですのでお盆の話を。

先日親戚のところで一周忌の法要とお盆の法要をまとめてやりました。

初盆と言えば私の祖父の初盆の時(当時小学生でした)、お盆提灯を飾ったり、茄子やきゅうりに割り箸を刺して馬や牛を作った記憶があります。蓮の葉にもった打ち物菓子やら果物やらお供えがたくさん。ろうそくや線香もたくさん飾っていました。

なにぶん昔のことであまりはっきりした物ではありませんが、子供心にも、お盆のお飾りはにぎやかできらびやかだったような印象があります。

実家は天台宗なのでそれにのっとったお飾りだったのでしょう。

ところが、今回の初盆はお飾りがえらいシンプル。盆提灯もなければ茄子の牛もなし。ろうそくも1本。

聞けば浄土真宗(門徒宗・西本願寺)の様式なのだとか。もともとこのお家は真言宗だったのだけれど、後の供養などの約束事が煩雑なので、これを機に門徒宗に改宗したとのこと。って、そんなのって、ありなのか〜。

たしかに門徒さんはお飾りもシンプル。法名も天台宗などでは○○院○○○○居士みたいに長いのだが、門徒さんでは「釈 ○○」ととっても短い。

宗派によってこんなにもちがうなんてびっくり。

そういえば半世紀以上生きてきたけれど、幸か不幸かそういうことを見聞きする機会があまりなく、知らずにここまで来てしまったようです。

一応仏教徒なのに、こんなにも無知なのは恥ずかしいです。(多分恥ずかしいおとなは私の他にもたくさんいるだろうけれど^_^;)

外国では宗教はもっと思考、生活に密着しているので、(それが故に紛争も起こるわけですが)外国人に「あのお飾りは何を意味しているのか?」と聞かれたら答えられるくらいの知識は日本人の矜恃として持っていたいものです。

今回お経を上げてくれたお坊さんの袈裟の文様がとても気になりました。


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藤色の地に変わり下がり藤の金襴。

きれ〜だな〜、仕覆や古帛紗になりそう。と思いながら見ていたのですが、おたずねすると、これこそ西本願寺の寺紋だそうです。

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もともとは親鸞上人の生家・日野家の紋章の鶴丸(日本航空ではありません)が西本願寺の寺紋だったようですが、明治年間に貞明皇后の姉、九条籌子(かずこ)様が本願寺に嫁がれたときにもってきた九条家の下がり藤が紋として使われるようになったとか。

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ちなみに東本願寺の寺紋は牡丹です。


東本願寺は江戸時代に新たに分かれて出来たことなども、はっきりとは知りませんでしたが、この寺紋の話から少し勉強いたしました。

京都駅を降りるとすぐ前にで〜んと構える東本願寺、ちょっとはなれた西本願寺、行ったことはありますが、な〜んにも知らずにいってたのねえ。

ところでやはりずっと京都にお住まいの方はやはり浄土真宗が多いのでしょうか?

2008年8月 2日 (土)

お茶のお稽古/極暑のあつかい〜玄関先の涼

お暑い毎日が続きます。

毎朝の水やリも気が抜けません。で、今朝も水を撒いていると、、、、、


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4年前に享年9歳で亡くなったウサギのたかこのお墓だけど、、、、ん?なんか変。


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あらら、、、、

「くすぐったいんじゃ」(註:たかこは♂)

「(^^) そりゃ、くすぐったかったよね〜。」


・・・・・・・・・・・


さて、今日のお稽古着は、

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ゼンマイ織りの薄物に、先日ゲットした麻の帯。

一応荒磯文様になってます。この白地に波の青が涼しげで、出来心で、、、。

(ちなみに同じ売り場で、ちょっとお高かった緑地に朱の紅葉刺繍の帯、買おうかどうしようか、、、と思案して、一周してるうちに売れてしまってました〜)

ゼンマイ織りは麻みたいにしゃんとしてて、着ていても暑苦しくなく、肌触りも気持ちよいです。

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今回もお遊びで半襟は手ぬぐいです。


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木槿がこの季節らしい。

矢筈ススキがいいですね。日本の文様そのものの花生けです。


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点前座は葉蓋と洗い茶巾。

去年のブログの記事を見たら、全く同じ棗と茶碗だったわ。(^_^;

でも画像は去年の流用ではありません。(まったく変化ないけど、、、)

葉蓋は梶の葉が一番人気ですが、先生の所の梶は葉っぱが小さくて蓋になりそうもない、とのことで、芙蓉の葉を使っています。

さらに水滴を乗せた蓮の葉や、芋の葉などもいいですね。

最近読んでいる岡本浩一『茶道を深める』の中の一節。

『洗い茶巾の水音がしたからといって、あるいは風鈴の音が聞こえたからと言って、気温や湿度が変わるわけではない。けれども、このような工夫によって涼感を「感じる」ところが、連想、発想の豊かさであり、ひいては人間の主体性の強さである。 、、、、、、(中略)、、、、夏の暑さもわずらわしいものだが、夏の暑気を点前の趣向に利用する気構え、、、辛いこと、から逃げるのではなく、それを積極的な契機にしていこうという茶人の気構えを、夏の席に偲びたいものである。』

まさにそれ。それ以上言うことなし。


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お菓子の銘は『夏木立』

このセロファンの葉っぱがつや消しですが、今日のお菓子はちょっとやわらかで、たしかにこのセロファンがないと、菓子鉢に移すとき、懐紙にとるとき、ぐちゃぐちゃになりそうです。

本物の葉っぱならなお良かったのですがね。

茶杓の銘は、『水』つながりで『貴船』にしました。貴船神社は水の神様だったと思います。

でも、どうも貴船と聞くと、みなさん川床を連想されるようで、意図したところとは違いましたが、まあ、いいか。

名前を聞いて涼を感じていただければ、、、、。


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家の玄関先にも涼をあしらおう、と庭で茂りまくっている秋明菊の葉を九谷焼(現代物)の水を張った鉢に入れてみました。


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中はこんな感じで。(実は去年と同じ^_^;)

ところが家に帰るといつも葉っぱが下に落ちている。???と思ったら、猫のおもちゃになっていたようです。

猫に『涼』感は関係ない、、、、か。